平岸の奇跡

 朝から研究室にこもりきり。発散するために今宵も平岸へ。

 今日は「もつ一」にしようかなと考えながら地下鉄から地上に出ると、あれ、赤提灯が出ていません。そうか、月曜は休みでした。

 それならと、今日も初めての店に行ってみます。ずっと前から目をつけていたお店があるんですよ。
駅から少し歩いた細道に入った場所に建つ、「居酒屋かみがしま」です。

 入り口のガラス戸越しに中をのぞくと、カウンターにもテーブルにもお客さんがいっぱいのようです。えいやと戸を開けます。
カウンターの一番端が空いており、なんとか腰を落ち着けることができました。

 カウンター8席程度、テーブル3卓、奥の小上がりには4卓ほど。私の後から入ってきた数組のお客さんで、
そのすべてが埋まってしまいました。これだけの人数を、たった3人のお店の方がキビキビと動いてさばいています。これは期待がもてそう。

 まずは生をお願いしました。突き出しはタケノコ(143円)。さあ、何にしようかとメニューを見ますと、いやあ、いろんなものがあります。
焼き鳥、おでんはもちろんのこと、魚関係が充実しているようです。チカフライ、ワカサギ天もよさそうですが、
黒板に書かれていたフクラギ刺しをお願いすることにしました。ブリの小さいヤツですね。それから、目の前の短冊に書かれていた串カツと、
セロリおひたしも。

 なんだかたくさん注文したようですが、それには理由があります。一品一品が激安なのです。フクラギ刺しは8切れほどで300円(税抜き、以下同)、
串カツは大ぶりのものが2本にキャベツの千切りがきちんと添えられていて300円。セロリに至っては、
小鉢一杯にもられてなんと100円。これだけ安いと、安心してついあれもこれもと食べたくなってしまうのです。

 じゃあ、安かろうまずかろうかと言うと、さにあらず。どれも水準は超えています。むしろ美味い。

 これは大当たりと言ってよいでしょう。客層を見ても、若いのは少なくて、中年以上の方が多い。小上がりでは、
おばあちゃんおじいちゃんを囲んでご家族が団らんされています。夕食代わりに使っても懐が痛まないからいいのでしょうね。

 深く考えずに生ビールを頼んだのですが、メニューをよっく見ると、飲み物も安い。生は340円。サッポロビール大瓶がなんと300円ちょっと。げへぇ、とうめいてしまうほどの激安。ほぼ店頭価格ですよこれは。

 お酒に切り替えます。熱燗をもらうと、これまた出てきたのが大徳利。これで330円。いやあ、いいのかなあ。
いちいち感動してしまいます。

 おでんもいろいろありますが、タネを3つ選んで250円だそうです。生揚げ、たまご、それにフキをもらいました。どれもうまいし、
なにより安い。へたすると縁日のおでんよりも安い。

 ジョッキ1杯にお酒1本、おひたしに刺身に揚げ物におでんを平らげて、しめて…1851円(税込)。ちゃんと儲けてるの、
と心配になるくらいの良心価格。この安さはすすきのの「金富士」に匹敵しますが、メニューの充実ぶりからして「かみがしま」
の方に軍配をあげざるをえません。

 名前のごとく神のような存在、まさに平岸の奇跡。いいなあ平岸。

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