困ったときの円山動物園

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 10月とは思えないほど暖かく晴れ渡った日曜、円山動物園に行ってきました。思いついたらいつでも行ける、年間パスポートがあると公園代わりに利用できるのでお得です。どこに行くか困ったときには、とりあえずマルドウです。

 とはいえ、目当ては動物ではなく、園内の遊園地キッドランドです。アマネはご多分に漏れず、乗り物が大好きであります。汽車ぽっぽ的なものがあれば何でも飛びつくので、今日はここで一日つぶそうという魂胆。

 まだ3歳なので、あまり激しい乗り物は乗れないので、どうしてもコーヒーカップとかメリーゴーランドとか、おとなしい感じのものが中心となります。それでも豆汽車「弁慶号」には2回ほど乗りました。

 しかし彼が今回はまったのは、キッドランドの誇るアトラクションではなく、その隅に設置されていた、 100円でもあもあ動く数々の遊具の方でした。ほら、ありますでしょう。デパートの屋上なんかに。あれです。

 中でも、8の字型に動く2両編成の小型電車にえらくはまりました。隙あらば乗ろうとするのです。これだけで500円くらいつぎ込みました。甘いですねえ。

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 その他、消防車だの、ヘリコプターだの、アイスクリーム屋さんのワゴンだの、小さなメリーゴーランドだの。ぐるぐる、ゆらゆら、もあもあとたっぷりと楽しんできました。

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 普段、他所でこうした乗り物を見かけても、乗りたいとは言わないんですけどねえ。大型のアトラクションを見て「乗り欲」が出てきたんでしょうか。将来は乗りテツにでもなるんでしょうかね。

 そうそう、円山動物園の中に、今年の夏から新しくネイチャーカフェ・アースというカフェができたので、そこで昼食を取りました。

 園内で食事ができるお店は、これまでにもいくつもありました。ただ、まあ、なんというか、海の家的な感じで、場末の侘びしさを味わうにはいいのですが、いかんせん若い人向けではなかったのです。そこにできたこのカフェはそういう意味では斬新であります。カフェの中にキッズスペースやキッズテーブルがあるのが、子ども連れにはありがたいです。メニューもそこそこおいしい。アマネは野菜スープをひとカップぺろりと食べてしまいました。

 キッドランドは11月3日でいったん閉鎖され、来年の春にまたオープンします。いよいよ冬ごもりですね。そういえば雪虫が飛んでましたよ。

ゆにガーデン&ユンニの湯に行ってきた

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 たまには行ったことのない方へでかけてみようと、祝日の火曜、車で1時間ほどの場所にある「ゆにガーデン」に行ってきました。初めてなのですが、ものの本ではどうもただの広い庭のようです。

 札幌から夕張に行く途中にある由仁町。その山あいに目的地はあります。のんびりと向かったら、昼前に着きました。

 ここのお隣には「ユンニの湯」という温泉施設もあり、ゆにガーデンの入場料と入浴料、あわせて大人1000円でセット販売していました。温泉も入るつもりでしたので、セットの切符を購入。

 朝からぐずついた空で危ぶみましたが、日頃の行いがよろしいのか、園内のレストランで昼食をすませるころには実にいい天気に。

 バスが園内をぐるりと走っています。入場したときにちょうど走っているのが見えていました。アマネはこういうのが大好きで、「急いで急いで」と大人をせかしてバス停に向かいます。

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 のんびりゆられて20分くらいで1周してしまうくらいの広さなのですが、そのあちこちに庭がテーマごとに造られていて、見ていて飽きません。その庭が取り囲むようにして広い広い芝生があります。ただ広いと言うだけでなんだか走りたくなってしまいますね。

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 園内のかたすみにはキノコ汁を飲ませるコーナーがあり、その脇にはウサギに触れられる小屋もありました。

 1時間半ほど遊んで、お隣のユンニの湯に行きます。ここのお湯は、びっくりするほど黒く、しかもぬるぬるとしています。どうも周辺が泥炭地帯のようで、その成分が湯に溶け出しているようです。美容にはよさそう。

 あまり期待もせず訪れたのですが、案外楽しむことができました。なにより高速を使わずに行けて、 1000円でゆっくり遊べれば十分です。

市電フェスティバル

 札幌は市交通局の運営する路面電車の走る街です.路面電車のPR企画,市電フェスティバルが開かれたので家族で行ってきました.

