北大セミナーin函館

 北大では年に数回、道内各地の高校で、大学教員による模擬授業と相談会を開催しています。北大セミナーと呼ばれ、おかげさまでご好評をいただいているようです。

 日曜日、市立函館高校にて開かれた北大セミナーに、学部担当として行ってきました。

 市立函館高校は、数年前に2つの高校が合併してできたまだ新しい学校のようです。五稜郭公園のすぐそばにあり、緑豊かでとても広々とした、気持ちのよいところでした。

 学部担当として2回に分けて講義を行います。自分の専門だけについて話をすれば簡単なのでしょうが、あくまでも教育学に関して考えてもらう必要があります。そこで、「教室をre-designする」と題し、カリキュラムとそれを実現する環境との関係について考えてもらうことにしました。

 最初の講義には14人、2番目の講義には4人の高校生が来てくれました。

 アイスブレイクが長引いてしまい(ありがち)、途中時間がなくなったりもしましたが、感想を読むととりあえずみなさん満足してくれたようでなによりです。

生姜の夜

 研究の打ち合わせで、ただいま東京。

 ゆうべは寝所のそばでひとり飲み。新宿5丁目のあたり。

 1軒目でビールをしこたま、それに谷中生姜、鳥レバ煮、そら豆。谷中生姜は札幌ではなかなかお目にかかれないもの。味噌つけて食べるのがとてもよろしい。

 2軒目、ドンキホーテへ。先客の女性と話し込んでいたマスターにご挨拶。おみやげ、空港で買った「生クッキー」。売店のおばちゃんによれば、「去年は生キャラメル、今年は生クッキーがクる」らしい。

 黙っていても最初に出てくるのがジンリッキー。この時期だからこそ、爽やかでうまい。ついつい2杯目をおかわり。

 若い男性2人組が隣に座る。大泉学園でお店をしていて、その記念の会にマスターが参加されたのでお礼に来られたらしい。若いのに三橋三智也にやたら詳しい。

 すぐ隣に座っていた男性がモスコミュールを注文。「あんたもどう?」とマスター。いただきます。

 銅のビアマグのようなものに入って出てきた。ひとくち。なんだ?いままでに味わったことのないほど清冽な生姜の香り。強烈にうまい。「これで作るの」と見せてくれた小瓶はジンジャービア。ジンジャーエールではないようだ。「なかなか日本では売ってなくてね」とのこと。

 新しいお客さんが入ってきたので席を空けるために店を出た。今回もまた楽しい時間を過ごさせてもらった。

 そういえば、やたら生姜に縁がある夜だった。

ふきだし公園

 夏の名残を楽しめるのもあとわずか。日曜、京極町にあるふきだし公園に遊びに行ってきました。

 定山渓の温泉街を抜け、中山峠を越え、トコトコと畑のなかの道を走ると、目の前にぬっと姿を現すのは蝦夷富士こと羊蹄山です。てっぺんには雲の帽子がかかっていました。

P1040643.JPG

 ふきだし公園は羊蹄山の伏流水が湧き出る麓につくられた公園です。木々の奥から水がとうとうと流れ出しています。

P1040653.JPG

 湧水口には水を汲むことのできる場所がもうけられています。タンクやペットボトルをもって大量に汲みに来る人もいます。わたしたちも今日は、来る途中に寄ったホーマックでタンクを買ってきました。

P1040669.JPG

 もちろんその場で飲むこともできます。ご丁寧にコップも備え付けられています。冷たくてまろやか。

P1040668.JPG

 湧水口から崖を登ると芝生の敷き詰められた広場になっています。その奥には子どもが遊んでいられるようにアスレチックジムが設置されています。けっこう大きなもので、たくさんの子どもたちがいっぺんに遊ぶことができます。どうもおもしろかったらしく、お昼ご飯を食べようと呼びかけても、アマネはなかなか遊ぶのをやめようとしません。

P1040665.JPG

 たっぷり遊んだ後は、公園の隣にある京極温泉につかってから帰りました。帰りがけ、霧雨が降ったのですが、ちょうど夕陽の沈む頃で、みごとな虹が見られました。

P1040677.JPG

1列100円

 最近では珍しく朝から天気がよかったので、弁当をもって、さとらんどへピクニックに出かけました。9月に入ってしまえばもう秋ですからね、名残の夏を楽しみます。

 ミニSLバスに乗って途中の交流センターで降ります。建物に隣接してポヨポヨとはねることのできる遊具が置かれていて、子どもたちが群がって遊んでいます。アマネも夢中になってぴょんぴょんと、40分ほど跳んでいました。おかげでへとへとになった模様。

 交流センターのベンチで弁当を食べた後、ふたたびSLバスに乗り込んでさとらんどセンターへ。こんどはレンタサイクルを借りて、園内を散策します。

 途中に寄ったふれあい農園では、収穫体験ができました。ビニールハウスや露地に実った野菜を収穫して、格安で売ってくれます。ミニトマトとコマツナを収穫してきました。

 ここのコマツナがすごく安い。幅1メートルほどの区画に植わった1列ぜんぶで100円だそうです。1列ひっこぬいて12株くらいはあったでしょうかね。売られる野菜の単位で「列」というのは初めて見ました。あと3週間くらいで今度はホウレンソウが育つそうなので、また1列いくらで売ってもらいたいものです。

