ヴィゴツキーのドキュメンタリー!

 ヴィゴツキーに関するドキュメンタリー映画ができたのだそうだ。これは、青山学院大の高木光太郎先生のブログからの情報。高木先生は、Holzmanのブログを参照している。

 Lev Vygotsky Documentary 公式サイト

 解説を読むと、映画はおよそ2時間。その生涯、理論解説、実践の3部で構成されているとのこと。そうそうたる方々が出演している。

“Lev Vygotsky: one man’s legacy through his life and practice” explores the compelling story of this father of Russian Psychology. This documentary uses a mixture of interviews and commentary from family members Gita L. Vygodskaya and Elena Kravtzova, renowned professors/educators including Michael Cole, Lois Holzman, Vera John-Steiner, Alex Kozulin, Tamara Lifanova, Luciano Mecacci, James Wertsch, and others, archive photos, film footage, narration, and Vygotskian practice examples. (公式サイト解説より)

 サイトではDVDが販売されており、1枚400ドル。だいたい4万円弱?ISCAR会員だと2割引だそうだ。私は非会員。会員のどなたかにお願いしよう。まずはM先生か。

事務局の引き継ぎ

 北海道心理学会という、研究者・実践者のローカルな集まりがあります。

 2年間、そこの事務局をひとりで務めていたのですが、つい先日、隣の学部の先生に引き継ぎをしてきました。これで晴れてお役御免です。

 300人程度の小さな会で、予算規模も100万円ちょっと。下手をするとどこぞの田舎の中学校の同窓会の方が規模がでかいくらいのもんですが、それでもやることはそれなりにありましたね。

 名簿管理、会費受付、学会誌編集、エトセトラ。

 ほとんどがルーチンワークで、たいしたことはしていませんが、仕事したなあと言えることがあれば、幽霊会員の整理くらいですかね。年2000円の会費で、2万円以上滞納している方もいました。

 私もいくつかの学会に入っていて、事務の方にお世話になっているはずですが、普段はそんなこと考えたこともないです。ですから、事務作業の苦労を誰もねぎらってくれないことについてはそれが当然だと思っていました。自分がそうですから。

 そんなものですから、最後の大会と先日の引き継ぎのときに声をかけてくださる方がいたのは嬉しかった。嬉しかったですが、もう一度やろうとは思いません。ほんとに疲れました。

あなたの高校はありますか-新橋「有薫酒蔵」

 先週放送されたNHKのドキュメンタリー番組「にっぽんの現場」で紹介されたのが、新橋にある「有薫」。行ったことはないですが、ちょっと面白そうでしたので備忘録代わりにここに書いておきます。

 有薫酒蔵ホームページ

 九州料理のお店だそうで、番組の中でもキビナゴの刺身がおいしそうでした。まあ、九州というくくりも大変におおざっぱですが、それはともかく。

 料理は酒はもちろんでしょうが、ここのお店の名物は、出身高校ごとに作られたよせがきノートなのだそうです。

 店の入り口から中に入ると、下駄箱ならぬノート棚がでんとしつらえられており、高校名の入ったラベルの丁寧に貼られたノートがぎっしりと並んでいるのが目に入ります。

 飲みに来た客が、自分の出身高校のノートを見つけ、新しいページに自分の名刺を貼り付けてからすらすらとコメントを書いていく様子が映し出されていました。

 こういうことが可能なのはやはり東京という土地柄でしょう。都市としての東京の多くは、地方出身者が作っているわけです。

 お店のホームページでは、ノートがあるかどうか、高校名から検索できるようになっています。さっそく私の母校を探してみると…ああ、ありました。誰がどんなことを書いているやら、のぞいてみたいですね。もちろんのぞくだけじゃなくて、私もそこに1ページ追加したいです。

 あなたの高校はありますか?

