共感覚と記憶

 テレビ東京系『奇跡の脳ミステリー』を見た。お目当ては、ルリヤが『偉大な記憶力の物語』で発表したことで有名になった記憶術者ソロモン・シェレシェフスキーの話。

 ルリヤについて日本のテレビで紹介されるのはほとんどないだけに、どのように取り上げられるのだろうと興味を持って見た。当時のルリヤがシェレシェフスキーについて取り上げた講義をふりかえって語るのはジンチェンコ、ってあのジンチェンコ先生だろうか?

 シェレシェフスキーの再生能力の高さについて,番組では彼が共感覚者であったことを指摘していた。

 共感覚者が非常に高い再生能力をもっていることはよく知られている。たとえば『ぼくには数字が風景に見える』を書いたダニエル・タメットは,数字や言語に視覚的イメージが付随する共感覚者であるが,彼は円周率を風景のようにして暗記して2万桁の再生に成功した。

 共感覚者であるからといって,かれらがみな高い再生能力をもっているかどうかは分からない。記憶「術」とまでは言わないまでも,自覚的なコントロールによるテクニックが介在している場合もあるようにも思われる。そのテクニックに気付かなければ,再生という文脈にはうまくのれないのではないだろうか。

 と思うのだけど,やはり本当のところはどうなのか分からない。どうなんだろう。

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