2017年をふりかえる

2017年もあと残りわずかである。

ブログに記事をアップすることもほとんどなく、過ぎ去ってしまった。

もちろん、何もしていなかったわけではなく、本業はきちんとこなしていたつもりである。

今年1年ずっと肩にのしかかっていたのは、本の原稿であった。とある出版社より、入門書の執筆のご依頼を受け、それをしこしこと書き続けていたのである。

昨年の5月に計画がスタートし、その後私の筆がさまざまな理由で遅々として進まず、今年1月になってようやく軌道に乗り始めた。

ほぼ1ヶ月で1章(8~10ページ)のペースで脱稿し、先日ようやく全14章書き終えた(それでも当初は全15章の予定だったのを、力不足で1章削ったのである)。

というわけで、今年の重大事件は執筆完了という話であるのだが、それでは面白くないので今年1年で印象深かった出来事を7つ挙げてみる。

7位 平取町の方々と仲良くなる
 大学の国際交流イベントの関連でここ数年平取町のアイヌの方々と交流を続けている。今年は同僚の先生といっしょにプライベートでも訪れていろいろとお話をさせていただいた。

6位 アマネ歯を抜く
 夏休みに入ってすぐ、公園で遊んでいたアマネが遊具に顔をぶつけ、上の前歯を歯茎に陥没させるという事件が起きた。ひどく陥没していたため、けっきょくそれらの歯を抜いて、もういちど埋め直すという手術をした。結構な大騒動であった。

5位 ゼミ始まる
 言語発達論なる海のものとも山のものともつかぬゼミを始めてみて、ぼちぼちと人は来ている。特に後期は、ヴィゴツキー『思考と言語』を読むよ、そうとう難しいよ、と言っておいたにもかかわらず、6人の2年生が来た。古典を読むのは若いうちがよい。

4位 海外出張続く
 大学の国際交流イベントの関連で、今年の9月にタイのチュラロンコン大学とロシアのサハリン国立大学を立て続けに訪問した。なかば学生の引率のような形であったのだが、ノルマがさほど大きくない出張だったので、それぞれの地の事情や大学の様子を拝見できてとても意義深い出張だった。

3位 とある小学校での調査続く
 国内のとある小学校での調査を継続的に行っている。今年は3回の調査を実施し、特にそのうち1回は、子どもたちが合宿に行くのについていった。ビデオカメラをもってシャドウイングするのは久々だったので要領を思い出すのに苦労した。

2位 東京での監禁続く
 共同研究者の先生からのお誘いで、このところしばしば東京にてデータ討議や執筆のための缶詰になる。それを「監禁」と呼ぶ。監禁の後は飲み屋に繰り出すのだが、おかげで銀座のお店に詳しくなった。

1位 いろいろ書く
 というわけで、自分としては1冊の本を書き上げたというのが一番大きかった。

来年はぼちぼちアカデミックな場所に赴いてアウトプットをしていく予定である。

【イベント】「「同年齢」保育・教育をちょっと疑ってみる:異年齢保育・教育&多世代交流の可能性」に参加します

神戸大学の赤木和重先生が主催される研究会「「同年齢」保育・教育をちょっと疑ってみる:異年齢保育・教育&多世代交流の可能性」に発表者として参加します。お近くの方はどうぞお立ち寄りください。

以下の案内は神戸大学内のサイト(http://www.h.kobe-u.ac.jp/ja/node/4817)からの引用です。

日時 2017年10月13日(金)18:00~20:30
(終了後,引き続き懇親会を行います)

場所 鶴甲第2キャンパス 大会議室(A棟2階)

企画趣旨 なぜ,私たちは「同じ年齢で遊ぶ・学ぶ」ことを当然のように考えてしまうのでしょうか?それは,思いこみかもしれません。そして,その思いこみが,教育の幅を狭めている可能性があります。そこで,今回は,限りなくユニークな発達心理学研究者お二人をお迎えして,異年齢保育・教育の可能性を探るとともに,異年齢だからこそ見えてくる「発達」「インクルーシブ」概念を一緒に検討します。

内容
 川田 学さん(北海道大学)「異年齢・多世代の実践から発達を考える」
 伊藤 崇さん(北海道大学)「児童期の発達と異年齢教育」

参加費,事前予約 参加費不要,事前予約は不要です。当日,ふらふらっとお越しください。
(※懇親会費については,別途,頂戴いたします)

お問い合わせ
 赤木 和重(人間発達専攻 こころ系講座)まで
 akagi@pearl.kobe-u.ac.jp

「おかしな問題」

5枚入りのデュエマのパックを8パック買いました。全部でだいたいいくらでしょう。

川床(2007)を読んでいて,上のような問題を思いついた。これ,うちの息子は解けるだろう。「ここで買えばいくらだけど,あそこで買えばいくらになる」といった,問題の文脈を自分で作り出すこともできるだろう。