 会場は南21条西16丁目の電車事業所とその隣のグラウンド.電車事業所の方では,車両の展示や工場内の見学ができます.グラウンドの方では近隣の小学校PTAや町内会のみなさんが総出で縁日が開かれていました.

 縁日には,市営地下鉄のミニ車両が出展されていて,グラウンドをぐるぐると走り回っていました.当然ただで乗ることができます.

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 電車事業所の方に行きますと,そこは鉄な方々にとっては魅惑の世界.ふだんは触ることのできないものがいろいろとあります.

 まずは転轍機.ポイントに置かれている,あれです.けっこう重たいようで,おじさんに手伝ってもらいながらようやく動かすことができていました.

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 お次は職員さんの制服を着て,冬の名物,ササラ電車を背景に写真を撮るコーナー.アマネは帽子をかぶりたかったようです.お気に入りのアニメ『おさるのジョージ』には,ジョージが駅長の帽子をかぶらせてもらえるシーンがあるのですが,それを思い出したみたい.でもまあ大きい帽子しかなくて,「こまわりくん」になってしまいましたが.

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 整備工場の中にも面白そうなものが.車両の方向幕を手動で動かす装置がありました.「教育大学前」と書いてあるからにはずいぶん昔の方向幕が残っているようですね(現在中央図書館のある場所にかつて北海道教育大札幌校がありました).

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 もうちょっと遊びたいようでした.が,昼ご飯を食べねばならないので引き上げます.

 が,手を引いて抵抗してきたので,「動く電車に乗ろう」と提案.事業所前の電停から幌南小前まで,ママといっしょに乗ることができましたとさ.

旭山動物園に行ってきた

 一夜明けて晴天。本日は旭山動物園に行くというメーンエベントがあります。

 と,その前に,名だたる美瑛のパッチワークの丘をドライブ。金色と緑色に塗り分けられた,波打つような丘。すっくと立つ防風林。きれいですねえ。

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 美瑛の街から一路旭川へ。旭川空港の脇を抜けると,道ぞいに動物園の案内が現れ始めました。その案内にしたがって走ると畑の真ん中にこんもりとした山が見えます。どうやらあそこにあるらしい。

 動物園へ続く道には続々と車が通っていきます。動物園の無料駐車場が何か所かあるようですが,どこも満車らしい。有料の駐車場には道沿いにおじさんが立っており「正門に近いよ」「西門に近いよ」と道行く車を呼び込んでいます。正門に近いという駐車場に停めて園に向かうと,いやあなんでしょうこれは。入場口には人が列をなしています。が,入場制限をしているわけでもなく,すぐに中には入れました。

 入場口で,スタッフのおじさんが「今日は29度を超えるという予報が出ています。気をつけてください」としきりに叫んでいます。

 妻が事前に情報を仕入れ,「ペンギンが空を飛ぶ」らしいペンギン館に行こうとしました。が,入り口には人の列。

 うーん,では,と,その向かいにある,あざらし館へ。ここも入り口には人の列。10分ほどで入れましたが,アザラシが通れるようになっている水の柱の周りには人がごった返していました。アザラシくんはなかなかそこを通ろうとせず,近くに来るたびに「あー,おー」とため息が漏れます。ようやくアザラシがそこを通ると,「おーーー」と歓声があがりました。

 妻が「シロクマ館に行く」と言い出したのですが,そこもやはり何重にも折れた人の列ができています。勝手に行ってもらい,アマネとふたりで建物の外に放り出されたシロクマを見ていました。なにしろ気温は29度ですから,シロクマはへばっておりました。

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 その後,トラ,ライオン,ヒョウ,チンパンジーを見て昼食。東門にある「モグモグテラス」というレストランも人がいっぱいでしたが, 11時頃に行ったのですぐに入れました。

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 アマネくらいの子どもには,やはり実際に触れることのできるくらいの小動物がいいようです。「こども牧場」にいるアヒルのかわいいこと。ゴールデンレトリバーがテラスでへばっているのを,子どもたちが一生懸命なでています。

