幼児園の運動会

 北大幼児園の運動会が、土曜日の晴天のもと、開かれました。

 例年ですと18条の体育館の前の広場で開催するのですが、今年はたまたま体育館の工事中のために使うことができず、学部脇の広場で実施しました。そこはちょうど昨年までの学部棟改修工事関係者のためのプレハブが建っていたために、だいたい整地されていました。それでも草ぼうぼうのところもあり、園児のお母さん方や先生方がいっしょうけんめいに草取りをしてこの日になりました。

 今年で最後となる運動会。せっかくなので、小学6年生までの卒園児に招待状を送ったそうです。当日にはほんとうにたくさんの子どもたちが集まりました。中には「あれ、あの子かな?」と面影のある子もいますが、ぜんぜん思い出せない子も。

 ぼくはアマネと一緒に参加。お手伝いをしている学部生にあいさつをさせて、園児の待機する場所のイスにちょこんと座らせておきます。その間、こちらは見物の準備。木陰にシートを敷いて弁当をもってきます。

 時間になり、開会式。年長さんだけで今回のプログラムは組まれています。だからなのか、スムーズに進みます。小学生参加競技、祖父母参加競技、親子参加競技。先生方や学生さんたちのきびきびした動きであっという間に午前中の部が終了。

 アマネの出番は午前中の早い時間に。ゴールテープ目指して直線をぱたぱたと走るだけです。昨年も運動会を経験しているだけに、「よーいどん」でスタートすることは覚えた様子。賞品でシャボン玉をもらいました。

 在園児や卒園児の家族にまじってお弁当。今朝がた大あわてでぼくが作ったものでしたが、なんとか食べてくれました。

 午後のプログラムをこなして、無事に終了。参加したみんなで片付ける手作り感のある運動会です。

初の小上がり

 ただいま、調査の準備で忙しい。毎日のようにネクタイを締めて出勤し、先方との打ち合わせ。

 その準備にご協力いただいたMさんをお誘いして飲み会を開く。場所は平岸。お礼をするのに人を自分のフィールドに呼びつけるのも失礼な話だが、ぜひ飲み屋をご案内したかったのでそれを承知でお誘いした。

 夏の北海道は夜の7時とはいえども十分に明るい。まずは「かみがしま」をのぞいてみる。2人でももう座る場所がなくなっていた。「すいませんね」と言うおかみさんに「後で来ます」と告げて、「もつ一」へ。

 店の入る長屋は、道路側には5軒が軒を連ねる。今日は暑く、どの店も入り口の戸を半分ほど開け放していて中がのぞける。

「もつ一」はガラガラだった。「2人です」と告げ、縄のれんをくぐって左手の小上がりに座る。ここはいつも1人で来るので、カウンターにしか座ったことがなかった。小上がりがちょっと新鮮である。まずはホッピーを流し込み、いろいろと食す。トマト、煮込み、やきとり、小袋刺し。

 座布団に座ったのが落ち着いたのか、話が盛り上がったのか、2時間も滞在していた。どうもごちそうさま。

 2軒目、「かみがしま」を再訪。ちょうど先客が出るところで、小上がりが1卓空いた。いそいそと上がる。そういえばここもカウンターにしか座ったことがなかった。

 前の店で食をセーブしておいたのでまだ胃袋は大丈夫。安さを頼みに、再びいろいろと食す。チカフライ、セロリおひたし、刺身盛り合わせ、お好み焼き、ウド甘酢漬け。

 2人でとりとめのない話をしていたらあっという間に次の日になってしまった。終電のなくなったMさんはタクシーでご帰宅。おつかれさまでした。

10年の変化

 私の所属する学部が創設60周年を迎えるということで、その記念プロジェクトのメンバーになった。もう一人の先生と二人で、
式典で配布するパンフレットを作成することに。

 すでに10年前に50周年式典を開催しており、その際にも「写真で見るあゆみ」のような冊子はつくられたそうだ。今回は
「それから10年」という調子のものを用意する必要がある。

 担当の先生とああでもないこうでもないと悩み、とりあえず10年分の写真を集めることに。でも、どうすればいいのか。

 とりあえず、過去の学部案内パンフから適当な写真をピックアップできないかと、事務から過去20年分を借りてきた。
20年分がひと束になっていたのである。

 ぱらぱらとめくると、今は教員となっている方の学部生・院生時代の写真や文章があり、なんだか楽しい。当たり前だが、
みなそれなりに若い。ゼミの構成も今と同じところもあり、まったく異なるところもあり。なにより、
構成メンバーがこの10年間で相当変わっている。

