iRiver S10

 自然な状況において起こる発話を録音する方法に悩みはじめてかれこれ5年。自分のニーズにあった録音機材ならば自分で作るのが早道なのだが、こればっかりは電子回路の技術が要るので、自作というのはなかなかハードルが高い。というわけで、出来合いの民生品に頼るばかりである。

 子どもに装着することを考えると、小さく、軽く、丈夫であることが必須の要件となる。そうしたニーズを満たす民生品として、まずICレコーダは大きすぎて除外される。最近では、音声録音も可能なデジタルオーディオプレイヤーが出ていて、こちらなら先の条件を満たす。

 昨年まで集中的に行なっていた録音では、iRiverのN11を使っていた。Nシリーズには先代のN10からお世話になっている。

 久しぶりに札幌駅前のヨドバシカメラに行った。行くと必ずデジタルオーディオプレイヤーのコーナーに寄ることにしている。

 iRiverから新しくS10なる商品が出ていた。スペックを見ると、 N11よりも4.5g軽い(N11:22g、S10:17.5g)。たかが4.5gと侮ることなかれ。

 大きさはどうか?写真に撮ってみたので比べてみよう。

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 ね。ぜんぜん違う。

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 見たとおり、S10は、ディスプレイがカラーである。あまり欲しいポイントではないのだが、綺麗なら綺麗がよい。しかも。ディスプレイが本体からほんのわずか浮いていて、上下左右にクリックできるようになっている。これが操作メニューを選択するキーとなっているのだ。したがって、本体側面にあるスイッチは、電源とボリューム上げ下げの3つだけとなっている。

 なかなかそそられるガジェットではある。しばらく使用してみて、使い物になるのかどうか確認してみよう。

キッズパーク

 雨の日曜日。外で遊びたいさかりのお子さんとお過ごしのみなさんはどうしてらっしゃるのでしょう。

 我が家のある札幌市豊平区には、ちょいと歩くといろいろと便利な施設があります。そのひとつ札幌ドームには、キッズパークなるちょいとした遊び場があるそうだと、妻が情報を仕入れてきました。しかも、ドームでイベントのない日には無料で使えるのだそうです。ドームは外から何度も見ていますが、実は行ったことはありません。ものは試しと、出かけることにしました。

 地下鉄福住駅から歩いて5分ほど、銀色のベレー帽のような巨大な屋根が札幌ドームです。野球もサッカーもない日は閑散としていますね。

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 キッズパークはエレベーターで上がった3階にあります。3階は最上階なのですね。照明を落としたグラウンドを高みから眺めることができました。

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 でーんとあるのは、公園にあるようなアスレチックジムのちょっと大きめのもの。すぐそばに親子観覧席が併設されていて、試合を見るのに飽きた子どもが遊べるようになっています。ジムの方は3歳以上の子ども用と書かれていましたが、親が付き添いながら1歳9か月のアマネを遊ばせてみました。吊橋やすべり台にはきゃっきゃと反応していました。難しい箇所もありましたが、意外と楽しそう。ドームのスタッフが1人、ジムのまわりを巡回しながら、子どもたちに声をかけつつ、安全に気を配っていたのが印象的でした。

 昼近くなってきたので、ドームを後にしました。

 ジムは確かに3歳以上用とあるだけあり、アマネには十分遊びつくすことは難しかったようです。もう少し大きくなればよいかもしれません。

YouTubeで学ぶ心理学

 心理学について講義するとき、「こういう映像があればいいのになー」と思うことがあります。実験の様子を口や模式図で説明するのと、
その際の映像を見てもらうのとでは、理解の深みはぜんぜん違うと思うのです。

 もちろん、市販のビデオ教材はありますから、それを使えばよいわけです。また、たまにテレビでもドキュメンタリーや科学バラエティ
(という言い方をするのか分かりませんが)で関連するテーマを扱いますので、それをビデオに撮って使うのもいいでしょう。