けんけんけんすけ

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 週末の北海道は大荒れで、ずっと吹雪でした。おかげで飛行機がなかなか飛ばなかったらしく、金曜の教授会ではこれから出張だという先生が「どうしよう」とこぼしていました。

 雪が降れば庭かけまわるのはイヌと子どもくらいのもんだろうと思っていましたが、さすがにこれだけ降ればイヌも子どもも食傷気味であります。

 雪に飽いた子どもは家の中で遊べばよいのでしょうが、まああらかた遊び尽くしてしまっている。そういうわけで、近所の100円ショップに行ったついでに目についたおもちゃの剣を買ってきました。そう、チャンバラです。

 アマネは2本をそれぞれ両の脇に抱え、部屋の中をうろうろとしています。

 こちらが「あら、あちらから刀を2本差した強そうなお侍さんが。お名前は何とおっしゃるの」と町娘風に言えば、「ぼくはけんけんけんすけ」。

 「けんけんけんすけ?」「そう、剣が2つだから、けんけんけんすけ」「おー、ははは、なんと強そうなお名前」 

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 そう言ってほめた町娘に、けんすけ氏は斬りかかります。「やあ、とお」「あれーやられた」

 窓の外はびゅうびゅうと雪が降っています。そんな日曜の午後。

本の検討会のお知らせ

 突然ですが、来週日曜、3月1日に以下の本を検討する会を開きます。

意識と言語の獲得 ソルボンヌ講義 (1)
M. メルロ・ポンティ
みすず書房
売り上げランキング: 712666

 午前10時からぽつぽつとやりはじめ、お昼ご飯をはさんで議論したいのですが、参加を希望される方はいらっしゃいますか。その方は私宛直接メールください。アドレスはtito あっと edu.hokudai.ac.jpです。

 方式としては、私がレジュメを作ってきますので、それをたたき台に議論をすすめる形にしようと思ってます。もちろん報告を希望される方がいれば大歓迎です。

 企画のきっかけですが、本州から人がお見えになるのにあわせて、じゃあこれでも読んでみましょうか、ということではじめました。すでに、来月末に開かれる別の研究会で取り上げることが決まっている本でしたので、私としてものぞむところ。

 それではお待ちしてます。

自宅でホッピー!

 キンミヤを買った話を書きましたが、そうすると今度はホッピーの方にもこだわりたくなってきました。

 ホッピーを焼酎で割るときに一番おいしい比率は1:5なのだそうですが、その割合で簡単に作ることのできるジョッキがあるのです。そのジョッキと家庭用ホッピー3種類(白、黒、55ホッピー)がセットになったものを販売しているサイトを発見。

 ホッピー宅配便

 これはすばらしい。さっそくメールしたところ、すぐに返事が。そして本日、箱に入って届きました。

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 ジョッキが2つに、3種類のホッピーが3本ずつ。これで2千円ちょっと。

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 さっそくいただきましょう。ジョッキ側面に描かれた★印のところまでキンミヤを注ぎます。割るのは、せっかくですから、1ランク上だという55ホッピーにしてみます。

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 ジョッキにだぶだぶだぶ。

 いただきます。ごくごく。あ、これはうまい。「気がする」ではなく、これはほんとにおいしいです。

 残り8本。大事に飲みます。

ニコラ・フィリベール『すべての些細な事柄』

 ナレーションの一切省かれたドキュメンタリー。観る者は、「そこ」に唐突に投げ出される。「そこ」がどこであるかは、事前情報なしには分からない。妙な人々が妙なことをしている日常が延々と視界に投影される。

 「そこ」は、ラ・ボルド。フランスにある、精神科のクリニックである。院長はジャン・ウリ。フェリックス・ガタリはここの創設に携わり、ここで息を引き取ったそうだ。

 たとえば病床があり、給食室があり、薬の分配があることで、かろうじてそこが病院であることが分かる。が、カメラの追う出来事は、およそ病院らしくない。劇である。

 人々が台本を片手にセリフを叫び、歌を歌い、体を動かす。演じるのはゴンブロヴィチの『オペレッタ』。与えられた役をこなすのも骨が折れる人もいる。しかし各人が相応の仕事を着実にこなしながら本番を迎える。

 この映画で面白いのは、映る人がカメラをじろじろと見ることであり、ときにカメラを回す人(フィリベール?)に話しかけることである。

 当たり前だが、カメラが人々を見るのと同時に、人々もカメラを見る。「見ることは見られること」だ。見られるという私の経験の確からしさを経由して、フィルムに映る人々のもつ確からしさもまた感じられるのである。

すべての些細な事柄 [DVD]
バップ (2008-08-27)
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キンミヤはいずこ