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 太陽が照りつける中,もうあちこち歩き回るのもいやになってきました。園は山肌の斜面にあるのですが,その斜面を利用して水が水路に沿って流れ落ちています。動物に飽きた子どもたちはここで水遊びを楽しんでいました。今朝は「水遊びしない」と言っていたアマネですが,他の子がしているのを見ると「やるー」。で,ズボンを脱がせて水の中に。かく言うぼくも,子どもの面倒を見るふりをして水につかって涼んでいました。暑いときは動物を見ずに,水遊びをするのがおすすめかもしれません。

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 いまや日本一有名になってしまった旭山動物園。初めて来たのですが,夏休みに入って人が多く,おまけに暑いという最悪の状況でした。あとで学生に話したら,「この時期に行く道民はいませんよ」だそうです。 

 年間パスを買いましたので,今度はもう少し涼しくなってから,あるいは雪が降ってから来ようと思います。

富良野に行ってきた

 週末,家族で富良野から旭川へと1泊でドライブに出かけてきました。

 道央道を北へ,滝川で降りてトコトコと走り,山を越えると富良野に入ります。

 最初の目的地は,ラベンダー畑で有名なファーム富田。夏休みに入ったばかりだけあって,駐車場に入る道にはすでに車が列をなしていました。それでも10分ほど待てば車を停めることができました。

 以前一度だけ8月に来たことがあるのですが,そのときにはすでにラベンダーは終わっていました。なのでけっこう空いていたんですよ。ですが,さすがに花の最盛期だけあり,農園内は人でごった返していました。

 ついつい人の多さばかりに目にいってしまいますが,きちんと花も見てきたんですよ。

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 富良野の畑を碁盤に区切る直線道路をひた走り,「北の国から」のセットの脇を通ると,「ふらのジャム園」があります。このジャム屋さんのすぐお隣には,なぜかアンパンマンのグッズのショップがあるんですよ。どうも,ジャム園のキャラクター製作をやなせたかしさんに依頼した縁で,ショップができたようです。

 ぼくらが着いた頃,ちょうどアンパンマンが来ていまして。一緒に写真に写ってくれました。アマネは緊張していた様子。抱っこされて泣き出してしまう小さい子もいました。

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 本日の宿,白金温泉に向かいます。ホテルからは,噴煙のたなびく十勝岳が望めます。従業員の方曰く,噴煙が白ければ大丈夫だが,黒くなったら噴火するのだそうです。

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 しょっちゅう連れて行っているせいか,アマネは広い風呂が大好き。特に,露天風呂がお気に入りで「外のお風呂行く」と何度も連れて行かれます。 

 今日一日外にいたせいか,顔が黒くなりました。明日は旭山動物園に行きます。

さくらんぼと詩人

 朝から家族で果物狩りに行ってきました。

 自宅から車を30分ほど走らせると,温泉街として知られる定山渓への道沿いに果物狩りの看板が立ち並んでいます。その中の1軒, 篠原果樹園におじゃましました。

 山腹を利用した農園で,一番高いところからの眺めが美しい。

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 本日のお目当ては,サクランボ。果樹園の公式ホームページに,29日からサクランボ解禁とあったので,これ幸いと出かけてきたのです。アマネは,お気に入りの手押し車を持って行くと言ってききません。以前,栗拾いに行ったことがあるのですが,それと勘違いしているのでしょうか。

 サクランボの木が植えられている一角にたどり着く手前に,いちご畑がありました。果樹園を経営されるご家族の奥さんが,「いちごがまだあるから食べて行きなさい」と案内してくれます。大粒のいちごを採ってアマネに手渡してくれました。食べてみると,おお,甘いですねえ。

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 いちご畑から続く斜面には,プラム,リンゴ,プルーンなどの木が植わっています。さらに登ると,赤い実をたわわに実らせたサクランボの木がたくさん。たくさん実って,枝がしなっています。これは食べがいがあります。木のそばのはしごに登って,上の方になっているサクランボをもいでむしゃむしゃ。アマネにはタネを取ってあげていたのですが,タネだけ抜いて食べることを覚えたようで,ひとりでむしゃむしゃと食べています。

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 いろんな品種があったのですが,今回いただいたのは佐藤錦,秀ヶ錦,それにアメリカンチェリー。どれも甘くておいしかったですよ。家族3人合わせて80粒くらいは食べたのではないでしょうか。

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 1本の木にこれでもかと実っていたのですが,それでも,今年の天候不順で,だいぶ不作なのだそうです。例年CMを流すような果樹園も,今年はそれを控えているほどなのだとか。案内してくれた篠原さんご一家みなさん口々におっしゃいます。いやあそれでも露天でこれだけおいしいのができれば十分じゃないでしょうか。

