卒論打ち上げ

 1月に発表会が終わり、卒論生はもはや卒業式を待つだけのご身分となった。誠にうらやましい限りである。

 そういう人々に「真正のおっさんの飲み方」を教えるべく、打ち上げに行く。

 場所は、札幌駅南口ホテルグレイスリーの地下にあるおでん屋「かつや」。一度は行ってみたいと思っていた店である。

 3人で入店すると、口開け間もない店にはテーブルに1組、カウンターに1組とまばら。おでんの浮かぶ舟の真ん前に座ることができた。

 まずはビールで乾杯。その後は好きなタネを好きなだけ食べてもらう。自分は、タチに豆腐にフキ。タチとフキはまず北海道ならではのものだろう。ダシは薄味。カラシが強烈につんと来る。

 3人でむさぼるように食べる。2皿目、3皿目と平らげる。飲むというより、食う方が先である。

 練り物、種物も食べなければと、ロールキャベツにがんもを頼む。ロールキャベツはキャベツがメインで上品なつくり。

 酒はおかみさんがパックから片口に注ぎかえ、それを急須(?)に注いでガスで焼き燗をつける。ガスで焼かれた急須(?)の肌をおかみさんが直接触れて中の温かさを確かめていた。

 学生2人はシメでご飯も食べた。味噌汁、漬け物、明太子、黒豆がつく。うまそうだったが、酒飲みのメンツにかけて酒を飲んで我慢する。

 1人は法人に就職、もう1人は東大の院に進む。それぞれがんばって欲しい。

ごーやちゃんぷる

 いろいろあって、大学を出るのが遅くなった。

 地下鉄南北線の平岸で降りて、てくてくと住宅街のなかをあるくと、電光掲示板にあかあかと「沖縄料理」と出てくる。「ごーやちゃんぷる」である。

 おばあがやっている沖縄料理居酒屋。2~3カ月に1度くらい顔を出す。

 たまに顔を出すといつもカラオケの宴会をしているのでそこに混じって大騒ぎをしているうちに深夜過ぎて次の日は午前中使い物にならなかったりする。そんなところである。

 今日は新人2名がカウンターでまじめな話をしている脇で、他に常連さんがめずらしくいないのでおばあとゆっくりと話す。

 ビール、泡盛。お総菜、おでん、手羽先、「すば」。「これあけちゃって」と泡盛のボトル1本出してくれる。

「さーたーあんだーぎー」の話になって、「おばあのは食べたことがない」と言うと、「じゃ、作ってあげる」。

 卵と小麦粉を混ぜてぱぱぱっと作ってくれた。むっちゃくちゃうまい。本当にうまい。

「これ食べたらほかのは食べられないさー」とおばあが誇らしげである。

池袋にて

 正月4日から茗荷谷でミニ学会があり、それに参加するために3日から東京入り。せっかくなのでいつもの酒友S氏と連絡を取り合い、池袋で飲むことと相成る。

「いけふくろう」で待ち合わせ、とことこと西口へ。駅を出てすぐの小道を入ると、「ふくろ」がある。S氏も「ずっと入りたかったんですけど」という雰囲気ある店。

 がらりと戸を開けるとウナギの寝床のような店内をカウンターが占領する。夕方4時に入ったのだがすでに1階は満席。2階に通されると、そこにも下の階と同じようなカウンターが。こちらはすいていたので、カウンターの長い辺に座る。しかし飲み始めて1時間もするとここもあっという間にいっぱいになった。

 人気の理由は料理の安さだろう。天ぷら、フライのたぐいも1品400円程度。一番高いものでも1000円は絶対に超えない。本日のおすすめとあった、馬刺し、かずのこを頼む。それと、らっきょ、煮込み豆腐、タン炒めも。

 まずはビールを。カウンターの中を忙しく走り回るお姉さんにお酌をしてもらう。おっさん二人はにやけながら。「いやあありがとうございます」「もうこれで今年の運を使い果たしちゃったんじゃないですか」「ははは」

