研究室に置いておいたたくあんであるが,3週間ほど放っておいた。
気がつくと妙な香りが研究室を漂うようになってきた。そういえば,と,漬け容器を棚から取り出してみると,ぬかの上に浮いてきた水にカビが生えていたではないか。
中のたくあんは無事だろうか。たくあんを救い出そうにも,部屋の中で開けたらにおいが充満するだろう。ここは仕方なく,研究室の入っている建物の外に出て開けてみることに。
とはいえ,12月の札幌の屋外は雪景色である。雪の中で漬け容器を開け,ビニール袋を手袋代わりにしてぬかをかき分け,その中から大根を取り出した。さすがにぬかには塩もとうがらしも混ぜてあったので大根それ自体が腐っていたとかカビだらけだったとかいったことはなかった。安心。
ビニール袋に取り出した大根を入れ,きつく封をして自宅に持ち帰る。
あらためてぬかをきれいに洗い流し,薄く切って食す。…塩辛い。
どうしたものかと悩んだが,とりあえず全部半月切りにして,それをお湯につけてみた。塩が抜けるかと思ったのである。
一晩おいてからまたかじってみると,おお,ちょうどいい塩加減。
そういうわけで,苦節2ヶ月,ようやく自家製のたくあんを食べることができた。息子には好評で,毎食パリパリと食べている。
「来年は12本漬ける!」と息巻いているが,すべての面倒を見るのは誰だと思っておるのだ。