
「北海道の居酒屋の真髄を探る」。今回から5週にわたって,北海道の居酒屋において過去から現在までの時代時代を彩ってきた料理と酒について取り上げます。
教員がレクチャーするのではなく,受講生に調べてきてもらい,プレゼンをしてもらうこととしました。
その初回となる今週のテーマは,ニシンと日本酒です。
Finnegans tavern Annex
「北海道の居酒屋の真髄を探る」。今回から5週にわたって,北海道の居酒屋において過去から現在までの時代時代を彩ってきた料理と酒について取り上げます。
教員がレクチャーするのではなく,受講生に調べてきてもらい,プレゼンをしてもらうこととしました。
その初回となる今週のテーマは,ニシンと日本酒です。
現在開講中のフレッシュマンセミナー「北海道の居酒屋の真髄を探る」において,北海道の居酒屋で提供されてきた食べ物と飲み物を学生に味わってもらう,ということをしています。
飲み物,というのは酒です。しかし,「フレッシュマンセミナー」の名の通り,受講生は大学入りたての1年生です。ほとんど全員が未成年です。
未成年に酒を飲ませるわけにはいきません。一方で,北海道の居酒屋を理解するには,酒について体で理解する必要があるでしょう。
ということで,酒を飲むことなく,酒の核心に触れるにはどうしたらよいのかをずっと考えていました。
出した結論が下記です。
日本酒: 酒造好適米(山田錦)で作ったおにぎりを食べてもらう
ビール: 上富良野産ドライホップを混ぜたホップ味噌,ホップ塩,ホップソーダを味わってもらう
甲類焼酎: サッポロのメーカーが製造販売するレモンソーダなど,焼酎の割り材として使われるものを飲んでもらう
ウイスキー: ウイスキーの香りづけに使う北海道産ピート(泥炭)でスモークした食材を食べてもらう
ワイン: ワイン醸造用の北海道産ブドウを使ったジュースを飲んでもらう
果たしてそれで酒の核心が分かるのかは確かに心許ない限りです。しかし,そのものを直接飲むことができない人たちに理解してもらうためにはどうしたらいいのかを必死になって考える経験はとても良かったです。
これはたとえば,ハラルフードしか食べられない方とともに食事体験をするといった事態においても起こることです。その際に,宗教的禁忌を「制約」とするのではなくむしろジャンピングボードとして,新しい体験をデザインする方向に向かえればいいのだと感じました。