 入園料は大人一人800円,2歳以下は無料。持ち帰りは別途お金がかかりますが,十分元を取ったと思います。なにしろ,佐藤錦なんてお店で売っているのを買うと高いですからねえ。

「ハンバーグ食べたい」というアマネのリクエストを容れて,お昼はびっくりドンキーへ。いったん帰宅。

 午後からぼくは,中島公園にある北海道立文学館へ行きました。札幌は6年目になりますが,ここは初めてです。

 今月末からここで,詩人の吉増剛造さんの展覧会が開かれているのですが,それに合わせていくつかのイベントが予定されています。そのうちの一つ,「言葉のざわめき,おとのねにおりてゆくとき」を拝聴したかったのです。

 鼎談なのですが,メンバーがぼくとしては豪華。吉増剛造,工藤正廣,そして柳瀬尚紀!工藤先生は元北大の教授で,パステルナークなど,ロシア・ポーランド文学がご専門。実は一度だけ教授会でお見かけしたことがあります。柳瀬尚紀先生は英米文学の翻訳家として有名ですが,ぼくのなかではヒーローのような方。なにしろジョイス『フィネガンズ・ウェイク』を翻訳されたわけですから。このブログの名前の由来になったこの作品,高校の時に柳瀬先生の翻訳で読み,衝撃を受けました。このときに,ゆくゆくは詩の研究をしたいと思ったものです。

 吉増剛造の作品は,何度か「ユリイカ」に載ったのを読んだことがありますが,「つぶやき」が多いなというのが第一印象。それと,連想の速度がタイポグラフィをたたきつけるその慎重さに独特のものを感じました。なんだか評論家然として偉そうですね。

「おみやげ」として吉増さんが午前中に書き上げたという,なんでしょうかね,これは。手書きの口上と詩や文章のコラージュ,というか,バロウズ風に言えばカットアップのコピーをいただきました。

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 さて,お三方の登壇を前から2列目の席で待っていると,会場の後ろから,車いすに乗ったご老人が入ってこられました。私の目の前,つまり最前列のイスは空いていたのですが,スタッフの方などがそのイスを運び出してそのご老人が空いたスペースに陣取られました。白髪頭の上に黒いニット帽を載せた,温厚そうな男性です。

 間もなく,司会の方が開会の言葉を始めました。「…今日は山口昌男先生もいらしてますが,どちらでしょうか…。」

 ぼくの隣に座った方が,目の前の車いすのご老人を指さします。ひええ,山口先生だったんですか。驚きました。どうも話を伺っていると,吉増剛造さんとは旧知の間柄のようで,今回の展覧会の開催にもかかわっておられるようです。結局終わりまで,ぼくは山口昌男先生の背中と後頭部を見ながら鼎談を聞くことになりました。

 さてその話ですが。

 やはり,柳瀬先生がいるということで,ジョイスの話から始まりました。羽生善治が永世名人になったことに話が及ぶと,その羽生さんの天才ぶりについて,柳瀬・吉増の両氏から感嘆の声が上がります。なんでも,北海道新聞主催の大会に羽生さんが来るそうで,その機会に札幌まで呼んで文学館で何かしようという話も出ました。

 タイトルの「おとのねにおりてゆくとき」から「根の国」を連想した吉増さんが,「北海道は根の国である」と宣言。一方で,工藤先生が「柳田國男は北海道に来たが,折口信夫は青森で引き返した」ことに触れ,「別の根の国」という言葉が出されました。それに対して「確かに折口は大阪のミナミから南へ行ったんだ」と吉増さんが返し,「じゃあ」と,折口信夫の詠む歌をテープにかけてくれます(録音なんて遺っているんですねえ!)。その声は,確かに「北海道に来なかった」という前段を受けてから聞くと,そのように感じさせるものでありました。

 吉増さんは「宝」と呼んでいたのですが,お手持ちのカセットテープの録音を聞かせてくれたのが嬉しい。与謝野晶子(遺ってるんですねえ),寺山修司,アイヌのおばさん,ジョイス,エセーニン,パステルナーク。

