【案内】ヴァルシナー教授講演会のお知らせ

 北海学園大学の小島康次先生より、掲題の講演会のご案内をいただきましたので、ここでもお知らせいたします。以下、そのご案内からの引用です。

講師:イアン・ヴァルシナー(米国クラーク大学教授)
演題:「精神世界と物質世界における聖具―文化の”可視的な面”と”不可視な面”」
(通訳はつきませんが、所々で内容の要約をします)
場所:北海学園大学 7号館 D31番教室
日時:平成19年8月21日(火) 
  講演   14時~15時30分
  休憩   15時30分~16時
  セミナー 16時~17時30分
参加費:無料

懇親会 18時30分~(サッポロビール園:屋外炭火焼ビヤガーデン)
 会 費 4,500円

 イアン・ヴァルシナー先生は文化心理学を専門とする碩学で、心理学史についても造詣の深い研究者として知られています。理論的な研究発表の場として評価されている専門雑誌Culture and Psychologyの編集責任者でもあり、今般、帯広畜産大学で開催される日本性格心理学会に招待講演者として来日されるのを機に、札幌でも講演、セミナーをしていただくことになりました。文化心理学のもつ今日的意義、また、その応用可能性について、最新の研究成果を紹介していただく予定です。

*なお、セミナーは、参加者に5~10分程度のプレゼンテーションをしてもらい、ヴァルシナー教授からコメントをもらう形式です。発表希望者は北海学園大学、小島(kojima [at] elsa.hokkai-s-u.ac.jp)までご連絡ください。(引用者注: メールアドレスの[at]を@に直して送信してください。)
*懇親会に参加ご希望の方は、小島(上記連絡先)まで事前にお申し出ください。参加費(4,500円)は会場にて申し受けます。

 引用は以上です。なお、プレゼンテーションをする方(特に大学院生!)を広く募集しているとのことです。

速報:第2回発達と学習研究会開催のお知らせ

 さあさあ皆の衆。唐突ではございますが、読書会を開くことにしましたですよ。

 読むのは以下の本でございますよぉ。

 Sawchuk, P. H., Duarte, N., & Elhammoumi, M. 2006 Critical perspectives on activity: explorations across education, work, and everyday life. New York : Cambridge University Press.

Critical Perspectives on Activity: Explorations Across Education, Work, and Everyday Life
Cambridge University Press
売り上げランキング: 460876

 んでもって、目次は以下のようになっておりますよぉ。

Introduction : exploring activity across education, work and everyday life / Peter H. Sawchuk, Newton Duarte & Mohamed Elhammoumi
1  Is there a Marxist psychology? / Mohamed Elhammoumi
2  The cultural-historical activity theory : some aspects of development / Joachim Lompscher
3  Epistemological scepticism, complacent irony : investigations concerning the neo-pragmatism of Richard Rorty / Maria Celia Marcondes de Moraes
4  The importance of play in pre-school education : naturalisation versus a Marxist analysis / Alessandra Arce
5  Estranged labor learning / Ray McDermott and Jean Lave
6 “Our working conditions are our students’ learning conditions” : a CHAT analysis of College Teachers / Helena Worthen and Joe Berry
7  Contradictory class relations in work and learning : some resources for hope / D.W. Livingstone
8  From labor process to activity theory / Paul S. Adler
9  Values, rubbish and workplace learning / Yrjo Engestrom
10 Education as mediation between the individual’s everyday life and the historical construction of society and culture by humankind / Newton Duarte
11 Activity & power : everyday life and development of working-class groups / Peter H. Sawchuk

 勝負の日は8月7日!火曜日!まだまだ脳みその起ききっていない朝っぱらから、そろそろのども渇くであろう夕刻まで、楽しい仲間たちと楽しい御本を読む予定でおりますよぉ。

 ビシッ、ビシッ、とナイスなコメントを飛ばし合う、談論風発、喧々囂々、諸行無常な集まりになるといいなあと企画者一同(2名)意気込んでおりますので、どうぞ皆の衆、今からカレンダーの8月7日の所に大きく赤で丸をビシッと書きこんでおいてくださいねぇ。