6kgの小学生が8人います。全部で何kgですか。

これは非現実的な問題として挙げられている。確かにそうなのだが,これは「6kgの小学生がいたとして」「1kgは私たちの世界での4kgだとして」と仮定した上で問題をとく行為と捉えるならどうだろう。


川床靖子 (2007). 学習のエスノグラフィー:タンザニア,ネパール,日本の仕事場と学校をフィールドワークする 春秋社

【告知】Japan All Stars国際ワークショップ2017 「日本におけるパフォーマンス心理学の未来」

掲題のワークショップが,本年8月16日から18日にかけて東京にて開催されます。

不肖私も招聘委員の末席を汚しております。どうぞふるってご参加ください。

告知サイト

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研究室サイトを作成しています

昨年から独立したゼミをかまえはじめ,この4月から研究生が入るのと,後期からは正式なゼミ生が加わるので,研究室サイトを立ち上げてみました。

言語発達論研究室 北海道大学大学院教育学研究院

立ち上げてはみたものの,追記すべきことは山ほどあり,それをする時間はなし。悪いクセで,サイトをいじり始めると止まらなくなるので,ここらでいったん作業をペンディングにします。

いじっている間に,こちらのHere Comes Everybodyの方の管理をMovable TypeからWordpressに移行させたいという欲求もむらむらと出てきたり。ただでさえ滞っている原稿書きがさらに遅くなるのでさすがにそこまでは無理。移行作業は来年の春ぐらいには手がつけられるかも。誰か昼ご飯3食分くらいで移行作業を手伝ってくれる人はいないものでしょうか。

顔から汗が噴き出る

他の人の本に誤植が多いなどと文句をつけているヒマがあったら自分の書いた本を見直せとおしかりを受けそうだ。

先日出版された「発達心理学・再入門」の自分の担当章に誤訳があった。それも相当影響が大きな部分。人名である。

私が担当したのは,Peter Eimasらによる,乳児の音声弁別研究に関する章である。

私はEimasの名を「エイマス」と日本語に置き換えた。

これは,なんとなく「エイマス」という表記をどこかで見た記憶があったためで,疑うことなくそのまま文字にした。

出版された後から,ある人から「“アイマス”じゃないの?」とご指摘があり,驚いて調べてみると,「アイマス」と表記する文献を見つけた。

すでにそのような表記が定着している以上,私の訳は混乱をもたらすだけである。なんらかの対応をとらねばなるまい。

外国人名については悩ましく,正直に申し上げれば,自分の担当章にあらわれる人名のうち,表記に自信のないものがいくつかある。これらももう一度確認する必要があるかもしれない。

ギョオテとは俺のことかとなんとやらとは言うものの,人に売るものがそんな調子ではよろしくない。

そういうわけで,ご購入された方には,心よりお詫び申し上げます。言うまでもなく,私が担当する箇所の誤りの責はすべて私にあります。

「心理測定尺度集まとめ」をまとめなおした

おそらくは当サイトでもっともよく閲覧されているであろう,「心理測定尺度集Ⅰ~Ⅵ」所収尺度まとめについて,3日間かけて手を入れました。

「心理測定尺度集Ⅰ~Ⅵ」所収尺度まとめ【完全版】

「心理測定尺度集Ⅰ~Ⅵ」所収尺度まとめ【ほぼ完全版】

「ほぼ」があるのとないのと何が違うのかというと,ない方(つまり,完全版)は件の6冊で「言及されているすべての尺度」を網羅しているのに対して,ある方は6冊の目次に掲載された尺度に限定しているという点です。要は,完全版の方がリストは長いのです。

当初は私の担当する実習を履修する学生用に作っておいたものですが,試しに公開したところ思いもかけず好評のようで,社会心理学会の広報委員会のページからリンクまで張っていただきました。どうもありがとうございます。

尺度名から大元の論文にまで簡単にたどれるようにCiNiiやJ-Stageなどにリンクをはっておいたところがミソなのですが,リンクの張り方が悪く,相当な量のリンク切れが放置されたままになっていました。

たまたま,こういう出来事もあり,困っている人も多かろう(これから卒論検討シーズンでもあるし)ということで,えいやっと直しました。

それにしても,「心理測定尺度集」には誤植というか,リファレンスの誤りが多くて困りました。編者の先生方におかれましては,重版の折に総チェックをかけていただければ幸いです。

