逆さメガネ教室をゆく

 非常勤先では、一般教養の心理学を担当しています。今週のテーマは「感覚」。きわめてオーソドックスに、視覚系のお話をしました。

 今週は秘密兵器を持っていきました。逆さメガネです。竹井機器インバーシングプリズムです。
約9万円です。

 眼球の構造の話をした後、網膜像が倒立しているにもかかわらず正立視が生じるのはなぜかという問いを投げかけます。
そしておもむろに、この問いに憑かれたストラットンを紹介。その流れで逆さメガネを取り出します。

 まずは自分でつけてみます。ふだんは静かな教室に笑いが起こります。

 「つけてみたいやつはいるか?」聞いてみますが、誰も手を挙げません。

 ぼそっと「つけてもいい」とつぶやいた男をつかまえてメガネを装着させます。「おお、気持ちわりい」などと言いながら、
楽しそうです。楽しそうだったからか、それから2人の男が自主的に手を挙げてくれました。

 ただつけるだけではなく、立ち上がらせ、教室の中を徘徊してもらいます。そろそろと手を前に突き出しながら歩く姿に、
他の学生も爆笑。

 講義が始まって30分くらいすると、寝ているやつがだんだん多くなってくるのですが、今回は少なかったです。

 講義後に提出してもらうリアクションペーパーの反応もおおむねよかったですね。
感覚知覚系の話をするときはインパクトの強い実験を授業中に比較的容易に行なうことができるので、
聞いている方も講義をする方も楽しいですな。

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