 そうそう、忘れるところでありました。あわせてレポーター募集でございます。

「ちょうど読みたかったんだ、こんな本」

 おお、いい反応ですねえ。

「この本買ってはいたんだけどねえ。本棚の肥やしになるところだったよ」

 あ!ぼくもそんな本たくさんもってます。同志、と呼ばせてください。

「一回読んだけど、また読んでみてもいいかな」

 私はあなたのような方が大好きです。

 まだ誰がどこを読むか、まったく未定であります。なにしろ「速報」でありますからねぇ。基本的に、「早い者勝ち」であります。レポーターご希望の方は、お名前と読みたい章を企画者(伊藤)まで、ビシッとお知らせくださいませねぇ。

 それでは。

ソシュール祭り+助かった

 つくばにいるI君よりメールあり。ドゥルーズの『記号と事件』が河出書房新社から文庫になって出ますよ、とのこと。

 I君は、すでに筑波大を御退官されたK先生のたいへん優秀なお弟子さんである。年齢はぼくよりも下だが、ぼくよりもずっといろんなことを知っているし、なによりきちんとした仕事をしている。それだけでなく、上記のように気になった本が出るとなるとその情報を諜報部員よろしくこっそりと連絡してくれるのである。なんていい人だろう。

 優秀な認知心理学者がほしい大学関係者、研究所関係者の方がここを見ていらしたら、ぜひこちらまでご一報を。

 その諜報部員メールに、ソシュール祭りなる言葉が。どうも岩波がソシュールものをまとめてどばっと出すらしい。最近、ソシュールの講義を聴いていた学生のノートが相次いで翻訳され、1世紀を経てようやく彼の言語学の実像が見えてきたようである。

 前田英樹によるソシュールの読み方にかつて受けたショックがまだ頭の後ろに鈍く残っている。ソシュールに還ろう。

 さて、明日締め切りのはずの日心大会抄録を書こうと、ふと大会ウェブサイトを開いてみると、

 一般研究発表、小講演、ワークショップ企画の投稿締切を4月30日に延長しました。

 の文字が目に飛び込んできた。

 うひょー、助かった。これで時間に余裕ができた。

発達心理学会

 21日から茨城の実家へ妻子ともども来ており、2日ばかり家族で過ごしました。

 さて、今年も発達心理学会の季節がやってまいりました。茨城に来たのはそのためです。私は24日の初日からの参加です。
主催は埼玉大学で会場は大宮ソニックシティ。大宮へは実家のそば土浦駅から高速バスが出ているのでそれにて乗り込みます。

 ちなみに学会の後は研究会行脚でじわじわと西へ、伊東経由で名古屋まで向かう予定。その間、妻子は長崎の実家にて過ごします。

 初日、研究会の仲間内で書いた本が出版されたのを題材として、
発達心理学者は発達理論にどう向き合うかについて意見を交わすラウンドテーブルに参加。その本は、「卒論・
修論をはじめるための心理学理論ガイドブック
」といいます。ご関心のある方はどうぞお手にとってください。

 このラウンドテーブル、私はにぎやかし役に回ったのですが、にぎやかすことができないままタイムアップ。
次のシンポジウムの話を聞きながら、私なりに理論について思うところをメモしました(これは次のエントリーにて)。

 夜は執筆者一同プラス数名で大宮駅そばの居酒屋へ突入。気持ちよく飲むことができました。
実家にいったん帰ろうかとも考えていましたが次の日の朝からポスター発表があることを考え、おとなしく駅そばのビジネスホテルへ投宿。

 2日目、ポスター発表です。これは、名古屋短大の松本博雄さんといっしょに考えてきたアイディアを初めて公に問うもので、
「これはいいね」とわれわれが自賛しているストーリーが正しい方向性を持っているのか、
他の人の意見をうかがって確認するという大事な意味があります。

 おかげさまでご興味をもたれた方数名からコメントをいろいろといただきました。ありがとうございます。

 夕方からはヴィゴツキーについて考えるラウンドテーブルに参加。彼の初期の論文「芸術心理学」について、
広島大の岡花祈一郎さんからのご発表を受け、東工大の岩男征樹さんがコメントを返すというやりとりを聞きました。