 とはいえ、輸入学問の悲哀と言うべきでしょうか、やはりアメリカやフランス、
ドイツあたりに蓄積されている心理学関連の映像の量や質は、日本のそれと比べものになりません。そしてそういうものは、
この国に座しているだけでは入手が困難でした。

「でした」と過去形を使ったのは、いまやこうして座しているだけで入手できるようになってしまったからであります。言うまでもなく、
インターネットの登場による変化であります。

 これまでも、秘蔵の映像がデジタル化され、インターネットを通じて入手できる状況はありました。しかし、
それらは個々人あるいは研究施設がまちまちにアップロードしたものであり、いかんせん、
どこに何があるのか知らなければどうしようもなかったわけです。

 ところが、最近はYouTubeに代表されるように、投稿された映像を誰でも閲覧できるサイトができました。言ってみれば、
映像の集積所ができたわけであります。これを利用しない手はありません。

 ためしに、YouTubeに行って、授業に使えそうな映像を探してみましょう。

 例えば、心理学の歴史について授業をしたいとします。そこでは、「行動主義」は必須事項でしょう。そこで、行動主義の産みの親、
“John Watson”を検索すると、こんなのが引っかかってきます。
おそらく、心理学教材か、教養番組の一部でしょうね。有名なアルバート坊やの実験らしきものが映っています。

 便利な世の中になったものであります。

北千住居酒屋ツアー

 先週、実家に帰省していたおり、東京在住のS氏と、北千住にて居酒屋ツアーを決行しました。

 なぜ北千住か。実はこの街は、斯界の強者をうならせる名店が軒を連ねていることで有名なのです。
学生時代に北千住に寄る機会は幾度もありましたが、なぜか暖簾をくぐることはないまま、私は北に去ってしまいました。しかし、
いろいろと情報をあさるにつけ、この街で飲みたいという欲望がむくむくと。そこで、私のたっての願いを入れてもらい、
3か月の南米旅行から帰ってきたばかりのS氏をまきこんでのツアーと相成った次第。

 夕方4時にJR北千住駅に集合。お互いの近況について交わしながら最初の店を目指します。

 目指すと言っても、丸井のある西口ロータリーを渡ってすぐの路地に入ればすぐにその店があります。そのお店、「千住の永見」
は3時半開店。すでに1階のほとんどのテーブルはおじさんで一杯でした。

 奧に空いていたテーブルに通され、すぐに瓶ビールを頼みます。出てきたサッポロラガーをコップに注いで、乾杯!

「カ~ッ、うまい!」

 日中暑かったこともあり、のどを潤すべく、すぐに2杯目に進みます。

 このお店のことは、「酔わせて下町」という斯界では著名なサイトを通して知りました。そこで”名物”と称されている千寿揚げ
(ニンニク入り)を頼みます。それに、煮込みとガツ刺し、ポテサラなどを追加。

 千寿揚げはすぐに来ました。すり身をアツアツに揚げた中にニンニクの香ばしさがたちのぼり、これは美味しい。

「いい店ですねえ」「居心地がいいから、ここにずっといましょう」

 いえいえ、どうせですから、北千住と言えばここ、というお店にも行ってみましょう。後ろ髪ひかれる思いでお勘定をし、
そこへ向かいます。

 「大はし」は常磐線と平行に南北に延びる駅前商店街に構えた一軒屋。噂では4時半の開店を前に行列ができるということで、
最初の客が腰を上げるであろう6時前をねらって行ったのでした。

 引き戸を開けると、左手に鈎型に曲がったカウンター、右手にテーブルが6卓ほど。噂に違わず人で一杯の様子。カウンターに立つのは、
ご主人と、息子さんでしょうか。「いらっしゃい、そこに座って待ってて」と威勢のいい声をかけてくれました。
運良く1分ほどでカウンターに2人分が空き、そこに滑り込みます。

 滑り込むが早いか、ご主人がお通しの皿と箸をカウンターに並べます。

「なんにしましょ」「じゃあ、焼酎をボトルで」「あいよぅ」

 ここは俗に「キンミヤ」と呼ばれるものを出してくれます。なんでも、宮崎の方の蔵だそうですね。ボトルとともに、
アイスペールと炭酸、それにウメ割り用のシロップがかわいい瓶に入って出てきます。

