逗子マリーナにて

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大学院の後輩,今は大正大学で教えている香川秀太君の結婚式に行ってきました。

場所は逗子マリーナ。鎌倉の山を背に,のどかな海を望むリゾートです。チャペルからはひねもすのたりのたりした海が見えてとても気持ちのよい場所でした。

新婦は久珠子さん。筑波大の心理出身で,学部生時代に院生だった香川君と出会ったそうです。

二人の門出の式に,大学院の研究室のメンバーが,OBOG含め勢揃いしました。それぞれ各地に散って働いている上,学会も来たり来なかったりなので,こういう機会でもなければ顔を合わせることもなくなってきましたね。

新婦からの手紙に,お父さんが号泣しておりました。またそれを見た大学の先生たちもぼろぼろ泣いたりして。

お二人でここまで準備するのは大変だったと思いますが,とてもよい披露宴でした。本当におめでとうございました。

母はなくとも

先週末は家内が仕事の関係で旭川に1泊2日の出張とあいなり、子どもと一緒に2日間を過ごしました。実は母子が離れて寝るのは生まれてから初めてだったりします。

もう5歳だし、夜中に「ママー」と泣くこともなかろうと思っていましたが、少し不安なところもありました。が、ふたを開けてみれば何のことはない、いつものように飯を食べて風呂に入り、ぐうすか寝ることができました。

あとは「一人で寝る」だけですが、これは「小学校に上がったらする」と自分で宣言しているので、それまでは待とうかなと。

ぐうすか寝たのにも理由があり、土曜はなじみの「ゴーヤちゃんぷる」の宴会に息子共々参加させてもらったのでした。宴会では、近々近所に店を開くというチリから来た兄弟が本格的な南米音楽を披露してくれたのですが、息子はそれを聞いて発奮。折良く兄弟が小さなマラカスを持ってきていたので受け取ると、しゃかしゃか振りながらいっちょまえにステップを踏んで踊っていました。

その時の様子を、札幌の酒飲みで知らぬ者はない「酒匠こばやし」の社長がブログで紹介してくださいました。感謝します!

酒匠こばやし 店主のひとりごと – 第7回 かりゆしウェアーでゴーヤちゃんぷるの夕べ新年会

第2回PORO研

先週末,Kさんを中心に開催している研究会的集まりの,ちょっと遅めの新年会を開いた。研究会的集まりの方をSAP研,飲み会の方をPORO研という(命名はKさん)。PORO研は2回目。第1回は夏にサッポロファクトリーでジンギスカンだった。

第2回の会場は,大学を出てすぐ南にある「場末の和顔」。2階奥にある1室のみの個室に通してもらう。

参加したのは,Kさんをはじめとして9名。教育学院の院生さんはもちろん,文学研究科の院生さんも。一番若いのは23歳。その23歳にKさんがやたらと厳しく教育的指導を入れていた。

このお店は初めてだが,料理はそこそこいけるし,酒のそろえもそれなりによろしい。本醸造だけでなく純米も吟醸もなんでも燗つけてくれるというのも非常に好感度高し。

新年会らしく,ぎゃあぎゃあと馬鹿話やらここには書けない話やらをして3時間が過ぎた。いったんお開き。

飲み足りないので2次会に行く。店を出て歩いてすぐの「かんろ西店」。札幌駅北口合同庁舎前にある本店の支店である。去年の夏にオープンしたのを見かけてはいたのだが,なかなか行けずにいた。

2次会には全員が残った。すばらしいね。

暖簾をくぐると焼き台には本店でおなじみの「お兄ちゃん」の顔が。「お,しばらくです」とあいさつ。お兄ちゃんだけでなく,弟さんの姿も。予約してたわけではないものの,9人入れてもらえた(本店では金曜の夜に予約なしで9人いきなり行って座れるなんてことは,まずない)。

夜も更けてみなの酒量がアップ。お銚子が飛び交う。すばらしい。

終電がなくなる前にお開き。楽しい飲み会でした。結構飲んだのにもかかわらず,翌日にまったく引きずらなかったのもすばらしい。

卒論発表会初日

学部では本日から3日間かけて卒論発表会が行われる。その間,学部授業は休講。全教員が一人一人の卒論生の発表を聞けるように配慮されている。実際には全学や大学院や委員会やらで集まれない方もたくさんいるのだが。

