ミナミの夜

 大阪での大学説明会が終わった夜。居酒屋に行かないわけにはいきません。

 最近は大阪に出張で来ると、キタをめぐってばかりいました。というわけで、今回はミナミをうろつくことに。

 日本橋のワシントンホテルに荷物を置いて、辺りをうろつきます。ただ、道頓堀は人であふれているので、
なるべく胡散臭い方へと足を向けます。

 そんなわけで入った1軒目が、「正宗屋」。
この屋号の居酒屋は大阪には何軒かあるそうなのですが、チェーン店というわけではないそうで。どて焼き、おばけ、きずしがあるあたり、
正しい大阪の大衆居酒屋。カウンターには一人客のおっさんが肩を並べています。

 このどて焼きがうまい。かむほどに味噌の甘みと肉の甘みが混ざり合います。3本で330円。

 刺し盛りの「小」を頼むと、エビ、イカウニ和え、ヒラメ、ハモ湯引き、マグロなど、一人にちょうどいいくらいのてんこ盛り。
しかもエビの頭はちゃんと焼いて出してくれます。いいなあ。

 板場の、出入り口に近い方で、年長の板さんがおでん舟の番をしているのですが、なかなかいい感じに火が通らないようで、
おでんの注文が入ると「まだ浅い!」「おでんの注文受けるの止めといて!」と叫んでいます。食べたかったのですが、残念。

 ビール、サワー、焼酎お湯割りを頼み、たらふく食べて3000円くらいでした。盛り合わせが高かったのかなあ。

 2軒目は「利き酒家
。店の前を通りかかってふらりと入ってみたのですが、日本酒、ワイン、ビールのそろえがすばらしい。店のたたずまいのモダンさと、
忙しく立ち回っているおばちゃんの年季の入り具合のコントラストもまた。

 3軒目は…忘れました。つまんないとこに入っちゃったなあと思い、さっさと引き上げてきました。

 日本橋から難波にかけて歩くと、途中に法善寺横町があります。夜だというのにえらく観光客でにぎわっておりました。どの店も高い!
足元見てんなあ。打ち水された石畳といい、ただよう線香の香りといい、雰囲気はすばらしいのになあ。

 横町に串カツの「だるま」が2軒あったのですが、どちらもえらく行列していたのはいったい何ででしょうか。あれ、
だるまって通天閣の方にあったんじゃなかったっけ?

 そんなこんなで8時には宿に戻りました。ゆうべ3時間しか寝てなかったもので、9時には就寝。

 翌朝、ホテルのバイキングに行くと、卵焼きやらソーセージやらといっしょに、
茶色い球形の物体が整然と並んでいる皿が置いてありました。あれはいったいなんだろうとじっと見ていて、はっと気づきました。たこ焼きだ。
コンテクストがこうまで違うと、知覚すら難しくなってしまうという例ですね。

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