 「キンミヤ」をご存知だろうか。四日市市にある酒造会社、宮崎本店の焼酎である。

 本当の名を、亀甲宮と言うらしい。ラベルを見れば分かるのだが、金色で染め上げられた六角形の中に堂々の「宮」の一文字。亀甲の中に宮だから亀甲宮なのだろうが、その金色が人の目を引きいつの間にか「キンミヤ」の愛称で呼ばれるようになったものと思われる。

 焼酎と言っても1升ン万円するプレミア焼酎などではない。ただの甲類である。純やトライアングルや大五郞である。道産子ならばサッポロソフトである。

 そのキンミヤがどうしても飲みたくなった。というのも、近所の酒屋で家庭用のホッピーを見つけて入手したからである。なんてことのない酒屋にすら置かれるようになったということは、ホッピー文化は北海道でもすでにある程度根付いたということだろう。

 ただ、ホッピーだけでは酔うことはできない。焼酎が必要だ。ホッピーというと、私の頭に浮かぶのがキンミヤである。この焼酎、東京の一部の古い居酒屋では、なぜか、定番の銘柄として供される。そうした店では、ホッピーやサワーを作るのにも使われるわけで、自然、ホッピーの瓶とキンミヤのラベルがカウンターに並ぶイメージが焼き付いてしまったというわけ。

 私のキンミヤ初体験は北千住の名店中の名店「大はし」。ここで焼酎を頼むと、これと炭酸、梅シロップが出てきた。これがまた、名物の煮込みとぴったり。煮込みの甘さをすっきりと洗い流してくれるような感じなのだ。

 しかし、ホッピーほどには全国展開をしているわけではないキンミヤ。一部の呑み助のあいだではメジャーでも、ここ札幌で入手できるかどうか。本家本元宮崎本店ではネット通販をしている。あきらめて、会員登録して送料600円を払って1升注文しようかと思ったそのとき。

 ふと思い立ち「札幌」「亀甲宮」でAND検索してみたところ、なんと近所のショッピングモール、アリオ札幌が引っかかってた。どうも、イトーヨーカドーのネットスーパーの商品一覧らしい。家庭で注文すると、専門のスタッフが店内から注文の品を集めて配送してくれる、というあれである。ということは、店内の酒コーナーにキンミヤがあるということ。

 そこで、用事のついでに行ってみた。数ある甲類焼酎に並んで、あったあった。なんと、棚にあるのは720ml瓶が残り2本。これを逃すと今度いつ出会えるか分からないと、買い占めてしまった。

 自宅に戻り、焼き鳥を食べながらグラスにキンミヤを注ぎ、黒ホッピーを勢いよく注ぐ。さあ、飲んでみよう。ぐーっとのどに流し込む。うん、うまい。ような気がする。

レポートの参考にはならんよ

 私はブログにNinja Toolsのアクセス解析をしかけております。ご覧になる方がどんなキーワードで検索してたどり着いたのか分かるようになっておるのですね。

 このところ、「ピアジェ」「保存課題」という単語で検索して、「La biblioteca de Babel」を訪れている方が増えています。この1週間のデータを示すと以下のような感じです。

 ●保存課題: 5件
 ●ピアジェ: 4件
 ●ピアジェの保存課題: 1件

 たぶん、「039-被験者ってぼくのこと?」というエントリーが引っかかってくるのでしょう。マイケル・シーガルの『子どもは誤解されている』を紹介したエントリーです。

 なぜ、このエントリーが?

 これは憶測ですが、時期的なことを考え合わせると、大学の講義で出されたレポートを作成する学生さんが藁にもすがる思いでネットを検索してたどり着いているのではないかと思うのですね。「ピアジェの保存課題について述べよ」といった感じのレポート課題。

 そうだとして、まさか、このエントリーだけを頼りにをレポートを書くなんてことはないと思うのですが、ちょっと心配にはなります。関連した本、できればピアジェの書いた本をきちんと読んでおいてほしいなあ。

 学生には元の文献を探すことをしてほしいと思い、そのために「La biblioteca de Babel」では、紹介した本がどこの大学の図書館に収蔵されているか分かるようになっているのですよ。書誌情報をクリックすると、NACSIS-Webcatの当該図書のページに飛びます。これで、自分の通う大学の図書館に本があるかどうか分かります。

 憶測で話を進めてきました。杞憂であれかし。