かく言うぼくも午前中は会議で午後から聞きに行った。

1人につき15分発表で5分質疑。10人以上の発表を聞くとなると5時間はかかり,しまいには座っているだけだけれどもへとへとになる。それでも真剣に聞くようにして,1つ2つ質問を考えるのだが,質疑の時間はあっという間に過ぎていき,その質問は頭の中でお蔵入りになる。

今日聞いた発表の中で,ひとり,面白い現象を発見していて,話の筋もきちんとしている学生さんがいた。教員か院生が手を入れて,もう少し実験参加者を増やしたり妥当性を高めたりすればどこかに投稿できるのではないかと思うレベル。質疑になっても質問が出なかったので,「全体的にすばらしい」と褒めた。

指導を担当された先生に,「あの人は院に進むんですか?」と聞くと,就職が決まっているとのこと。それもけっこう立派なところ。それ以外にもう1カ所から内定が出ていたというから,よくできる人は誰が見ても何をさせてもよくできるのだなと感じ入る。

他の方の発表もそれなりに面白かったのだけど,どうも,事前に作った作文を読むのに一生懸命で,説明になっておらず,いまいち分かりにくいものが多かった。5時間発表を聞いてへとへとの人もすんなり分かるように「きちんと説明するスキル」は社会に出てまっさきに必要になるものだから,これを機に腕を磨いてほしいな。

グロテスク・リアリズム

グロテスク・リアリズムとは,民衆の〈笑いの文化〉のイメージ・システムのこと。

物質的・肉体的原理が,肯定的原理,普遍的で全民衆的なものとして把握される。宇宙的,社会的,肉体的要素は分割できない生きた総体,それは陽気な,愛想のいいもの。

ゆえに「孤立して自分の中に閉じこもる一切の動きと対立する」(p.24)し,「抽象化された観念性とも対立し大地と肉から解放された独立した意義なるものを僭称する立場を一切認めない」(ibid)。

システムを共有するのは「ブルジョワ的エゴイスティックな個人」ではなく,「民衆」。

このシステムの主要な特質は,格下げや下落,つまり,「高位のもの,精神的,理想的,抽象的なものをすべて物質的・肉体的次元へと移行させる」(p.25)ことにある。

メモは以上。なお上記文中の引用はすべて,以下の文献による。

ミハイール・バフチーン 川端香男里(訳) 1980 フランソワ・ラブレーの作品と中世・ルネッサンスの民衆文化 せりか書房

Youtubeで学ぶ心理学概論(2)―認知発達編

次は認知発達編。ぼくの場合は,教科書をなぞってPiagetの発達論を主軸として,追加的になるべく新しめの知見を紹介するという授業構成にしている。

共鳴動作について。生後10分の新生児の顔の前で,大人が舌を出すと新生児も口をもごもごとさせる。

共鳴動作がおサルさんでも起こるかどうかを確かめた実験。確かに人間が口をぱくぱくさせると,おサルさんも口をさかんにもごもごしているように見える。この実験はFerrari P.F., Visalberghi E., Paukner A., Fogassi L., Ruggiero A., Suomi S.J. (2006). Neonatal imitation in rhesus macaques. PLoS Biology, 4(9): e302.にまとめられているようだ。PDFも公開されてる。

物の永続性について。赤ちゃんの目の前にあったオモチャが隠されると,赤ちゃんはすぐにそっぽを向く。

物の永続性と関連して,A-not-Bエラーについて。物の隠し場所を変えても,赤ちゃんは以前隠された場所を探してしまう。永続性に関する実験結果については解釈が本当に難しいようだ。

ピアジェの言う自己中心性について。いわゆる三つ山課題を使って,他者の視点から説明が可能かどうかを問う。

ピアジェの発達段階論で言う「前操作期」の典型的反応を3種類の保存課題で確かめる。1つ目の課題は水面の高さが変わっても液量は操作前後で等しいかどうかを問うもの。2つ目の課題は並べられた幅が変わってもコインの枚数は操作前後で等しいかどうかを問うもの。3つ目は…なんだろうね。量と数の区別ができているかどうか,ということを確認する課題?ちなみに学生に見せると一番いい反応が返ってくるのがこの課題。「こうして彼女は”大人は卑怯だ”ということを学んでいくのですね」と言うとうける。

