カテゴリーは食えない

 まだ帰省中。

 一昨日昨日と、那須に一泊してきた。父母、妹とおいっ子といっしょである。

 帰りがけに寄ったりんどう湖ファミリー牧場で、ソフトクリームを食べた。入り口から入ってすぐのレストランのそばで1つ買って、アマネにも少しあげたところ、あまり欲しがらない。スプーンにすくって顔に近づけても、ぷいとそっぽを向く。

 牧場に移動してそこでも買ってみたところ、こちらのソフトクリームは喜んでぱくぱくと食べる。自分から口をもっていくのである。

 「同じソフトクリームなのにねえ」「あんまり味の違いは分からないけどねえ」

 と顔を見合わせてみるが、当人にしてみれば、まずいものは食いたくない、うまいものならもっと食いたいと、単純なことなのだろう。「ソフトクリーム」というカテゴリーを食っているわけではないのである。

 とすると、ぼくらはいつからカテゴリーを食うようになったのか。とても面白い問題だと思う。

P1000247.jpg これはでかくて食えんなあ

ただいま帰省中

 日曜から家族で茨城に来ています。

 アマネは、羽田までの飛行機では寝ていてくれたのでゆっくりできましたが、空港から実家までの車のなかでは元気でした。

 最近磨きをかけているがに股歩きをさっそく父母に披露しております。芝生の上も大丈夫。

 25日に札幌に戻ります。こちらにいるあいだに、たまった作業を片付けなければなりませんが。

 クリックすると、別ウィンドウで動画が見られます。(Quicktime)

 やじろべえのように歩きます。

 車も運転できるよー。

体とのつきあいかた

 アマネは1歳1か月目に入り、いろいろなところで自分の身体に出会っている。

 だいぶ歩けるようにもなってきた。部屋から部屋へ、両手をバンザイの形にして、がに股でのしのしと歩いている。ただ立つだけなら、
5秒といわずしばらくの間立ち続けることもできるようになった。

 11か月頃から始まった指さしは、当初は食事の際に、自分の食べたい(らしい)ものを指すという機能をもっていたが、
現在ではさまざまなものの要求に使われている。だっこしてほしいときには、父母の顔を指すといったように。

 おむつを替えるときや風呂にはいるときなど、股間がむきだしになるときには必ずといっていいほど、ちんちんに触るようになった。
その手はたいてい左手である。

 「自分の体って、こんなに便利なんだ、へー」、とか、「おお、こんなところにこんなものが(たとえば、ちんちん)」、
といった気づきがあるわけではないだろう。指先や手足を動かしているうちに、じょじょに組み替えられていった結果なのだろう。

 もう少しすると、自分の体が一番の遊び道具になるんだろうな。

 こんなに歩けるよー。(quicktime、4394KB)

はこだて未来大学に行ってきた

 卒論生といっしょに、はこだて未来大学へ行ってきました。目的は、人工物とインタラクションを広くご研究されている南部美砂子先生にお会いするため。

 卒論生の一人、わーさんの研究テーマが、「母子間相互行為場面におけるケータイ」というもの。ケータイ研究の動向はこちらはとんとさっぱりなので、ここはご専門の方にうかがうのが最良と、南部先生の門をたたいたのでした。

 札幌からはスーパー北斗で函館入り。駅にて、今回の参加者、めぐくん、わーさんとともにレンタカーに乗り込みました。函館の駅は最近新しくしたのでしょうか、6年前に学会で来たことがあるのですが、そのときはもっとぼろっとした印象でした。ところがいつのまにか近代的な建物に変貌していました。

 街から大学までは車で20分くらいです。函館の内陸になだらかに盛り上がる山の上に大学は建てられました。函館山からの夜景は有名ですが、大学からは「裏夜景」と呼ばれる街の灯が望めるのだそうです。

 大学の駐車場に車を停めると、南部先生と東工大の岩男征樹先生が出迎えにいらしてくださいました。

 今回は研究のヒントのようなものをいただければと考えていたのですが、先方は研究交流会のような形でセッティングして下さっていました。南部研からはゼミ生2人が参加してくれました。彼/女は、わーさんと同じくケータイについての研究をしているそうです。違う点は、一人は小学3年生のケータイ使用、もう一人は高齢者のケータイ使用と、お二人とも機械のユーザビリティの点から見ているところでした。