 たかだか10年とはいえ、組織が変わるには十分な時間である。確かに大学院重点化や法人化など制度的な面での変化もあったろうが、
それはあまりたいしたことではない。

総決起集会2009

 卒論を書く学生さんを引き連れての総決起集会を今年もまた行いました。

 場所はおなじみの「金富士」。6時にすすきのに集合してビルの地下に向かいます。

 店内はまだ3割の入り。奥のテーブル席を占領して、生ビールで乾杯。めいめいに好きなものを注文。

 今年は男2人が卒論を書くので、男同士の話をいろいろと。と言ってもあれですよ、江頭2:50の話ではないですよ。

 Sくんのテーマは「感動」。社会において、感動をウリにすることにはどのような意味があるのか。Yくんのテーマはまだ未定ですが、
面白い可能性をもったものを出してきてくれました。

 酒を飲んで眠くなってきたようなので、早めに切り上げ。店を出た路上で、「恥ずかしいす」と言われながら、
これからの卒論執筆に向けてエイエイオーと叫びました。

 さてここからは自由時間。平岸で降りて、いつもの「かみがしま」へ。ビール大瓶にセロリおひたし、
刺身盛り合わせにチカフライでしめて1200円でした。

大丈夫ないちご狩り

 このところ雨模様。公園で遊ぶこともできません。

 でも大丈夫。ハウス栽培のいちご狩りが時期を迎えています。ハウスなら雨に濡れる心配もありません。

 そんなわけで、由仁町にあるファーム大塚へ。国道274号線を千歳方面に向かい、長沼町にある道の駅マオイの丘公園を過ぎて右に折れ、農道に入ります。そのまま由仁方面へ畑の中をひた走ると、唐突に看板が現れます。

 朝10時半に到着した時にはすでに先客が10組以上いたようです。あらかためぼしいところは取られてしまったかとあやぶみましたが、大丈夫。ハウスもいちごも十分すぎるくらいありました。

 いちご狩りは1時間以内で大人900円、幼児は300円。大人の料金は変動制らしく、開始当初1000円だったところから徐々に下がるようです。

 ヘタを入れる小さなビニール袋をくれました。練乳はくれないのかな、と少々がっかりしましたが、大丈夫。そんなものをつけなくてもいいくらい、甘い!けんたろうという品種のいちごを食べましたが、ツブが大きくていいですね。

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 おみやげに家に持って帰ろうと、受付でかごをもらいました。なるべくツブの大きなものを選んで、かごに入れていきます。もちろんその間にも、真っ赤に熟れたいちごを自分とアマネの口に放り込んでいきます。結局、大人は30粒くらいは食べたでしょうかね。さすがにうんざりした頃に時間切れとなりました。

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 ファーム大塚は、レストランも有名です。のぞいてみましたが、すでに何組か並んで待っています。待つのはしんどいので、来た道を引き返して先程通り過ぎた道の駅のレストランで昼食。何の気なしに入ったのですが、そこそこ美味しかったです。

教師力Brush-upセミナー

 帯広で開かれた掲題のセミナーに参加してきました。小中学校の先生方が自主的に開催しているようで、今回で19回目になるそうです。

 セミナーに参加した目的は大きく3つありました。1つは、
これから始めようとする研究にご協力いただけそうな方を探すためになんとか現場の先生方とコネをつくるため。2つめは、
小中学校の先生方がどういったことを「問題」として考えているのかを探るため。これは、
自分の研究の問題設定のピントがずれていないかどうかチェックするためでもあります。そしてもう1つは、自分自身の「教師力」を上げるため。

 今回ご登壇された4人の先生方は、勤務されている場所も、それぞれの置かれている状況もさまざまでしたが、授業を「楽しい」
ものにしようという熱意がありありと感じられる方ばかり。はっきり言って、私が行っている授業の準備なんてぬるいもいいところ。

 能力のある先生って、会うとすぐに分かるのですが、独特のオーラのようなものを放っておられます。そしてとても話しやすい。
聞く時にはだまってうなづきながら聞いて、話す時には簡潔に、すぱっとタイミングよく切り出されるからでしょうね。
そういうクセがついているのだと思います。

 大学生向けの授業ですぐにでも取り入れられそうなネタも仕入れてきました。今度、試してみようと思います。

 休憩中の雑談で、道内の小中学校の現状について、いろいろとお伺いしました。子どもの人数が少なくなるのにともなって、
教師の数も減り、同じ教科を担当する教員相互の教えあいが難しくなっているとのこと。札幌にひきこもっていると、感覚的に分からない点です。

 セミナー修了後、世話人をされていた先生から「いつでも連絡ください」と心強いお言葉をいただきました。たいへんありがたいです!!

