【PMF】教育セミナー2日目

 教育セミナー2日目の集合は芸術の森。セミナー参加者には、ここで開催されるトークコンサートと野外コンサートのチケットが前の日に配られている。それを聞くことと、コンサートの合間に開かれる参加者同士の意見交換会が本日のプログラム。

 トークコンサートにはウィーンフィルのメンバーが出演。ヴァイオリン、ビオラ、チェロ、コントラバス、フルート、ファゴット、クラリネット、トランペットの各奏者がひとこと説明をした後に短い曲を演奏。伴奏には昨日講義をしていただいた赤堀さん。昨日の話を聞いていただけに、彼女がどういうタイミングでパートナーの方を見るのか、その視線が気になった。

 昼前のコンサートでもあり、リラックスした雰囲気。メンバーもラフな格好。けっこう人気のあるコンサートなのだそうだ。

 昼食後、芸術の森の山奥にあるアトリエにて、参加者相互の意見交換会。参加者のなかからお一人に司会をお願いして、とにかく言いたいことをしゃべる。

 小中学校の音楽の先生がほとんどかと思いきや、もちろんそういう方が三分の一くらいいらしたものの、多彩な方が参加していたようだ。参加の動機もいろいろ。まあぼくのようなのも混じっているわけだが。

 ぼくの方からは、今回のようなセミナーと、学校での音楽教育実践とがどのように結びつくのか、その結びつけ方についてフロアに問いかけた。それに対して出していただいた意見はどれも貴重なもの。

「指揮者を指導者と読み替えたら毎日のことに使える」
「エネルギーをもらえる」
「できないとはじめから思いこむのではなく、できると思って接するというビアヴァ先生の言葉。どういう視線でものごとを見るのかを学んだ」

 なかには、声楽科を出て教師になったため、他の楽器の良さを知らないので、一番いい音を聞くことにより、楽器について教える際のイメージに役立つというお話も。

 音楽教育者にとって、生徒のパフォーマンスを評価する基準として究極的なものは、教育者の感覚的なものだろう。そこを磨くことに今回のセミナーは貢献している、と参加者は考えている、と理解した。

 ついでに、小中学校で音楽の授業や音楽教師の置かれている現状についても聞いたが、望ましいとは必ずしも言えないようだ。ある中学校では音楽の時間が週に1時間。そこに指導要領で決められていることを盛り込むとなるととても大変。そのうえ、何か学校の行事があるごとに伴奏を求められたり、吹奏楽や合唱の指導を求められたり。

 もっと学校教育における音楽の地位を上げること、そのためには音楽にかかわる素養が他の科目でのパフォーマンス向上や生活態度の改善に寄与すると理論的、実証的に示すことが戦略として必要だろうね。アメリカなんかだと、荒れた学校が合唱で更正しました、なんていう実話がもてはやされるけど、日本ではどうなんだろうか。ともかく現状では、「音楽の時間を増やせ増やせ」と言い続けるだけでは何も変わらないだろう。

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