YouTubeで学ぶ心理学

 心理学について講義するとき、「こういう映像があればいいのになー」と思うことがあります。実験の様子を口や模式図で説明するのと、
その際の映像を見てもらうのとでは、理解の深みはぜんぜん違うと思うのです。

 もちろん、市販のビデオ教材はありますから、それを使えばよいわけです。また、たまにテレビでもドキュメンタリーや科学バラエティ
(という言い方をするのか分かりませんが)で関連するテーマを扱いますので、それをビデオに撮って使うのもいいでしょう。

 とはいえ、輸入学問の悲哀と言うべきでしょうか、やはりアメリカやフランス、
ドイツあたりに蓄積されている心理学関連の映像の量や質は、日本のそれと比べものになりません。そしてそういうものは、
この国に座しているだけでは入手が困難でした。

「でした」と過去形を使ったのは、いまやこうして座しているだけで入手できるようになってしまったからであります。言うまでもなく、
インターネットの登場による変化であります。

 これまでも、秘蔵の映像がデジタル化され、インターネットを通じて入手できる状況はありました。しかし、
それらは個々人あるいは研究施設がまちまちにアップロードしたものであり、いかんせん、
どこに何があるのか知らなければどうしようもなかったわけです。

 ところが、最近はYouTubeに代表されるように、投稿された映像を誰でも閲覧できるサイトができました。言ってみれば、
映像の集積所ができたわけであります。これを利用しない手はありません。

 ためしに、YouTubeに行って、授業に使えそうな映像を探してみましょう。

 例えば、心理学の歴史について授業をしたいとします。そこでは、「行動主義」は必須事項でしょう。そこで、行動主義の産みの親、
“John Watson”を検索すると、こんなのが引っかかってきます。
おそらく、心理学教材か、教養番組の一部でしょうね。有名なアルバート坊やの実験らしきものが映っています。

 便利な世の中になったものであります。

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