ピアジェの発達段階論で言う「具体的操作期」と「形式的操作期」の反応の仕方の違いについて。現実世界ではあり得ない前提から演繹的に結論を導くことができるかどうかを問う。映像では「羽根でガラスをたたくとガラスが割れます」「太郎君は羽根でガラスをたたきました」「ガラスはどうなりましたか」と聞いていく。

大学生にとって,乳幼児に触れる機会というのはそうない。そのような場合,乳幼児の発達過程について説明する際に,ただ単に言葉を並べるよりは,映像で具体的な姿を見せてあげると反応がよい。ともすると「赤ちゃんは癒される」とか「子供はかわいい」とかいった,のんびりとした感想しか返ってこないかもしれないが,それでもイメージを残してやることが大切なのかなと思う。

Youtubeで学ぶ心理学概論(1)―学習編

Youtubeには心理学の自学自習に使えそうな動画がいくつも上がっている。非常勤で心理学概論を教えていたときにはそうした動画にたいへんお世話になった。そうした動画のいくつかについて,これから心理学を勉強しようという方のために,説明を加えながら紹介していきたい。

それらの動画には著作権者がおり,Youtubeへの投稿は恐らく著作権者の許可を得ていない場合が多いのではと思う。ただまあ,言い訳すれば,心理学関係の映像教材は普通に買うとなるとべらぼうに高いのである。たとえば心理学の講義を非常勤で持ち始めた大学院生にはとうてい手が出ない。

それでもなるべく良質の授業をしようと思えば具体的な例を動画で見せるのはある程度効果的だろうから,いきおい,無料で手に入る動画を資料として頼りたくなるのも人情である。そういう言い訳を前置きして以下に並べていく。まずは「学習」編。歴史を追ってみていこう。

まずはパヴロフの犬の実験。”Pavlov”で検索すれば動画は山ほど引っかかるが,再現ドラマ仕立てになっている上の動画は,実際の実験を正確に再現したものかどうか分からないにせよ,雰囲気は伝わってくる。

おなじみワトソンによるアルバート坊やの実験。この実験がどのようにして行われたのかについては,鈴木光太郎先生の「オオカミ少女はいなかった」あたりを読むと面白い。

オオカミ少女はいなかった 心理学の神話をめぐる冒険
鈴木 光太郎
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ソーンダイクの試行錯誤についての再現ドラマ風動画。パヴロフの後でソーンダイクを紹介すると,一人か二人は「動物虐待だ」と感想を書いてくる学生さんがいる。

スキナーによるハトを使ったオペラント条件付け実験の様子。ネズミの入ったスキナーボックスの動画なんかもたくさんある。

BBCのドラマThe Officeより。古典的条件付けがオフィスでも再現されるか,てなシークエンス。パヴロフの話をした後でこの映像を見せると笑いが起こる。ちょっと前だともう少し鮮明な動画があったんだけど。

モモヒキをはく

外は大雪。最高気温はマイナス2度。

昨夜は夜中まで本を読んでいたら足下から凍えて布団に入ってもなかなか寝つけなかった。

こうなったらと,正月の帰省の折りに買っていたモモヒキをはいた。トップバリューのヒートファクト。

脚がぎゅっと締め付けられてなんだか変な感じだが,さすがに足下から冷えるということはなくなった。吹雪の外を歩いても平気。すばらしいね。

ただ困るのは,トイレに行ったとき。なかなか態勢に入ることができずいつもの数秒のロスがある。このロスを想定して行かねば大変なことになるな。

集団飲みの社会心理学的考察

p>今年の正月休みは、例年になくぼおっと過ごしていた。一応、仕事をもってきてはいたのだが、締め切りのある原稿を大晦日にあげてしまったこともあって、年が明けてからは適当に外出したり、酒を飲んだりと(これはいつもか)のんびりと過ごさせてもらった。