江戸一、宜野座、ドンキホーテ

 東京へ行って披露宴だけではもったいないと、2日ほど滞在していた。新宿に宿を取ったので、昨年訪れてずいぶんとおもしろかった店を再訪することにした。

 披露宴前日にはM先生と大塚の「江戸一」へ。斯界では名の知れた店。店の前で5時に待ち合わせるも、まだ暖簾は出ておらず。

 と、すぐに若い男性が暖簾を出した。口開けである。「コ」の字カウンターの一番奥に座り、ビールでのどを潤す。

 肴にはカツオ、クジラ、蚕豆、ホヤ。酒は白鷹の樽酒を。よしなしごとを話す。

 2軒目は名も知らぬイタリアンに誘われるままに。常陸野ネストビールが全種類そろっている。珍しいのでアンバーエールを。よしなしごとを話す。

 大塚の駅で上野方面と新宿方面に別れる。

 新宿駅から歌舞伎町方面へ。もう少し入るかなと、やきとり「番番」をのぞいてみる。グループとグループの間に1席空いていたのですべりこみ、生をもらう。煮奴、うど、串焼き。壱岐焼酎山乃守をお湯割りで。

 店を出てふらふらと。5丁目のホテルそばにある沖縄居酒屋「宜野座」。一度入ったことがある。飲んでいるそばで唐突に三線教室が始まって、勝手に混ぜてもらった楽しい思い出がある。

 靴を脱いであがる。テーブル席で足をのばしてのんびりとする。酒はもうさすがに入らず、うっちん茶をもらう。それに沖縄そばでシメ。

 ホテルに戻り、ベッドに倒れ込む。

 次の日、花園神社に参詣してその裏手を歩く。新宿ゴールデン街にはじめて足を踏み入れた。朝だから人通りはまったくないが、飲み屋の密集ぶりはものすごいものがある。この風景の写真を撮ってはいけないそうだ。商店街振興会の掲げた看板にそう書いてあった。

 午後からの展覧会、披露宴、2次会もつつがなく終わり、一人でタクシーでホテルへ。もう12時近かったが、ぜひもう一度行っておきたいバーが近所にあり、着替えて大急ぎでそこへ。

 バー「ドンキホーテ」。ながらく新宿で働いてこられたFさんが構える隠れた一軒。先客がいたが、入れ替わりで帰って行った。

 店に入って早々、「ああ、あんたは」と、去年、1度しか訪れていない私のことを覚えていてくださったふう。

 ここに来たらジンリッキーを飲まねばならない。すっきりしていて今夜にはちょうどいい。

 客足の絶えた深夜、Fさんと並んでたわいのない話を。松前のご出身だそうで、札幌に出てきてから、かの「やまざき」の山崎マスターのところで修行をされたのだそうだ。しばらくは札幌で雇われていたが、東京に来ないかとの誘いがあって、新宿にそのまま居着いてしまった。

「来た頃は駅の辺りは舗装もされていなくて、今みたいな賑やかさはなかったの。店のあるこのあたりは昔からの商店街でね、昔は駅から神社の脇を抜けてずうっとつながってたの。太い道ができてから分断されて、人の流れがすっかり変わっちゃった」

 店はずっと歌舞伎町にあったが、治安の悪さに嫌気がさして、現在の場所に居抜きで店を構えたのだそうだ。

 ホテルの門限に間に合うように辞した。とりあえず、気になっていた店は回ることができた。

仕組みの艶めかしさ

 直感的な印象だが、「仕組み」というのは、なんだか木訥としていて、クールで、感情の入る余地のないもののように思える。そういう「仕組み」は、きらびやかで、しっとりとして、情動を喚起するような「表層」によって包まれることで、自らの存在を隠しつつ、その機能を果たすのである。

 ここで言う仕組みとは、生き物の「骨」を思いうかべればよい。骨の形状、それぞれのつながりかた、その全体の組み合わせで生まれる構造は、可能な動作を一意に制約する。そういう意味で、冷酷である。その骨にまとわりつく肉や毛は、骨が失われれば重力の影響で1秒たりとも自立できないわけだが、そのことを微塵にも感じさせずに、一個の肉体のすべてであるかのようにふるまう。

 あるいは、一体のからくり人形を思いうかべてもよい。からくり人形師として9世代目の血脈を継ぐ玉屋庄兵衛が作った弓曳き人形がもたらす驚きは、その表層の美しさと動きの精妙さにある。小さな人形が矢を取り、弓につがえ、的を射抜こうとそれを放つのである。同時に動く首は能面の技法で彫られており、上下に揺れるたびに表情を変える。こうした表層を支えるのが、人形の座る箱の下にある何枚もの歯車や糸、ぜんまいなどの機構である。