今年は学会に行かないことにした

今年頭にTwitterとFacebookをやめてしまった。困るかと思ったら,少なくとも私はまったく困っていない。むしろ余計な情報が目に飛び込んでこないので精神的に穏やかだ。

ブログはまだ細々とではあるものの続けていこうと思う。生存証明のようなものだ。

4月になり,息子が小6,娘が幼稚園の年中組になった。私は勤続15年目に入る。

今年から「言語発達論」というタイトルを掲げて講義を始める。もちろん講義や演習はずっとしていたが,専門領域について半期通して話すのは実は15年目にして初めてなのである。講義の資料にもなる本をずっと執筆している。ゆっくりとではあるが,進んでいる。

本と言えば,翻訳を1冊仕上げなければならず,こちらは夏までには草稿をつくる。最初は1人でやろうと思っていたが,時間的に無理だと判断して,もう1人に入ってもらうことにした。適任の方なのでこれでぐっと進むはずである。

新しい本の企画も動き始めた。これも単著で,タイトルと概要は編集委員の先生にお送りしたからそのうち何か案内が出るのではと思う。

というわけで今年はずっと何かを書く1年になる。私はとにかく遅筆であるので,いきおい,もう余計な用事を入れずに集中する必要がある。そこでタイトルにあるように今年は学会に行かないことにした。学会以外の出張はじわじわと入っており,そちらに注力するためである。

【新刊】発達心理学・再入門:ブレークスルーを生んだ14の研究

監訳と1つの章の翻訳を手がけた本が出ました。

アラン・M・スレーター、ポール・C・クイン(編)加藤弘通・川田学・伊藤崇(監訳) (2017). 発達心理学・再入門:ブレークスルーを生んだ14の研究 新曜社

出版社の紹介ページ

上記サイトより,目次を掲載してみます。古典と呼びうる研究や著名な研究者が並んでいるのが分かると思います。お手に取っていただき,これを機会に原著にチャレンジするのもよいでしょう。

1 アタッチメントと早期の社会的剥奪:ハーロウのサルの研究再訪
2 条件づけられた情動反応:ワトソンとレイナーの「アルバート坊や実験」を越えて
3 崖っぷちの乳児:視覚的断崖を超えて
4 ピアジェ再訪:子どもの問題解決能力の研究からの一展望
5 乳児期における模倣:メルツォフとムーア(1977)の研究再訪
6 乳児期における対象の永続性:ベイラージョンの跳ね橋実験再訪
7 子どもの目撃記憶と被暗示性:セシとブルックのレビュー(1993)再訪
8 IQはどれほど上げることができるのか?:ジェンセン(1969)の問いと答えへの最新の展望
9 読みとつづり:ブラッドリーとブライアントの研究再訪
10 心の理論と自閉症:バロン=コーエンたちのサリーとアン課題を超えて
11 道徳性の発達:コールバーグの段階再訪
12 攻撃性:バンデューラのボボ人形研究を超えて
13 言語発達:エイマスたちによる/ba/と/pa/の弁別研究再訪
14 子どもにおけるレジリエンス:ラターの名著とその後の発展

【出版】翻訳書が出ました

監訳と1つの章の翻訳を手がけた本が出ました。

アラン・M・スレーター、ポール・C・クイン(編)加藤弘通・川田学・伊藤崇(監訳) (2017). 発達心理学・再入門:ブレークスルーを生んだ14の研究 新曜社

出版社の紹介ページ

上記サイトより,目次を掲載してみます。古典と呼びうる研究や著名な研究者が並んでいるのが分かると思います。お手に取っていただき,これを機会に原著にチャレンジするのもよいでしょう。

1 アタッチメントと早期の社会的剥奪:ハーロウのサルの研究再訪
2 条件づけられた情動反応:ワトソンとレイナーの「アルバート坊や実験」を越えて
3 崖っぷちの乳児:視覚的断崖を超えて
4 ピアジェ再訪:子どもの問題解決能力の研究からの一展望
5 乳児期における模倣:メルツォフとムーア(1977)の研究再訪
6 乳児期における対象の永続性:ベイラージョンの跳ね橋実験再訪
7 子どもの目撃記憶と被暗示性:セシとブルックのレビュー(1993)再訪
8 IQはどれほど上げることができるのか?:ジェンセン(1969)の問いと答えへの最新の展望
9 読みとつづり:ブラッドリーとブライアントの研究再訪
10 心の理論と自閉症:バロン=コーエンたちのサリーとアン課題を超えて
11 道徳性の発達:コールバーグの段階再訪
12 攻撃性:バンデューラのボボ人形研究を超えて
13 言語発達:エイマスたちによる/ba/と/pa/の弁別研究再訪
14 子どもにおけるレジリエンス:ラターの名著とその後の発展