「ではあらためて」「乾杯!」

 何はさておき、ここでは豆腐を食べねばなりません。カウンター奧の天上から下がった「牛にこみ」「肉とうふ」
の垂れ幕が食え食えと言わんばかりです。

 ご主人も、息子さんも、店のあちこちで挙がる手に威勢よく「あいよぅ」と応えて、注文をさばいています。
キビキビという言葉はこのお二人のためにあるのでは、と思うほど動きが素早い。それでいて、常に目が店全体に配られていますので、
ちょっと顔を向けて手を挙げればすぐに気付いてくれるのです。

 肉とうふに煮込みはもちろん、赤貝刺身とキモ、生桜エビなど思う存分いただきました。ボトルも空になり、ちょうどいい頃合い、
入り口に目をやると何人かが順番を待っています。ここも後ろ髪ひかれながらお勘定です。滞在は1時間半くらいでしたでしょうか。

 入るときにはまだ帰宅途中の高校生ばかりだった街も夜の顔になりつつあります。ここらでゆっくり腰を落ち着けて、
いろいろなお酒を飲みましょう。商店街からちょっと路地にそれると、なんでこんなところに、
というような場所にバーやら居酒屋やらが建っています。よさそうな所を物色していると、「マグロ脳天入りました」
という札を軒から下げた店が。「マグロ脳天」に引きつけられない人はいませんね。

 そのお店、「旬ダイニング庵
に先客は1人のみでした。カウンターに腰を下ろし、S氏とめいめい好きなお酒をやります。
もうこの頃になると何を食べたのか思い出せないのですが、脳天は確かに食べました。獣っぽさをもったトロ、とでも言いましょうか。

 さて私、10時に東京駅八重洲口から出る高速バスで帰宅しなければなりません。時刻は9時。ちょっとでも東京に近づいておくため、
上野に移動しました。

 と言っても駅を出てお店を探しにうろつく時間もありません。こんなとき、ちょうどいい所があります。
上野駅浅草口を出て目の前にあるアイリッシュ・パブ、「Stasiun」(スタシェーン)。駅のこの場所にできて、
もう5~6年は経つでしょうか。常磐線の最終までねばるのにだいぶお世話になりました。

 2人で飛び込み、ギネスのハーフをのどに流し込みます。ここでタイムリミット。

「ぼくはここでもうしばらくやっていきます」とS氏。再会を期して別れました。

 こういうツアーにつきあってもらえる友達がいるのは本当にありがたい。またやりましょう!

牛久大仏

 連休中は茨城の実家に帰っていました。今年は連日の行楽日和でなによりでした。

 私たち家族に父母を加え、実家近くにある牛久大仏に行ってきました。ふだんは霊園なのですが、なぜかGW中、大道芸人が来たり屋台が出たりするのです。

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 この大仏、世界一の大きさだそうで、ときおりテレビにも紹介されますのでご存じの方も多いでしょう。実家の辺りを車で走ってますと、かなたにぬっと建っているのが見え、一瞬、スケール感を失います。

 せっかくなので、拝観料を払って大仏の中に入ってみました。入る?そう、この大仏は中が空洞になっていて、供養する小さな仏様がおさめられているのです。それだけでなく、エレベーターで仏像の胸の辺りまで登ることができて、展望台のように内部から外の景色を眺めることができるのです。

 キッチュなものが好きな人間としては、ゆっくり見て回りたかったのですが、アマネが見るからに嫌そうでしたので、早々に退散。彼は、大仏の足下にあるちびっ子広場と動物ふれあい広場の方に夢中になっていました。アマネは特にヤギにご執心で、「ワンワン、ワンワン」と言っておりました。

 そうそう。実家では父も私もどちらも「ジッジ」と呼ばれていました。男はみな「ジッジ」なのだろうか。

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