帰省してびっくりしたのは、父親が酒をやめたことだった。40年飲み続けたそうだが、昨年の夏から、ふっとやめてしまい、そのまま続いているそうだ。

今年で定年なのだが、定年後ずるずると酒を飲み続けて体をこわしてしまった人を何人も見てきたということも背中を押したようだ。

さてそうなると困るのはぼく。家族が大勢いる家の中でひとりだけ飲むことになる。他の人は、「たしなみ」「つきあい」程度で、酒を飲むこと自体が好きなわけではない。食事が済むとさっさと食器が片付けられて、テーブルにぽつんと少量のつまみとともにぼくが残される。

不思議なもので、札幌の自宅では一人で飲んでいても平気だが、家族の人数が少し増えただけで一人で飲むのがいたたまれなくなるのである。で、結局、ビール数本と焼酎少量と日本酒少量で切り上げるのである(十分飲んでるじゃないかという話もあるが)。

こうしたことをふまえて考えると、どうも同じ行為をする人が目の前にいるというだけで、その行為はえんえん持続されるということなのだろう。昨年までは帰省すると父親も飲んでいたので安心して心ゆくまで飲んでいられた。一人で居酒屋に行って安心できるのは、同じように行為している人がそばにいるという単純な事実によるものだろう。

結論。たった一人でも、同じことをしてくれる人がいっしょにいれば、その行為はなかなか止まらない。しかも、周囲にいる人数が多くなればなるほどその傾向と結束が強くなる。ほんとかね。

2011年の抱負

あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

年始にあたり、今年の抱負というか予定を月ごとに刻んでいきたいと思います。

1月: データの分析、それに論文と原稿執筆に明け暮れることでしょう。月末に大学院の後輩の結婚式あり。

2月: 現在進行中の小学校調査、最後のビデオ撮りをします。3つの学年をそれぞれ2年間追っかけたことになります。データ分析をなんとしてでも終わらせて、担任の先生にお渡ししたい。

3月: データの分析、それに論文と原稿執筆に明け暮れることでしょう。月末に発達心理学会あり。RTやります。

4月: 所属する大学院が2011年度から新しい体制となり、それにともない新しいゼミがスタートします。科研プロジェクトの最終年度なので、データ分析とアウトプットを徹底的に行います。それと、チベットと香港からの留学生との研究が始まるので、そちらにも注力しなければなりません。

5月: データの分析、それに論文と原稿執筆に明け暮れることでしょう。

6月: データの分析、それに論文と原稿執筆に明け暮れることでしょう。

7月: データの分析、それに論文と原稿執筆に明け暮れることでしょう。月末に教育心理学会あり。この学会でもシンポを企画します。

8月: データの分析、それに論文と原稿執筆に明け暮れることでしょう。36歳になります。年男なんですね。ちなみにさかなクンと同い年ということを昨年暮れに知りました。

9月: よっぽどのことがなければ、ローマでの国際学会に参加します。初めての国際学会参戦なので楽しみです。あと、日心にも参加予定。

10月: データの分析、それに論文と原稿執筆に明け暮れることでしょう。

11月: データの分析、それに論文と原稿執筆に明け暮れることでしょう。

12月: データの分析、それに論文と原稿執筆に明け暮れることでしょう。

こうしてみると、PCをずっと小脇に抱えて過ごす1年になりそうですね。あと、年間を通してですけど、2012年3月に新居に引っ越すので、それまでに内装のことや子どもの入学の手続きのことなどいろいろと考えなければならないことが増えそうではあります。

んで、昨年はtwitterがおもしろくてぶつぶつつぶやいていましたが、今年は原点回帰してこちらのブログをなるべく毎日更新していきたいと思います。方針としては、もう少し実質的なことを書きたいと。

というのも、ぼちぼち博論を書かねばという気持ちになってきたのです。昨年ちょっとがんばったので、実はあと2~3本審査を通れば博論執筆にゴーサインが出るのではという期待があるのですよ。なので、博論を構成する文章をこちらに毎日ちびちびと書くというプレッシャーを自分にかければ、年末には1本できているのではと。

まあ根がいいかげんなので淡い望みですが、やるだけやってみます。そんな年頭所感であります。