 「耳だって修練しなきゃだめですからねえ」
 「声は記憶の重なりでできてんです」

 とは吉増さんの言葉。

 声をめぐる,詩人と翻訳家の鼎談というか雑談をそばでながめていた,そんな充実した2時間を過ごしました。

長崎ぶらぶらぶらりんこ

 家族で梅雨まっただなかの長崎空港に降り立ったのは夕刻6時過ぎ。ラゲージクレイムのガラス越しに義父を発見したアマネは
「じーじー!」と叫びながら自動ドアを駆け抜けていきました。

 車で自動車道を通り長崎市内へ。空港から長崎に入るのは何年ぶりでしょう。やたらと九州大学で学会があった年があったのですが,
そのときは福岡から「かもめ」に乗って行ったのでした。

 リンガーハットで夕食。アマネはここの餃子がお気に入りで,2皿くらいはぺろりと食べます。

 夕食後,まっすぐ妻の実家に帰宅…とはいかず,私はここで家族ともお別れ。市内の浜屋というデパート前で車から降ろしてもらいます。
なぜか。

 思案橋横丁を探索するためなのです。

 かつての長崎といえば,三大遊郭のあったという地。その丸山に行くために渡ったという思案橋。彼の地へ「いこかもどろか」
と思いめぐらせたことからその名がついたといわれる,情緒ある町です。

 その思案橋には飲み屋が建ち並んでいますが,その数軒をめぐってみようというのが,今回の私の長崎行きの1つの目的でした。
家族には無理を言ったと思っていますが,ほんとに楽しみだったのです。

 浜屋前から路面電車の線路を渡り,すぐに折れると思案橋横丁と大書された看板のまぶしい小路が。さて,どうしましょうか。

 てくてく歩くと縄のれんのかかったおでん屋さんがあります。「桃若」というんですが,横丁のなかでもとても古いお店,
太田和彦先生もご推奨の一軒です。やはり一番行ってみたかったここから始めるとしましょう。

 引き戸を開けると「いらっしゃい」とおかみさんが声をかけてくれます。入り口の右手に小上がり,正面にL字型のカウンター,
その角におでんが温まっています。カウンターにはカップルが1組とおじいさんが1人。「荷物預かりましょう」
と背中の荷物を持ってくれました。

 どこから来たんですか,おかみさんの言葉に「札幌から」と答えると,店のなかの雰囲気が一瞬変わりました。「ああそう,観光で?」
とはおでんを箸でつついていたご主人。「ええまあ」と生返事。

 まずはビールをもらいましょう。キリン,アサヒ,サッポロから選べるようですが,ここはやはりサッポロで。「どうぞ」
とご主人についでいただきました。飛行機を千歳から羽田,羽田から長崎と乗り継いできたので疲れていたのか,おいしいですねえ。

 「何にしましょう」とご主人。うーん,と悩んでいると,これとこれが沈んでいて,これがうちで手作りで,と教えてくれます。では,
その,それとそれといただきます(何を食べたのか正確には忘れてしまいました。確か,豆腐,ぎんなん,根昆布,大根,
すり身その他を食べた気が)。おでん屋に行くのはあまりないのですが,なかなかいいもんですね。梅雨の長崎,結構肌寒く,
温かいおでんがありがたい。

 ご主人とおかみさん,それに奥から息子さんが出てきて,いろいろと話しかけてくれます。
カウンターに座っていた他のお客さんも親身に話しかけてくれて,とても居心地がいい。

 「ここはどうしていらしたんですか」とご主人が尋ねるので,「その本で」と。ご主人の背にある棚に,太田先生の「居酒屋味酒覧」
のポスターが貼ってあったんですね。それを指さすと,おかみさんが「この本を読んで来られる方は,男性の1人客が多いですね」と。
「本当に有り難いことです」と嬉しそうでした。

 いつのまにかカウンターの上に枇杷の箱が置いてあり,「今年のは甘いですかね」と,おかみさんが一つくれました。

 小さいお銚子を2本空けて,他のお客さんがみな帰り,1人きりになった頃にお勘定をしていただきました。ごちそうさま,
噂にたがわぬ良いお店でした。では,次に行きましょう。

 思案橋横丁からさらに路地に入ったところにひっそりとある「こいそ」。ここも件の本に載っていたお店です。
路地に面した生け簀から店のなかの様子をのぞきますが,カウンターにはすでに先客あり,なかなかにぎやかそうです。では,入ってみましょう。

