たくあん(1)

今年の冬はたくあんを漬けた。息子が「たくあん作りたい」と言い出したのである。

ぬか漬けはぬか床を作ってそこに漬けておけばすぐに食べられる簡単なものだ。うちのじいさんもよく作っていて,浅いのもよく漬かったのも小さい頃から食べ慣れている。たくあんもそういうものかと思っていろいろと調べてみると,どうもいろいろ面倒なようだ。

それでも,「ぜひ作りたい」と言うので,ものは試しと,重い腰を上げてやってみることにした。

札幌では秋になるとスーパーの店頭で漬物用の大根や白菜の束が大量に積まれている。ホームセンターではプラスチックの大きな漬け樽や漬け物石も並んでいる。冬になると野菜が手に入りにくい北国にあっては,漬け物が重要なものなのだな,と改めて思う。とはいえこちらは狭い家なので漬け樽を置く場所もない。まずは試しと言うことで大根を4本買ってきた。

たくあんを作る手順として,第一にこれを干すそうだ。確かに街を歩いているとひもに結わえられて軒下からぶら下がっている大根をよく見かける。軒下がないのでベランダの物干しにひっかけておくことにした。

大根の頭の葉っぱを落とし(実は漬けるときにこの葉っぱが必要なのだ,ということを後から知ることとなる),よく洗ってヒモに結わえて干す。ところが結わえる作業がなかなかうまくいかない。結わえ方を解説したサイトを参考に,ビニールの荷ヒモをひっかけようとしたのだがなんだかずりおちそうだ。仕方なく,物干しの棒の上に渡して「置く」ことにした。

ちなみに,近所の仲卸市場では,すでにヒモに結わえられた大根の束が10本2000円程度で売られていた。来年はおとなしくこれを買うことにする。

この後の作業は,ひたすら干し上がるのを待つだけ。雨の日も,風の日も,ひたすら外に出し続けた。

3週間くらい放っておくと,ちょうどいい感じに干からびてきた。札幌ではそろそろ雪も降ろうかという時期だ。いよいよ漬けてみる。(以下次号)

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