埼玉県立大探訪記

 13日から14日にかけて、陳省仁先生とともに埼玉県立大学にうかがった。先週のKICR探訪と同じく、プロジェクト研究の一環としてである。

 埼玉はひさびさ。午前10時半のANAで羽田へ、そこから京急から都営浅草線、浅草で乗り換えて東武伊勢崎線。越谷の先、せんげん台という駅を降りると、北関東の駅前の風景が広がる。駅前で拾ったタクシーを降りると、目の前に鉄筋とコンクリとガラスでできた巨大なオブジェが現れた。

 埼玉県立大は、大学としては比較的新しい。県立衛生短大を基礎として平成11年に開学した。

 大学の特色はまずその外観であろう。田んぼを埋め立てて造られた広大な敷地にそびえる建築構造物は2つのメインとなる棟から成る。 設計は山本理顕。生活する人々の活動をなにものにも遮られず徹底して透明にするために、外壁をガラスにして、内部を吹き抜けにしてある。

IMG_0025.jpg    大学の内部

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 今回の目的は、看護学科の徳本弘子先生に案内していただいて、乳幼児に対処しなければならない看護師のタマゴを育てるカリキュラムの一部とそのための施設を見学することだった。

IMG_0021.jpg  徳本弘子先生と陳省仁先生

 広い看護実習室には、患者が病院で使うのとほぼ同じベッドがずらりと20台近く並んでいた。同じ部屋の反対側には、グループで座学ができるような設備(テーブル、PC、ビデオデッキなど)がこれまた20台近く並ぶ。学生は、まずビデオやPCなどを通して学習目標を確認し、それから実際に現場でも用いられる器具を使って練習に入る。練習を一通り終えると再びグループ学習に戻り、何が問題だったのか、どうすれば良くなるのかを検討する。これの繰り返しだそうだ。

 小児看護の実習室では、就職を間近に控えた4年生が集まって自習をしていた。心臓に異常のある子どもの心音ばかりを集めたテープを一生懸命聴いている姿は真剣そのものだった。

 徳本先生、それに同じ看護学科の西脇由枝先生と駅近くの豆腐料理屋へ。患者の身になって看護を行なうことを、どうしたら大学教育として学ばせることが可能かと、熱く議論されていた。

 次の日、急遽朝から陳先生の研究発表会が開かれることとなった。渡部尚子副学長にもおいでいただき、10名ほどの先生方が参加してくださる。

 午後から、教員研修会が開かれる。教員がいかにして学生の学習を促進できるのか、テューターとしての役割をどのように演じればよいのか、まずはみずからが学生になってテュータに必要なふるまいを知ろうという趣旨であるらしい。何回かに分けて行なわれるようで、今回は10名程度の方が参加されていた。

 1時間ほど見学してそそくさと大学を後にする。帰りの飛行機に間に合わせるためである。

 札幌に着いたのは7時頃。近くの居酒屋で夕食とした。

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