 速やかに次の酒に。S氏は日本酒、私は焼酎を。ホッピー、炭酸をもらって割って飲む。この焼酎が緑色をした1合瓶に入ったもので、ラベルも何もない。瓶を使い回して店の方で注ぎ分けて置いておくのではないか。中身は正しい甲類焼酎である。

 結局この瓶を一人で2本あけたのだが、しまいには床に落ちた箸を拾おうとしてイスから転げ落ちてしまった。飲み過ぎである。

 さんざん飲んで、二人で5500円程度。強烈な安さである。

 2軒目は、店員も客も中国の方しかいない中華料理屋。ここは餃子のたぐいが強烈に安く、焼き餃子5個で150円、水餃子5個で100円だった。二人で紹興酒を1本空ける。

 3軒目はタイ料理屋。ナマズの炒めたのを食べたら辛くて死にそうになった。タイのチャーハンが大変おいしく感じられる。もうこの辺になると水がほしくなってくる。

 4軒目も、中国の方の姿しかない中華料理屋。ここで青島ビールを飲みながら政治談義になる。二人で飲むと必ずなんかのきっかけで「あんたの言ってることは」「いやそんなあんたこそ」と喧嘩になる。気がつくと店には私たちのほか誰もいなかった。

 そそくさとJRの駅に戻り、解散した池袋の夜であった。

一晩三軒

 ひとつ所に腰を落ち着けて飲むというのがなかなかできない。1時間ほどで席を立って、次の店へ行く。はしご酒である。

 夕方過ぎから飲み始めたとして、午前様にならずに帰れて二日酔いもしない限界は、だいたい3軒。最初の店で下地を作り、次でうまい酒と料理を楽しみ、最後に訳のわからない店で遊ぶというのが最近のコースである。

 先日は東京からS氏がおいでになったので、2日続けて迎え撃った。

 初日は狸小路界隈にて。最初に行ったのは「炭おやじ」。近況報告で1時間ほど。S氏は北海道のホッケ開きに目がなく、おいしそうにたいらげた。次に訪れたのは、狸小路の外れも外れにある「徳丸」。おでんと日本酒でくだらない話をする。接客する店員さんは外国の方なので、建物の雰囲気(民家を改造した古めかしい造りである)とのギャップがおもしろい。最後は趣向をがらりと変えて、シンガポールの屋台の雰囲気が味わえるという「KOPTIUM」。まわりは若い人ばかり。なんとかゴレンというのがむちゃくちゃ辛くて水をがぶがぶ飲みながら食べた。

 二日目。わたしのホームグラウンド、平岸までお出まし願う。まずはここからと、おなじみ「かみがしま」へ。ばかすか飲みまくり、食いまくり、結局2時間半ほど腰を落ち着けてしまった。会計は5千円ほど。大の大人二人でこの値段はやはり安い。次は、平岸駅前の長屋の一角にあるジンギスカン屋。ここは以前、飲み屋で知り合った女性に連れられて来たことがある、常連しか入らないような所。S氏いわく、新宿ゴールデン街にある飲み屋の風情だそうだ。最後は、平岸駅から中の島方面へ少し歩いたところにある居酒屋「高雄」。落ち着いてうまいものを食べる。だいぶ酒が回ってきて、10時過ぎだと言うにもう退散。

 次の日、S氏は「帰りたくない」と言いながら飛行機に乗って行ってしまった。

 そんなこんなで飲むのはしばらくいいかなと思っていたが、ちょっと仕事上いろいろあったので、つい先日Hくんを誘ってすすきのへ。

 一軒目は「金富士」。ビール、酒、やきとり、卵焼き、ポテサラ、湯豆腐。よしなしごとを話す。さてどうしようかと二軒目に選んだのは、「あんぽん」。かの太田先生ご推薦のお店である。狭い階段を登っていったさきの扉を開くと、コの字型のカウンターには先客が一人。ここに来たら牡蠣である。生と焼いたのを1つずつ。それにホヤ塩辛。これをアテに、酒をひたすら。難しい話を始める。