 ポスター発表での立ち疲れがどっと出て、2日目の全プログラム終了後、よろよろと高速バスに乗り実家へ戻りました。

 今回会ってお話をしてくださったみなさま、どうもありがとうございます。

音楽の社会心理学

 イギリスはローハンプトン大学のデイヴィッド・ハーグリーヴス教授が文学部の招聘で来札されるとのことで、講義を拝聴しに出かけた。

 教授のご専門は音楽の社会心理学。音楽心理学というと、音響知覚研究がかつては主流であった。しかし、私たちが日常出会うのは実験室の人工的な音ではなく何かしら意味のある「音楽」である。そうした音楽を私たちはどのように作り出し、どのように消費しているのか。そうしたことが教授の関心にある。ご自身ジャズも演奏されるそうで、持ちこまれたキーボードを使ってボブ・ディランやエリック・クラプトンの曲を楽しそうに弾いておられた。

 3日連続講義の初日にあたる本日はイントロ。枠組みの整理が主題だったためさほどエキサイティングではなかったものの、随所に興味深い話がもりこまれていた。

はじまってしまえば

 当学部では、若手教員が集まって自主的に研究会なるものを開催している。ちなみに、「若手」の定義は多分に恣意的である。本日は、昨年より赴任された先生をお迎えして夕方より研究会が開催された。修士を修了されて長らく在野で発達支援やスクールカウンセラーをされていた方で、札幌のとある区の相談業務の現状とSCで出会ったケースについて語っていただいた。

 内容についてはここで述べるべきでない話だったので、割愛。

 そのメンバーで打ち上げと称して居酒屋「こなから」へ。名前は聞いていたが初めての店である。刺身が非常に美味しいし、酒・焼酎の揃えも大変よろしい。生まれて初めて「亀の手」を食べた。塩でゆでてもらったのだが、見た目と違って大変にうまい。

 酒が回り始めた頃、メンバーの日頃の思いの丈が机上を飛び交った。その内容も割愛。

 話はがらりと変わるが、昨日でセンター試験が大過なく終わった。やはり話題の中心は今年もリスニングにあったわけだが、どうだろう。 1974年に共通1次試験が始まったころ、マスコミの論調は「そんな試験止めろ」という傾向にあったのではないか。確認してみないと分からないけど。それが今では、センターそのものに異議を唱える声は少数だ。むしろあらゆる受験生にフェアな試験が提供されることが「当然」であるかのよう。

 つまりは、はじまってしまえばそのうち人は適応してしまうというわけだな。リスニングもきっとそうなるだろう。

夜の長浜に麺が飛ぶ

 明けて学会初日。

 会場となった福岡国際会議場は大きくきれいでした、マル。

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 ポスター会場で、今回ぼくが発表するWSを企画された百合草先生にごあいさつ。そのあと、いっしょに発表する岩男さんと合流。夕方まではたらたらとWSなどを見ておりました。

 6時から本番。お客さんの入りは…まあ申し上げずにおきましょう。指定討論の森岡先生はじめ、お聞きくださったみなさま、ありがとうございました。

 さてさて、百合草先生、岩男さんとともに打ち上げに。タクシーに乗って向かった先は長浜。

 博多といえば中洲、中洲といえば屋台が有名ですが、屋台は長浜にもあります。

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今回はその中の一軒に3人で突入。おでん、焼き鳥等々をいただきました。〆はやっぱりラーメン。どうもこの屋台のおやじというのが有名人らしく、ラーメンの湯切りを、ダンスしながらおこなうのです。その様子を見に、観光客が寄ってきます。調子に乗ったおやじ、麺を百合草先生の頭の上めがけて飛ばし、それをふたたびキャッチするという技を見せました。

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 「記念だから」とわけのわからないことを言いながら3人で今度は中洲へ向かいます。屋台をのぞくとえらい混みよう。しかたなく普通の居酒屋でよしなしごとをしゃべっておりました。

 そんなこんなで初日終了。

ギリギリ人生in博多

 一昨日より福岡に来ております。日本心理学会大会に参加するためです。長崎生まれの妻がこの機会にと息子とともに帰省することに。なので、3人いっしょに飛行機に乗ってやってきました。