 引き戸を空けると,右手にカウンター,左手にテーブル席と,奥に小上がりがあります。カウンターには大皿が何種類も。
これは期待できそう。カウンター奥に陣取り,まずは生ビールをもらいます。

 大皿のなかに目がいきますねえ。「これは何ですか」とカウンターのなかを忙しく立ち働いていた娘さんに尋ねると,
「キビナゴの炊いたんに,これはいろんな魚の骨を揚げたもの,出すときには二度揚げします」。「あ,じゃあそれとそれ」と即決。

 キビナゴは甘辛く煮付けてあり,いい味。骨せんべいもいいですねえ。せっかくの九州,ここらで焼酎を飲みましょう。麦のお湯割りを。

 ご主人に,お母さんでしょうか,カウンターに出てきていただいて,いつの間にか長崎水害の話に。
「この辺は150㎝くらいは水が来たんですよ」と,目の高さくらいのところをご主人が指さします。

 さてそれではここらでしめにかかりましょう。しめですから,壁にかかっていた短冊で気になっていた〆鯖をいただきます。それと,
大皿のなかにあった,すじ肉のポン酢かけを小皿に盛ってもらいましょう。もう一杯お湯割りをいただいて,ごちそうさま。

 さて,ここから妻の実家に帰らねばなりません。正気を保っているあいだに,路面電車に乗り込みます。どこまで行っても100円とは,
見上げた電車ですねえ。どっかの市電には見習っていただきたいもの。西洋館の前をすぎた頃から,電車の揺れに気持ちが悪くなってきました。
酔い覚ましに,ちょっと降りて歩いていくことに。長崎大の前で降り,終点の赤迫まで雨の中歩きます。最後は義父に迎えに来ていただきました。

 長崎の夜はまだまだ奥が深そうですが,またの機会に。

 なお,次の日二日酔いで半日寝ていたことは秘密であります。

さとらんど

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 日曜はとてもいい天気でした。おにぎりをつくって,家族で「さとらんど」にピクニックに行ってきましたよ。

 アマネに「ピクニック行く?」と聞くと,「ピクに,行く!」と喜びます。どうも,行楽を「ピク」と呼ぶものだと思っている模様。

 朝10時半に到着。駐車場に車を停めて敷地内に入ると,大勢の人が集まっているのが見えます。「フリマかな」と近づくと,バーベキューをする人たちでした。

 さとらんどでは四人乗りの自転車を貸し出しているのですが,どうも人気のようで,それを借りる人たちの列ができています。アマネは「自転車,乗るー」とせがみますが,ただ待っているのは馬鹿らしいのでパス。その代わり,敷地内を走るSL型のバスに乗りました。

 このバス,1回300円(子どもは半額,幼児は無料)で乗れるのですが,途中1度だけ降りて再乗車できるようです。これはいいですね。お言葉に甘えて,さとらんど交流館という建物の前で降りました。

 中では地物の野菜販売や苗の販売,農家の方の手作りお菓子などが売られています。野菜が安い!クッキーを買って帰ってから食べましたが,これも素朴でおいしい。

 建物の外にはひょっこりひょうたん島のような形をした,山型のトランポリンのような遊具が置いてあり,子どもたちがぴょんぴょんと跳びはねています。アマネもいそいそと混じって跳びはねに行きました。自分にも経験がありますが,子どもってなんでただ跳ねるだけのことをえんえんと続けられるのでしょうかね。ああ,でも,別に普通の地面の上では跳ね続けないか。地面がフワフワしていて,自分のコントロールで制御可能な部分とそうでない(どこに飛ばされるか分からない)部分が同居するので楽しいのでしょうかね。

 SLバスで通ったときに見かけていた,誰も周りにいなくて気持ちよさそうなあずまやにて弁当を食べます。周りは畑しかないのでお客さんは誰もいませんが,水道も芝生も林もあって本当に気持ちがいい。寝転がると空が広く感じます。

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 交流館まで戻ってSLバスに再乗車。ぐるりと一周して最初に乗車した場所に到着。午後にもなると人出が増えてきたようで,バスに乗る人の列ができていました。

 敷地内にはヒツジやヤギ,ウマやウシが飼われているのですが,周りの子どもたちは雑草を摘んでめいめい動物たちに食べさせています。アマネも,ママが摘んだクローバーの束をウマの口元に持って行き,「食べて食べて,はいどーじょ」。