 さて最後の店であるが、どうせならと思い、清水の舞台から飛び降りる気持ちで行ってみることにした。バー「やまざき」。日本全国の酒飲みで知らない者はないという激烈な有名店である。マスターはすでに喜寿を越えておられるはずだが、まだ店に立っている。そのマスターはたぶん8時過ぎには店に来ているはず。ドキドキと自動ドアを開けてカウンターに。マスターのご尊顔を拝見。座った両隣のお客さんがシルエットを切ってもらっていた。

 ジンリッキーにモスコミュール。モスコミュールは、小さなビアマグに入って出てきた。新宿の「ドンキホーテ」と同じスタイル(向こうのマスターがこちらのマスターのお弟子さんなのだから当たり前かもしれないが)。聞いたらジンジャービアでも作れるみたいなので、次来るときはそれでお願いしよう。

 こうやって少しずつ店の幅を広げていくのも楽しいものである。

静岡居酒屋紀行その4

 学会最終日。ゆうべ一緒に飲んだグループによるシンポが午前中にあったので出席。

 学校教育での「体験」をどうデザインするか。ぼさっと聞いていたら、司会者のOさんに指名されたのでコメントする。教育のプロセスのなかで起こる「ズレ」が学習を促進するのだとして、ズレたまま活動を維持するためにはどんな仕組みが必要なのかという問いかけ。学校ならば目立たないが、高等教育や生涯学習の場だと目立つことで、ズレが嫌になってその場から離脱する、という事態も起こりうる(退学とか)。ズレに積極的な価値を見いだすようにしむける何かが必要。それは何だ?

 午後、ベライター&スカーダマリアでおなじみのスカーダマリア先生の講演会に出席。学びのコミュニティが創発する過程が、ネットワーク分析で浮かび上がってくるというプレゼンはとても面白かった。ただ、総じて「付属校研究」(ぼくの造語で、付属校の子どものように『できる子ども』を対象としてはじめて可能な研究のこと)であるようにも思った。多様性を抱えつつ可能な実践なのだろうか。そうだとしたら、それを可能にした教師の力こそ分析しなければならないのでは?

 途中で抜け出して、ポスター発表へ。Iさん、Tさんにご挨拶。

 学会が3時に終わった。M先生たちグループと合流し、タクシーで静岡駅に。駅接続の食堂街にある銀座ライオンで打ち上げ。

 他の院生さんなどはこれで帰宅するというので、M先生と2軒目へ。昨日、「鹿島屋」に行く途中のアーケード街にあって、提灯型のネオンが気になっていた「大村バー」へ。

 バーと名前がついているが、普通の大衆居酒屋である。これが大当たり。入り口そばにしつらえられた、焼き台を囲むようなカウンター、その奥に小上がりがあり、さらにその奥にもうひとつカウンターがある。盛況ぶりを物語るというもの。さらにその奥にはなんと室内にもかかわらず池があって、鯉と金魚が泳いでいる。

 酒をもらう。冷やしトマト、柳川など。よしなしごとを話す。

 店の方に話を伺うと創業90年になるそうだ。この店がトップに載っている静岡の居酒屋ガイドブックを見せてもらう。そこに若かりし頃の姿が映っている、齢80を越えたという店主のお母さんが焼き場に今も立つ。トウキビを焼いてくれた。

 次の店は、そのガイドブックに載っていたよさげな店。伝馬町の「大作」へ。

 写真を見て生シラスがうまそうだなと適当に選んだ店だが、ここも大当たり。時季外れなのかもしれないが、生シラスがあったので頼む。うまい。カウンター前の大皿には里芋の小さいのをゆでたやつ。これもうまい。ミョウガ酢味噌。うまい。合わせる酒は地元「初亀」。

 静岡の居酒屋は奥が深い。まだまだすばらしい店がありそう。

静岡居酒屋紀行その3

 学会2日目。午前中に正式に出番のあるシンポがあったので、出席。

 プロの音楽家である石川さんとともに幼児に対しておこなわれたワークショップを振り返るという企画。東大の丸山先生が企画され、早稲田の宮崎先生とともに石川さんから何かを引き出そうとした。ライブ感のあるセッションとなった。

