池袋にて

 正月4日から茗荷谷でミニ学会があり、それに参加するために3日から東京入り。せっかくなのでいつもの酒友S氏と連絡を取り合い、池袋で飲むことと相成る。

「いけふくろう」で待ち合わせ、とことこと西口へ。駅を出てすぐの小道を入ると、「ふくろ」がある。S氏も「ずっと入りたかったんですけど」という雰囲気ある店。

 がらりと戸を開けるとウナギの寝床のような店内をカウンターが占領する。夕方4時に入ったのだがすでに1階は満席。2階に通されると、そこにも下の階と同じようなカウンターが。こちらはすいていたので、カウンターの長い辺に座る。しかし飲み始めて1時間もするとここもあっという間にいっぱいになった。

 人気の理由は料理の安さだろう。天ぷら、フライのたぐいも1品400円程度。一番高いものでも1000円は絶対に超えない。本日のおすすめとあった、馬刺し、かずのこを頼む。それと、らっきょ、煮込み豆腐、タン炒めも。

 まずはビールを。カウンターの中を忙しく走り回るお姉さんにお酌をしてもらう。おっさん二人はにやけながら。「いやあありがとうございます」「もうこれで今年の運を使い果たしちゃったんじゃないですか」「ははは」

 速やかに次の酒に。S氏は日本酒、私は焼酎を。ホッピー、炭酸をもらって割って飲む。この焼酎が緑色をした1合瓶に入ったもので、ラベルも何もない。瓶を使い回して店の方で注ぎ分けて置いておくのではないか。中身は正しい甲類焼酎である。

 結局この瓶を一人で2本あけたのだが、しまいには床に落ちた箸を拾おうとしてイスから転げ落ちてしまった。飲み過ぎである。

 さんざん飲んで、二人で5500円程度。強烈な安さである。

 2軒目は、店員も客も中国の方しかいない中華料理屋。ここは餃子のたぐいが強烈に安く、焼き餃子5個で150円、水餃子5個で100円だった。二人で紹興酒を1本空ける。

 3軒目はタイ料理屋。ナマズの炒めたのを食べたら辛くて死にそうになった。タイのチャーハンが大変おいしく感じられる。もうこの辺になると水がほしくなってくる。

 4軒目も、中国の方の姿しかない中華料理屋。ここで青島ビールを飲みながら政治談義になる。二人で飲むと必ずなんかのきっかけで「あんたの言ってることは」「いやそんなあんたこそ」と喧嘩になる。気がつくと店には私たちのほか誰もいなかった。

 そそくさとJRの駅に戻り、解散した池袋の夜であった。

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