静岡居酒屋紀行その4

 学会最終日。ゆうべ一緒に飲んだグループによるシンポが午前中にあったので出席。

 学校教育での「体験」をどうデザインするか。ぼさっと聞いていたら、司会者のOさんに指名されたのでコメントする。教育のプロセスのなかで起こる「ズレ」が学習を促進するのだとして、ズレたまま活動を維持するためにはどんな仕組みが必要なのかという問いかけ。学校ならば目立たないが、高等教育や生涯学習の場だと目立つことで、ズレが嫌になってその場から離脱する、という事態も起こりうる(退学とか)。ズレに積極的な価値を見いだすようにしむける何かが必要。それは何だ?

 午後、ベライター&スカーダマリアでおなじみのスカーダマリア先生の講演会に出席。学びのコミュニティが創発する過程が、ネットワーク分析で浮かび上がってくるというプレゼンはとても面白かった。ただ、総じて「付属校研究」(ぼくの造語で、付属校の子どものように『できる子ども』を対象としてはじめて可能な研究のこと)であるようにも思った。多様性を抱えつつ可能な実践なのだろうか。そうだとしたら、それを可能にした教師の力こそ分析しなければならないのでは?

 途中で抜け出して、ポスター発表へ。Iさん、Tさんにご挨拶。

 学会が3時に終わった。M先生たちグループと合流し、タクシーで静岡駅に。駅接続の食堂街にある銀座ライオンで打ち上げ。

 他の院生さんなどはこれで帰宅するというので、M先生と2軒目へ。昨日、「鹿島屋」に行く途中のアーケード街にあって、提灯型のネオンが気になっていた「大村バー」へ。

 バーと名前がついているが、普通の大衆居酒屋である。これが大当たり。入り口そばにしつらえられた、焼き台を囲むようなカウンター、その奥に小上がりがあり、さらにその奥にもうひとつカウンターがある。盛況ぶりを物語るというもの。さらにその奥にはなんと室内にもかかわらず池があって、鯉と金魚が泳いでいる。

 酒をもらう。冷やしトマト、柳川など。よしなしごとを話す。

 店の方に話を伺うと創業90年になるそうだ。この店がトップに載っている静岡の居酒屋ガイドブックを見せてもらう。そこに若かりし頃の姿が映っている、齢80を越えたという店主のお母さんが焼き場に今も立つ。トウキビを焼いてくれた。

 次の店は、そのガイドブックに載っていたよさげな店。伝馬町の「大作」へ。

 写真を見て生シラスがうまそうだなと適当に選んだ店だが、ここも大当たり。時季外れなのかもしれないが、生シラスがあったので頼む。うまい。カウンター前の大皿には里芋の小さいのをゆでたやつ。これもうまい。ミョウガ酢味噌。うまい。合わせる酒は地元「初亀」。

 静岡の居酒屋は奥が深い。まだまだすばらしい店がありそう。

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