蝦夷地のおぢさん

 ぽっちり研究会から札幌へ戻り、があがあと仕事を片づけ、再び名古屋へ舞い戻った。プロジェクト(と書くと格好良い)の打ち合わせのためである。

 名古屋といえば喫茶店である。待ち合わせ場所に指定されたヤマダ電機の隣にあった喫茶店に入りコーヒーを飲んでいると、松本博雄さんが車で迎えに来てくださった。今日は松本さんのご息女トモちゃんの保育園入園式だったそうで、午前中はそちらにご出席されていたそうだ。桜咲くうららかな日である。

 打ち合わせは松本さんのご自宅で。奥さんの美穂さんがトモちゃんを連れて出迎えてくださった。

 PCをつきあわせて今後の方針を決めていく。共同研究とは銘打っているものの、ぼくはほとんどおんぶにだっこ状態である。分担していた作業の積み残しもある。それでも5月までにお互いやっておくべきことだけは決めた。読むべき文献の分担も決めた。

 作業の脇で、トモちゃんがえーえー泣く。まだ生後3か月、アマネでさんざん経験していたのだが、やはりなにか切なくなってくるものである。そのたびごとに松本さんはお父さんになり、美穂さんはお母さんになる。ぼくも「蝦夷地のおじさん」としてときどきだっこさせてもらう。トモちゃんはよその人に会うときはおとなしいそうなのだが、ぼくがいるときでもえーえー泣いていた。だから「家族と認識されているみたい」なのだそうな。

 一晩泊めてもらい、日中少し作業をした後、おいとまをした。赤ちゃんがいて大変なところ、いろいろとお世話になりました。ありがとうございました!

 札幌に戻ってみれば雪だった。それでも明日からぼちぼち新学期の香りがしてくる。

 こうして怒濤の3月は終わったのだった。

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