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 アマネは帰り際も,丘の斜面を何度も駆け下りたり,ゴロゴロと転げ下りるという単純な遊びに没頭。

 これからの季節,暑くなる前は,こうしてあちこちの公園で外遊びするつもりです。

登って漕ぐ日曜

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 札幌の街から西の方を眺めると,壁のような山がぽこぽことそびえています。山に雪でも降ればスキーができるわけで,街から近い場所にそうしたウィンタースポーツができる施設がたくさんあるのが札幌の特徴といえましょう。

 そうした施設の一つ,大倉山ジャンプ競技場は,札幌オリンピックでジャンプ競技が開催された場所だそうです。詳しくはここ

 実は札幌に長らくいながら一度も行ったことがなかったので,話のタネにと,よく晴れた日曜の朝に家族で行ってきました。

 円山動物園を通り過ぎて山道を5分ほど走ると到着。近いものです。

 山の傾斜角にそってつくられたジャンプ台。ジャンプ競技場を実際に見たのは初めてですが,迫力があります。実際にすべるとしたら,これはもう落下すると言った方がいいでしょうねえ。

 ジャンプ台の脇にリフトがあり,頂上の展望台まで行くことができます。ただ,ぼくは極度の高所恐怖症です。スキーのリフトくらいならと,実際にこの傾斜を見る前は気楽に考えていたのですが,ちょっと怖じ気づきました。しかしまあ上まで行かねば元を取ったことになるまいと決心して乗り込みました。

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 バーを握る手から血の気が失せた頃頂上に到着。さすがに見晴らしは最高でした。市内の全景が見られましたよ。

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 いったん帰宅して,途中の車内で寝たアマネが起きるのを待ってから,再び外へ。と言っても,近所を散歩する程度です。

 月寒公園という,この辺りでは大きな公園が目の前にあります。その中にはひょうたんの形をした池があり,ほとりの売店から手こぎボートを借りることができます。冬の間は売店も閉まっていたのですが,暖かくなり営業を始めたので,ものは試しにとアマネと二人で乗ることに。ちなみに,30分320円。

 オールを漕ぐのなんて何年ぶりだろう。はじめは勝手が分からず,なかなか船着き場から離れることができません。ようやく要領をつかんで,池の奥まで漕ぎ出します。

 向かいに座っていたアマネはガマンができなくなったようで,「ぼくもー!」と隣に座ってオールをつかみます,が,漕げるはずもなし。ぼくの持つ片側だけ漕ぐので,同じ場所をくるくると旋回するだけです。

 アマネにはおとなしく座っていてもらうことにして,ぐるりと池を一周しながら,カモをからかったりしてあっという間に30分。

 帰りがけに公園そばの饅頭屋で大福をおみやげに買って帰りました。

ラグーン

 昨日は家族で定山渓に行ってきました。

 お目当ては,定山渓ビューホテルの温水プール,ラグーン。こちらの深夜テレビを見ていると「♪らぐーんらぐーん」
という歌とともにちょっと小太りの男の子がボディボードに乗って波乗りをしているCMがよく流れています。あれです。

「プール行く?」とアマネに聞くと,「ぼくも行くー」と胸に人差し指をたててニコニコ。「行こう,行こう」と早くからソワソワ。

 真駒内を抜けて車で40分ほどでホテルに到着。近いもんです。

 大宴会場が休憩所になっていまして,そこに荷物を置いて館内用スリッパにはきかえ,階下のプールへ出発。

 日曜でしたが人出はさほどではありませんでした。やはり家族連れが多いようです。

 アマネは両方の腕にウレタンの浮き輪をつけて,犬かきで泳ぎます。「こわいこわい」「待ってー」と,久々の水が怖いのか,
あまり楽しそうではありません。

 水深の深いプールで,試しに「うひゃー」と言いながら頭までつかりおぼれたふりをすると,彼は「あがるあがる」とビビリまくり。

 滑り台を何回か滑った後,昼近くなったので早々に上がりました。

 ここは温泉もあるので(というか,温泉ホテルなのだからそちらが先なのですが)体を十分に温めてからあがることができます。
露天風呂につかりながら川をながめているとようやく春が来たなあと実感。

 アマネは帰りの車の中ですーっと寝てしまいました。

 来週は北の方にあるプールに出没の予定。