たくあん(2)

ほどよく干さった大根をいよいよ漬け込む。ちなみに「干さる」は北海道弁である。「なんらかの状態に自ら変化する」といったニュアンスだ。

でも,たくあんって何に漬けるんだろうか。ぬか漬けはぬかに漬ける。梅酢漬けは梅酢に漬ける。たくあんは?

調べたら,ぬかに漬けるらしい。ぬかに,なんやかや入れたものの中に大根を入れると。

「なんやかや」を揃える手間を省くために,その「なんやかや」がはじめから混ぜてある市販品のぬかを買ってくる。大きな漬け樽を買っても置いておく場所がないので,ホームセンターで浅漬け用の容器も買ってくる。なにしろ初めて作るので買ってくるものが多い。たくあんを買ってきた方が早いではないかと何度も思うが,ぐっとこらえる。

容器に大根を入れる。本当はまるまる一本切らずに入れていくそうだが,小さめの容器を買ってきたので曲げても入らず。しかたなく半分に切って重ねて入れていく。隙間にぬかをがばがば入れる。全部入れ終えて上から押さえ板でおさえつける。以上。

さて,どこに置いておくか。この段階で,容器からぬかのにおいがけっこう漂ってくるのである。部屋の中に置いておけばそこはぬかくさくなる。ベランダに置いてもいいが,札幌の冬の屋外は氷点下になるのでうまく漬からないかもしれない。

たらい回しにされた末,大学の研究室内に置いておくこととなった。研究室でたくあんを漬ける大学教員は,小泉武夫先生以外では初めてではないか。

大根を買ってきてから1ヶ月近くなるが,まだ食べられない。

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