 研究会は、わーさんのここまでの調査内容の報告に続いて、南部研の2人の発表という順で行なわれました。ケータイそのものが新しいメディアであるだけに、ユーザの視点からの研究は本当に少ないのですね。これから若い3人にはいろいろな視点から具体的なデータを集めてもらいたいと思います。

 ところで、北大の学生は、はこだて未来大学の建築デザインにいちいち驚いていました。なにしろ新しい大学ですから、きれいなのです。僕が岩男先生と日心でのRTの打ち合わせをしている間、めぐ、わーの両氏には大学のなかを探検してきてもらいました。 

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 この大学のように、新しいカリキュラム編成をデザインするとともに、それにみあった建築のデザインもしてしまう、というところは少ないと思います。カリキュラム編成のデザインにあたっては、ヴィゴツキーに由来する学習観も大きな影響を与えたと聞きます。そのあたりは、下の本に詳しいです。

「未来の学び」をデザインする―空間・活動・共同体
美馬 のゆり 山内 祐平
東京大学出版会
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 研究のヒントをたっぷりといただいて、大学をあとにしました。南部さん、岩男さん、そして学生の皆さん、どうもありがとうございました。

 このあと、ぼくが予約した宿の名前をど忘れして、1時間ほどうろうろと探し回るという失態を演じたりもしましたが、無事に投宿。函館の夜の駅前をぶらぶらと3人でそぞろ歩きしながら打ち上げです。

 1軒めは「根ぼっけ」。海のなかであちこち動かず、居着いてしまったホッケのことを根ぼっけというのだそうですが、その魚の名を店名にしているだけあって、根ぼっけ料理がウリのようです。貧乏な3人でしたので、根ぼっけ焼き半身(小)を頼みましたが、3人だとそれでも十分なくらいでかいものが来ました。その他、刺身も活きがよくたいへんおいしい。実は、ここは南部先生に教わったお店なのでした。感謝であります。

 2軒めは「杉の子」。ここは居酒屋好きには知られた古いバー。柱にかかった操舵輪をはじめ、年季の入ったオブジェが壁一面を埋め尽くしています。函館という観光地にありながら、地元の方らしき人がひっきりなしにドアを開けてくるのは良いお店の証拠。ここでは、オリジナルのカクテル「八甲田丸」をいただきました(その他に、青函連絡船の名を取ったとおぼしきカクテルが3種類ほどありました)。卵を使ったリキュール(名前、失念)を使っているそうで、グラスのなかのクリーム色をなめると甘酸っぱくコクのある味が舌にまとわりついてきます。めぐ、わーの両氏は「うまいうまい」と感動してお酒を飲んでいました。

 宿の門限は11時、現在10時半です。大急ぎで戻ったところが、すでに共同浴場は終了。部屋でめぐくんの卒論指導をしたのち、汗くさいままふとんのなかで気を失いましたとさ。

中学生日記

 中学生について書くので、中学生日記である。

 昨日、所属する学部内委員会の先生より電話があり、中学生の応対をせよとのこと。道東の斜里町より修学旅行で札幌を訪れている中学生が、企業や大学を訪問して話を聞きにやってくるのだそうだ。北大では教育学部と経済学部に白羽の矢があたり、うち教育学部を担当することとなった。

 どうも修学旅行前にあらかじめ訪問先別にグループを分けていたらしく、そのグループで相談したとおぼしき質問内容が教務に送られてきていた。曰く、「先生になるにはどういう資格が要りますか」「効率のいい勉強方法は何ですか」「生徒に授業内容を理解してもらうための話術とは」などなど。

 こちとら自慢じゃないが教員の免状をもっていない。仕方ないので、ゼミの4年生で教採を受けた学生に声をかけて、来てもらうことにした。これで先生の資格関係の質問はクリアである。

 あけて本日、設定された教室に行くと、制服に身を包んだ女子中学生が4名、ちょこんと座っていた。

 はじめに大学紹介DVDを見てもらう。そのあと、あらかじめ送られていた質問事項に沿って、来てくれた4年生3人に回答をしてもらう。こちらは脇で中学生と大学生のやりとりを見ているだけ、ときたま口をはさむくらいで楽である。

 準備していた質問についてあらかた話し終わったあと、自由に質問してもらう。出てきたのは、「友だちとトラブルが起こったときにどうすればいいか」「大学生に校則はあるのか」。どちらも中学生の生活においては切実な問題であろうし、だからこそ出てきたのだろう。一方で、大人だってトラブルを起こすし、ルールを守れない人もいる。悩みどころはそう変わらないのだなと思った。