 前置きが長くなったが、東京ミッドタウン内の「21_21 Design Sight」で開催されている、山中俊治ディレクション「骨」展に行ってきた。

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 目的は、展示物もさることながら、開催初日のトークショーである。冒頭に出てきた玉屋庄兵衛さん、ディレクターの山中さん、そして明和電機代表取締役社長の土佐信道さんによる鼎談である。

 早めに着いたので鼎談の前に一通りぐるりと展示を見る。

 館内に入って最初に目に入るのがダチョウの骨格標本と、湯沢英治の写真。湯沢英治はさまざまな生物の骨格標本をモノクロの写真に収めている。写真を通して骨を改めて眺めると気がつくのは、骨自体の持つ質感である。艶めかしさ、と言ってみたい。

 さまざまな工業製品(ドライヤーからボーイング777まで!)のレントゲン写真を撮りまくるニック・ヴィーシー。レントゲン写真として撮影することにより、透けて見える内部の細かな部品群が白一色に映し出される。まさに、部品を「骨」化する創作である。

 仕組みは動きを可能にする。骨や部品によって生物や製品は動く。しかし、動きに目を奪われているだけでいいのか。その仕組みにこそ、美しさがひそむのではないか。そういう目で展覧会を通して見ると面白い。

 だから、鼎談に登場した玉屋庄兵衛のからくり人形も、明和電機の新作「WAHHA GO GO」(笑うだけのロボット)も、ついわたしたちはその動きに注目し、驚いたり笑ったりするわけだが、実は動きを可能にする機構そのものの艶にもっと目を向けていい。

 からくり人形の歯車はすべて木製である。歯車であるから円形をしているのだが、1枚の板からできているのではなく、 8枚ほどの扇形を組み合わせて作るそうである。なぜなら、1枚だと木目の弱い方向に割れてしまうから。そういう「もたせる」(実際、 200年は壊れずに保存できるそうである)ための工夫によってもたらされる、歯車そのものの質感に美しさを感じる。

 WAHHA GO GOの笑いを生み出す「肺」にあたるのは、紙製のふいごである。アルミ削りだしの胴体の真ん中に据えられたこの白い部分は、周囲とのコントラストで妙なかよわさを感じさせる。

 仕組みそのものの艶に目を向けることで、いかな大量生産の工業製品であっても、そのひとつひとつには「一点もの」としての固有の質感に気づくのである。

同窓会のような

 大学院のときの後輩、田島充士くんの結婚披露宴が東京で開かれ、参加してきた。

 お相手は、菊岡由夏さん。日本語教育の世界で活躍される、聡明な方。何度か、研究会などでお会いしたことがある。

 新宿にあるドイツ料理屋クライネヒュッテ。新郎がドイツ語専攻を卒業した関係で選ばれたそう。

 店に入ると、新婦の大学院時代の師匠、西口先生がいらしていた。よく存じ上げているのでご挨拶。

 テーブルに座ろうとすると、大学院のときの同級生、城間さんがすでに着席していた。研究会などでよくお世話になっている大久保さんも到着。このあと、大学院の先輩後輩がわらわらと集まってくる。

 大学院時代の先生方もご到着。共通の恩師の茂呂先生はもちろん、有元先生、新井先生。姿をお見かけするたびに立ってご挨拶。

 さながら同窓会のごとくである。

 新郎の横国大時代の後輩の方の司会で披露宴が開幕。真っ白のドレスに身を包んだ新婦と、めかし込んだ新郎が並んで登場。

 茂呂先生、西口先生のスピーチのあと、乾杯。ドイツ料理を口に運びながら昔話に花が咲く。

 主役たちがそれぞれのテーブルを挨拶に回る。「今日はどうもありがとう」と言う新郎に、ニヤニヤしながら「ブーブー、バイバーイ」と言う悪い来客(それは私)。

 最初の共同作業もつつがなく終わり、二人のこれまでを振り返るスライドショー。パワーポイントでがんばって作ったみたい。

 ご両家のご両親を代表して、田島信元先生がご挨拶。続いて、新郎によるお礼。

 2次会は同じく新宿のNSビル最上階にある何とかというレストラン。

 学部の同級生、澤田君とじっくり話す。学会帰りだそうでしんどそうだが、近況について語り合う。新婦の大学院時代の仲間、山下さんともゆっくり話すことができた。

 こういうときは札幌という場所が遠く離れているなあと改めて感じる。普段は会うこともできない人たちと時間を過ごすチャンスをくれてありがとう。

 そしておめでとう。