 指定討論ということで引き出し役に回ったのだが、考えてきたことがほとんど使えず、その場で思いついたしょぼいコメントでお茶を濁す。難しいもの。

 シンポの流れで静岡駅まで行き、関係者の皆さんとともに韓国料理屋で食事。

 どうもくたびれていたらしく、そのままホテルへ戻って夕方まで眠る。

 夕方起き出して、M先生に誘われていた飲み会へ。横国大のA先生たちグループが集まる。

 上石町の「鹿島屋」。超有名店である。

 青葉交番から少し離れたところにあるアーケードの並びに店はある。その前で立って待っていると、今回幹事をお勤めのFさんが。Oさん、Mさんもぞろぞろと。「どうもどうも」と言いながら店に入ると3階に通される。

 結局総勢20名弱が集まる。並べられた卓をぐるりと囲み、乾杯。お通しは海つぼ。バイ貝のことだろうとみなで言い合う。分厚いカツオの刺身、桜エビかきあげ、黒はんぺんの焼いたヤツ、ぎんなん焼き、そば。その他にもいろいろ出てきたような気がするが、覚えていない。

 静岡の酒をがぶがぶと。「正雪」が口当たりよく、甘すぎず、くどすぎず、よかった。

 よしなしごとを話しているうちに解散。

 M先生、Aさん、それにKくんを合流させて引き続き飲みに。おでんとモツを食べるべく、目についた「忠太」に入る。

 L字型のカウンターのみの店。おでん、モツ煮に、海つぼ、まぐろすき身など。よしなしごとを話す。

静岡居酒屋紀行その2

 一夜明けて学会が始まる。会場となる静岡大学は静岡駅からだいぶ離れており、バスかタクシーでなければ宿からたどり着けない。

 早めに会場入りして、旧知の先生方にご挨拶。

 午前中はOさんたちのシンポに参加。ただいま自分が教室の談話分析をしているので大変参考になる。何に適応するか、そうすると「同時に」何に適応できなくなるのか。もしかすると子どもたちは適応すべき「何か」を自分たちで創り出しているのではないか。そんな感想を持ちながら話をうかがった。

 午後はポスターをちらちら観ながら次の日の出番のための準備。と、突然電話がある。M先生から。今日これからのシンポに指定討論として代打で出て欲しいとのこと。なんじゃそら。幸い、コメントできない内容でもないのでお引き受けする。

 バフチン理論の教育心理学への応用について。提供された話題にふむふむとうなづきながら内心気が気ではない。前の席に座っていたKくん(彼も代打)がPCに個別の話題提供者へのコメントを書いているのが見えたので、全体に対して、どうとでも答えられそうなコメントを準備する。

 シンポの流れでそのまま打ち上げ。昭和町の交差点から少し入った大衆酒場(名前失念)。1つのテーブルを10人で囲む。黒はんぺん、しらすおろし、串焼き盛り合わせ。品書きの短冊がカウンター上の壁にずらりと並ぶ、正統的な大衆酒場。

 この店を出たらおでんで有名な青葉横町へ行こうとM先生と事前に話していたのだが、大衆酒場を出たときにはすでにどこかに行ってしまったあとだった。仕方なく一人で青葉横町をのぞく。端の店に見知った顔があった。大学院の先輩のNさんである。せっかくだからいっしょに飲もうと店に入ってみる。と、その顔の奥にもう一つ見知った顔が。M先生だった。なんじゃそら。

 おでん「和子」。8人も入ればいっぱいになるような、カウンターのみの店。青葉横丁にはこうした店がずらりと入っているらしい。ここで初めて静岡おでんを食べる。牛すじからだしを取るのでくどいかと思ったがそうでもない。

