来月,ひつじ書房様より,伊藤の執筆した本が出ます.
Amazonではすでに予約可能になっているみたいです.
以下目次です.
1 ことばの発達を考える~ことばの社会化とは何か
2 赤ちゃんに話しかける~文化間の多様性,文化の中の多様性
3 会話に巻き込む~会話の秩序とその理解
4 マネは創造のタネ~うながし,参与枠組み,ルーティン
5 感じ方を交渉する~感情と道徳のことば
6 「公」と「私」の使い分け~スタイルシフト
7 私はことばでできている~語りへの子どもの関与
8 小さな文化を創り出す~ピアトークの意義とは
9 女の子が下品なことばを言うのはダメなのか~ジェンダー実践と言語イデオロギー
10 実践としての書きことば~リテラシー・イベントへの参加
11 二重の有能さを示す~学習言語とIRE/F連鎖
12 いくつもの目的を同時にめざす~教室内のことばの多層性
13 2つのことばの真ん中で~バイリンガルとコードスイッチング
14 ことばのあいだに立つ私~継承語とアイデンティティ
乳児期から思春期の子どもが用いることばの多様性とその変化について,主に「ことばの社会化論」(language socialization)の観点から一貫して描いた,(おそらく)国内初(と思われる)本です.
言語学的に言えば,言語構造ではなく言語機能に焦点を当てています.領域的には社会言語学の一分野です.
心理学的に言えば,社会や文化の中での発達過程に焦点を当てています.
社会学的に言えば,大人が子どもをことばを通して社会化する過程と,子どもがことばの使い方の点で社会化する過程に焦点を当てています.
学部の講義の教科書として書いたものですが,上記のように多分に偏った見方に基づいたものなので,その点は注意してください.既刊のさまざまな言語発達の教科書の中の1つとして扱っていただくのがちょうどよいように思います.
どうぞよろしくお願いいたします.