理想の酒場

 札幌生活6年目,ついに,ついに,わたくし個人的に理想の酒場に巡り会えました。

 ところは南北線平岸駅前。1番出口から出てすぐの通りを渡ると,数軒の飲み屋が軒を連ねた区画があります。その一軒,「もつ一」
がそこです。

 縄のれんをくぐると,変形コの字型のカウンター,そして左手に小上がりがあり,数卓のテーブル。お客さんはおらず,
おかみさんがカウンターに座って新聞を読んでいました。「いらっしゃい」。

 カウンターに座り,正面の板壁に貼られたメニューを見ると,お,黒ホッピーがあります。キンキンに冷えたジョッキに,
すでにできあがった状態でホッピーが注がれてきました。これで400円。お通しには昆布巻2つとこんにゃく。これが300円。

 お店の名前が「もつ一」だけに,小袋刺しなんてのがきちんとあります。珍しいので頼みます。薬味にはごま油を。出てきたのが,
小皿に盛られたマカロニ状のゆでられた小袋。こりっこりでおいしいですねえ。これで400円。

 もつ煮込みもありましたので,お願いします。ここのはオーソドックスな煮込み。味噌仕立てのスープに,もつ,こんにゃく,豆腐,
大根,その他が入り,上にネギがかけられています。煮込みなんて,と思うでしょうが,
札幌でおいしい煮込みに出会うのは希有な出来事なのですよ。煮込み不毛地帯と言ってもいいでしょう。
最近はホルモン焼きやもつ鍋が札幌でも流行の兆しを見せていますが,煮込みはてんでダメです。その中にあって慈雨のような存在,
それがここの煮込みです。これで400円。

 その他,串焼き1本100円をはじめ,メニューはいろいろありますが,一番高くて400円のようです。
トマトや厚揚げなど200円台のものも。これは心強い。

 もう一杯黒ホッピーを頼んだ頃に,もう一人お客さんが来ました。入り口右手の棚に置かれた焼酎の瓶を自分で取り出し,「ホッピー」
と注文。ボトルキープしておけば,自分でつくることが出来るみたいですね。

 お勘定は2100円。どうもごちそうさまでした。

 なんてことのない酒場なんですけどね,自宅に近く(歩けば15分程度),普通の煮込みがあり,新鮮なモツがあり,串焼きがあり,
さんざ食べて2000円以内で収まるようなお店を探していたんですよ。北千住で言えば「永見」級のお店と言えばお分かりでしょうか。

 いやあ,最高でした。また来よう。

 メモ: 「もつ一(いち)」 営業時間 平日 17:30~26:00,土日 17:30~24:00,月曜定休。

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