 おでんをつつきながら衝撃の事実を知る。

静岡居酒屋紀行その1

 教育心理学会で静岡大学へ。静岡市内に投宿し、昼間は学会で、夜は居酒屋で情報交換という日々が続いた。

 初日、宿に荷物を置いて駅北口の繁華街へ。飲み屋の多い紺屋町、両替町から昭和通りをはさんだ常磐町はしずかな街並み。落ち着いた飲み屋が何軒かある。その中から、モツを食べようと目についた「ナカミヤ」へ。

 カウンターとテーブルが数卓の小さな店。ご夫婦二人で切り盛りされているようだ。カウンターに男性が2人。その間に座る。ホッピーがあったのでまずはそれを。

 モツ煮込みをお願いするが、いろいろな味があるとのこと。たとえばタンはカレー味、すじはクリームソースで、といった感じ。これは面白い。けど、オーソドックスなモツミックス塩味をお願いする。それに、センマイ刺し、ポテサラ。センマイはあると食べてしまう好物。「ガツシン刺し」なるものがあったので聞くと、胃袋の真ん中の部分だそうだ。それもお願いする。ナカをお代わりしてちょうど食べきった。

 耳の調子が悪く、噛むごとにその音が直接耳に響く。今日はおとなしくしておこうと、ホテルへ戻る。その途中の辻に建つ瀟洒な造りの店が。「こでまり」という。その雰囲気に誘われて引き戸を開けると、斜めにつけられたカウンターに、ご高齢のお客さんがずらりと座る。カウンター奥には妙齢の女性。つい、入り口で固まってしまう。

 恐縮しながらカウンターの隅に座らせていただき、ビール、しらすおろし、枝豆、はんぺんに桜エビをまぶしたものをいただく。

 隣に座る一団に、近くのスナックのママが合流し、カラオケで盛り上がってきた。そのママが歌う美空ひばりがむちゃくちゃうまくて感動する。

ただいま足寄

 明日、陸別に行くために、今晩は足寄に一泊。

 足寄といえば松山千春くらいしか思い及ばない者であるが、いろいろと名物はあるようである。

 町中に投宿。その近くの「鳥せい」へ。生ビール2杯に漬け物、鶏半身焼きを。

 その間に地元の方が焼き鳥を持っていった。長年愛されているのだろう。

 次の店は「そこぢから」。マスターと話したところでは、まだオープンして2週間たっていないのだそうな。道理で表に花が出ていた。マスターは地元足寄出身で、札幌、東京で修行して、本別で店を出した後、足寄に戻ってきたのだそうだ。

 塩から、刺し盛り、串揚げ、ホヤ刺しを食べる。どれも標準はクリアしているだろう。地元にしっかりと根付いていただきたい。

生姜の夜

 研究の打ち合わせで、ただいま東京。

 ゆうべは寝所のそばでひとり飲み。新宿5丁目のあたり。

 1軒目でビールをしこたま、それに谷中生姜、鳥レバ煮、そら豆。谷中生姜は札幌ではなかなかお目にかかれないもの。味噌つけて食べるのがとてもよろしい。

 2軒目、ドンキホーテへ。先客の女性と話し込んでいたマスターにご挨拶。おみやげ、空港で買った「生クッキー」。売店のおばちゃんによれば、「去年は生キャラメル、今年は生クッキーがクる」らしい。

 黙っていても最初に出てくるのがジンリッキー。この時期だからこそ、爽やかでうまい。ついつい2杯目をおかわり。

 若い男性2人組が隣に座る。大泉学園でお店をしていて、その記念の会にマスターが参加されたのでお礼に来られたらしい。若いのに三橋三智也にやたら詳しい。

 すぐ隣に座っていた男性がモスコミュールを注文。「あんたもどう?」とマスター。いただきます。

 銅のビアマグのようなものに入って出てきた。ひとくち。なんだ?いままでに味わったことのないほど清冽な生姜の香り。強烈にうまい。「これで作るの」と見せてくれた小瓶はジンジャービア。ジンジャーエールではないようだ。「なかなか日本では売ってなくてね」とのこと。

 新しいお客さんが入ってきたので席を空けるために店を出た。今回もまた楽しい時間を過ごさせてもらった。

 そういえば、やたら生姜に縁がある夜だった。