 空港で義父母と待ち合わせ、そこで妻子とお別れ。次に会えるのは再来週です。たっしゃでなあ。

 さてこちらは天神のアークホテル博多に投宿。ここは全室にLANが引いてあるので便利です。そんなに遅くもならないので快適ですし。

 ぼくの出番は初日の夕方からのワークショップ。そこで発表するプレゼン資料がまだできていないので、宿でしこしこと作成。が、いいかげん腹も減り、しょうがないのでホテルを出てすぐそばの中華料理屋へ。博多に来てなぜ中華か。このときはすぐに宿に戻って作業に復帰する予定だったのです。このときは。

 中華料理屋でビールを飲んだのがいけなかったか、「景気づけだ」と2軒めへ。近くのビアバーに入ってしまいました。日本ではまだまだ珍しいビールをケグ(いわゆる、樽ですね)でそろえているところ。ちょうど業者の人が入れていったばかりの、 GREENE KINGのIPAをいただく。ペールエールですが、飲み口がすきっとしていますね。IPAのサーバのとなりには、同じブルワリーのAbbot Aleがあったのですが、本日はなしとのこと。院生時代に缶で飲んだことはあったのですが、残念。このあと、 GUINNESSと、アメリカのShakespeareというのをいただきました。ワークショップの発表はハムレットに関するものなのでね。飲み干してしまえ、というわけです(こじつけですが)。

 なかなか良いお店でした。BEER’Sといいます。
 BEER’S 福岡市中央区天神3丁目7-1花田ビル201

 さて、宿に戻ってからPCを開けてみるのですが、なにしろ実は徹夜明けなので目がどうにもならなくなってしまいました。というわけでプレゼン作りは発表当日の朝からやることに。ギリギリの綱渡り的な生き方は治りそうにありません。

LD学会

 札幌コンベンションセンターで開かれた日本LD学会へ行ってきた。ディスレクシアに関するシンポジウムにシンポジスト(!)として参加するためである。

 以前から、LD学会でRay McDermottのAdamの話をして喧嘩をふっかけてやろうという野望があったのだが、さすがにお声をかけて下さった先生に気兼ねしてそれは止めた。大人になったものである。

 幼児の音韻意識研究のレビューをまとめて発表。最近houさんといっしょに書きはじめたものである。健常児の、しかも音韻意識の自然な形成のされ方についてのものだったせいかどうか知らないが、あまり受けがよろしくない。

 その後、北海道教育大の斉藤先生、筑波大の宇野先生、そして御大・天野先生と、発表が続いた。

 思ったのは、みなさん検査やら介入が好きなんだなあということ。

 そしてあらためて確認したのは、ぼくらがやりたいのは、発達についての研究なのだということ。

 読み書きの工学的・医学的研究は延々と続いているが、その発達研究は、実はまだはじまっていないのだ。

落ち込みに行く

 日曜、月曜と、名古屋にて研究会。大学院の頃からの仲間内で出す本の編集会議である。

 自分の担当した章が締め切りに間に合わず、シノプシスだけ提出しての参加であったため、まことにばつが悪い。無能さをひけらかしに行くようなものである。どんなに画期的なアイディアがあったとしても、期限に間に合わなければただのゴミくずである。卒論や修論を書く学生にふだんそう言っているだけに、落ち込み度+3。

 書いたものの受けもあまり芳しくない。落ち込み度+2。

 せめてまっとうな文章を書いて、締め切りに遅れず、迷惑をかけないようにしよう。

 行き帰りの移動で、高木先生の「証言の心理学」を読了。

証言の心理学―記憶を信じる、記憶を疑う (中公新書)
高木 光太郎
中央公論新社
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 書かれた言葉から一貫した人格を復元するという作業が、先生たちが最後にたどりついたスキーマ・アプローチだという理解でよいだろうか。そうだとするなら、それは俳優が台本から登場人物の内的な一貫性を探るというスタニスラフスキー・システムに似ている。ヴィゴツキーが「思考と言語」第7章で触れている、あらゆる言葉に映し出された意識とは実はそのことではないか。

 あとがきを読み、高木先生にも書けなくなることがあるんだとなんだか安心した。落ち込み度少し回復。