 コマツナのうち、あんまり虫食いのあるようなやつや小さいのは、園内のヒツジにあげてきました。とてもおいしそうにむしゃむしゃっと食べてました。

帰省中の出来事

 盆休みはとうに終わり、通常業務に復帰しております。7月におこなった調査の分析をだらだらと続け、そのあいまに雑用をこなすという毎日でございます。

 帰省中の関東は激烈に暑いかと思いきや、さにあらず。なかなかに涼しく、札幌にいるよりもかえって過ごしやすかったかもしれません。

 それでも数日は暑い日もあり、そんなときには海へ行き、プールに行き、庭でバーベキューをし、花火に興じておりました。

P1040484.JPGP1040505.JPGP1040541.JPG

 この間に、アマネは4歳になりました。この1年間で身につくのは知恵か、脂肪か。(それほどプクプクしております。)

P1040472.JPG

ただいま帰省中

 ただいま、家族で茨城の実家に帰省中です。

 今年はどこも天候不順のようで、真夏らしくカッと照ることはあまりないみたい。海やプールを楽しみにしていましたが、難しそうです。

 今日は話の種にと、近所にオープンしたアウトレットに行ってみました。浜松やら多摩やら遠くから来ているみたいですね。

 甥っ子が幼稚園の休みにあわせてずっと実家に来ているため、姪っ子もあわせて子ども3人で毎日大騒ぎです。やはり年が近い同姓の子どもが気兼ねなく騒げる空間にいるとすごいことが起きますね。太陽が地上に降りてきたかのように暑苦しい。

 んなこんなで、来週の月曜に札幌に戻ります。

10分でわかる心理学?

 今日明日と大学のオープンキャンパス。ただし、本学部は1日のみの開催となる。学部長挨拶から学部説明、質問コーナーという流れを午前午後と繰り返す。

 午前中は180人近く、午後は100人近くが集まってくれた。例年にない盛況。大学全体で力を入れているイベントなので、おそらくは全体的な参加者数が増えているからだろう。

 本学部には、教育基礎論系、教育社会科学系、健康体育学系、教育心理学系の4つのコースがある。ぼくの出番は、10分間で心理学系を説明すること。

 ざっとゼミについて説明した後、なぜ教育学部に心理学研究者がいるのかについて話す。このテーマ、深く詳しくつっこむとなかなかややこしい話なのである。が、おおざっぱにはしょって、次のように説明した。

 心理学の目的は、『人間とは何か』という哲学的な問いと、『どうしたらよりよく生きられるのか』という実践的な問いの、両方に答えること。真善美で言えば真と善だ。

 教育学部の心理学は、哲学的な問いに答えるなかで見つかった研究結果に基づいて、教育という実践をよりよくおこなっていくための方法を探している。

 例を考えてみよう。次の映像を見て欲しい。これは心理学の実験に基づいてつくられた、イギリスのCMだ。白い服を着たチームと、黒い服を着たチームの2つがある。今からチームごとにバスケットボールをパスし合うので、白い服を着たチームが何回パスをしたか、数えてみよう。数えた後で、もう一度、今度はぼんやりと映像を眺めてみよう。最初に見たときには気づかなかった、何かが見えなかっただろうか?

 

 この実験は、数を数える能力を測定しているわけじゃない。人間が「注意を向ける能力」の限界を調べている。つまり、あることに注意を向けていると、他のことに注意を払えなくなるという限界だ。

 正常な人間は、周囲の出来事を正確に知覚し、認識し、判断しているというふうに思われている。しかしそういう人間像は誤りで、ちょっとしたことで知覚や認識があやふやになってしまう。人間とはそういう存在なんだ。これが哲学的な問いに対する答えのひとつ。

 そしてこうした答えから、次のような実践的な答えが出てくる。例えば交通安全教育。歩行者やサイクリストは、自動車の運転手からは自分の姿がよく見えていると考えている。だから車道にはみだしても、相手がよけてくれるだろうと思ってしまう。だけど、さきほどの実験映像から考えると、ちょっとしたことで運転手の知覚から歩行者や自転車の姿が消えてしまうことがありうる。ケータイで話していると、あるいは、カーステレオのCDを入れ替えていると、注意がそちらにいってしまって、車外の出来事に気づかなくなってしまう。見えているのに、見えなくなってしまう。

 だから、運転するときには運転だけに専念しなければならないし、道を歩いたり自転車で走ったりするときには「自分は見えているはず」と思ってはいけない。

 教育学部の心理学においては、このように哲学的な問いと実践的な問いがからみあっている。

 ここまでまとまっていたわけではないが、まあこんなことを話した。映像は一発芸みたいなものだが、高校生にはよく受ける。
 
 ちなみに、この映像には元ネタがある。論文は、Becklen, R., & Cervone, D. (1983). Selective looking and the noticing of unexpected events. Memory & Cognition, 11, 601 – 608.