KICR訪問記こぼれ話

・おこぼれ1 飛行機

 往きに乗ったJAL機は通路をはさんで横4人がけしかできない小型のやつだった。これがまた強烈に揺れる。正直言って怖かった。

 往きの飛行機の話でもうひとつ。陳先生のチケットに書かれていた座席番号は「11H」。ぼくのは「12C」。こう書かれていたら、「ABDEFG」という並びのCとHだと思うのが当然だろう。外から見た機体はずいぶん小さいのに、なぜ座席が横にそんなに並ぶのだろう。混乱してしまった。

 実際には、「ACHK」という4席並びのCとHだった。ウィトゲンシュタインの言う「規則」の話を思い出した。そうだよなあ、勝手に規則的だと思いこんでいることってあるよなあ。

・おこぼれ2 タクシーのなかで

 タクシーの運ちゃんの話。けいはんなの学術文化研究都市は、山を切り開いてむりやり造られた計画都市である。どうやら元代議士のノナカさんが引っ張ってきたらしい。山の持ち主は一晩で億万長者となったそうだ。ただ、いかんせん交通の便が悪い。

 むりやり作られた計画都市という意味では筑波も似たようなものである。学園都市が生まれて30年、ようやく昨年東京と電車が通じた。あと20年くらい待てばけいはんなにも電車が走るだろうか。できるとしたら、高架のモノレールかな。

・おこぼれ3 梅田の夜と朝

 帰りの伊丹空港に行きやすいように、ホテルは大阪梅田に取った。泊まったOSホテルのすぐ裏にはお初天神がある。

 一仕事終えた陳先生とぼくはホテル裏のアーケードをさまよい、鍋料理屋で舌鼓を打った。陳先生からは台湾からイギリスへ渡ったいきさつや、イギリスでの学生生活についてうかがった。

 あまりに眠く、11時には就寝。

 次の日、朝食後に街を散歩した。お初天神は2回目だ。最初に来たのは、『アタック25』に出場したときで、確か近くのお好み焼き屋でメシを食った覚えがある。

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 出勤途中のサラリーマンが神社の敷地内を斜めに突っ切っていく。その途中、賽銭箱の前で立ち止まり、小銭をそこに投げ入れて上にかかった鈴を振り、手を合わせてから足早に去っていった。ふと、アイルランドのゴールウェイで見た光景を思い出した。朝の教会の前を出勤途中の女性が足早に通り過ぎながら、胸の前ですばやく十字を切るのだ。宗教というのはけして観念的なものではなく、こういう、日頃の暮らしに埋め込まれた些細なことなのだろう。

 バー「北サンボア」の前の日だまりに子猫が2匹、うずくまっていた。

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