吾妻讃

 すーぱーがーるカンパニーから『吾妻讃』(本当は、讃の字が少し違う。夫2つではなく、先2つだ)が届く。

 去年吾妻先生が『失踪日記』で日本漫画家協会大賞を受賞したのをうけて作られたファンジンである。表紙は『失踪日記』にあわせて、オレンジ色。

 お祝いの言葉を述べる執筆者がすごい。新井素子、とり・みき、米沢嘉博などなどなど。受賞式のレポートや、『失踪日記』について書かれた書評一覧まである。

 授賞式でもそうだったようだが、いま、古くからのファンが走り回って吾妻先生を支えようとしているようだ。そうした方々には頭が上がらない。

 漫画家の悲惨さが最近あちこちで喧伝されるようになってきた。稿料の安さもさることながら、人気がなくなれば使い捨てされ、挙げ句の果てには四畳半のアパートでひっそりと息を引き取るといったこともあるらしい。

 声高に言わないだけで同業者はそうした過酷な状況を知っているのだろう。昨年の受賞には、彼岸より戻ってきた人、サバイバーへの敬意もあったのかもしれない。もちろん、作品として面白いのは当然なのだが。

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