風邪

 昨日の朝方家人がトイレでうめく声で目が覚めた。激しく吐き気がするらしい。子どももいることだし、1日休むことにして病院へ付き添った。

 医者の診断では風邪だろうとのことで薬を処方してもらい家に戻る。なにも口に入らないと言うので、せめて流動食でもと、雪の降るなかゼリーを買ってくる。これがいけなかったか、ぼくまでぞくぞくしていた。熱をはかると7度7分。家人は7度5分。熱はたいしたことないのだが、なにしろ気持ちが悪い。

 ウイルス性の風邪だったら子どもにうつすといけない。泣いたらどうしてもだっこしてあやさねばならない。ところがこの日はあまりぐずらなかった。親がへばっているのに気付いたのだろうか。けなげなものである。

 夜10時には消灯。2人してうーふー言いながら寝た。おかげで一晩寝たらぼくの方は復活。家人はまだ気持ちが悪く頭も痛いようである。

61年目の子ども

 朝から北海道医療大学へ。N先生の実験に、アマネを参加させるためだ。母親とのインタラクションをさまざまな角度から調べるというもの。脇で見学させていただいた。

 実験終了後、札幌駅の東急で食事。そのあとロフトの紀伊国屋へ。妻の実家から図書カードをいただいたので、有益に使わなければと、欲しかった写真集を買う。

 日本の子ども60年

 1945年から2005年の60年、広島に原爆が炸裂した3時間後の写真から、ゴスロリまで。子どもを写した写真204点を集めたもの。表紙の写真は土門拳の撮ったあの筑豊の子である。

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 これまでの60年をかかえた子が、これからの60年を生きていく。ぼくらはそのための道をならしていく役目を負っている。60年後、もしもまた同じような写真集が出たなら、その表紙には今度は笑顔の子の姿がありますよう。

 帰宅したら、嬉しいことが。K田さんよりアマネにクリスマスプレゼントが届いていた。ありがとうございます!

頭を英語に

 ただいま英語で論文を書いているところ。

 しばらく作っていなかった頭のモードなので、取り戻すのに苦労している。リハビリと称して、いままで貯めていたものの読む暇のなかった英語の先行研究をガシガシと読んでいる。そんなわけでじわじわとモードの切り替えを行なっている。

 ふと気になって、TOEFLの無料オンライン模試というのを受けてみた。リスニング、構文、リーディングがそれぞれ10問ずつ出題される。

 構文、リーディングはなんとかなるが、問題はやはりリスニングである。何を言っているのか聞き取れない。結局170点しかとれなかった。

 やはり、勝負すべき舞台を見定めるならば、言葉の問題はクリアしたい。最近、ささやかな楽しみや幸せばかりで満足して、大きな目標を失っていたけど、ちょっと本気で考えておきたい。

ひとりもんの暮らし

 ずうっと書けずにいて、もう義理も礼儀もなんもなくしてしまっているような原稿の目処をなんとかつける。首と尾っぽがなんとかくっついた格好で、胴体も埋められた。目鼻は週末、家にこもってくっつける。

 帰りがけ、もう1年近くごぶさたしていた居酒屋「かんろ」へ。相変わらずの繁盛、カウンターにかろうじて空いていた1席にねじりこむ。マスターはきちんとぼくのことを覚えていてくれた。なんでもないことかもしれないけど、すごく嬉しい。ここのやきとんは肉の部分が大きくて食べでがある。

 蕎麦屋でしめたあと、ふと思いつき、ひとりカラオケを決行。CKBの「タイガー&ドラゴン」を6回くらい歌う。歌はいろんなものが発散できてよろし。

 思ったよりも体力を消耗した模様で。家にたどり着いて意識を失い、気がついたら朝10時だった。

鬼の居ぬ間

 妻が子どもを連れて里に帰った。

 別にケンカしたわけではなくて、孫の顔を見せに行っただけである。ただ、妻の骨休めも含めて4週間近く帰ることとした。

 そんなわけで思いがけず久々の単身生活である。

 しかしなんだか家に帰るのが恐いなあ。退屈なんだろうなあ。単身赴任をしているKさんが、このあいだメールで子どものいない生活のつまらなさを教えてくれたけど、ほんとにそうなんだろうなあ。

 というわけで、このすきに、たまった仕事を終わらせてしまおう。

決戦は日曜日

 日曜日。本日は朝からお子様関係の用事がつまっていた。

 午前中、生後3ヶ月の息子を対象とする実験を行うため、某先生たち3名さまがご来宅。今後継続する一連の実験の第一回目とあって、某先生方も息子も緊張のご様子。彼の反応はうまくデータになっただろうか。

 午後、息子がちょうど生後100日になった記念に、スタジオ写真を撮りに行く。歩いて30分の写真館。プロフィールに名前を書いて、着せる服を選ぶ段になって、店員さんがドレスの棚を開けてくれる。あのう、うちの子は男の子なんですが。確かに「アマネ」なんていう名前ですがね。

 夕方、札幌駅に移動し、茨城から遊びに来た両親と妹とその子を迎えに行く。

 夜はいっしょに食事。甥は離乳食を食べ始めたころだというので、豆腐ならいいかなと気楽に豆腐専門店を予約しておいた。だがこれが大失敗。通された部屋は掛け軸などかかっているような立派な個室。甥は目につく物なんでも触ってガンガンとたたかねば気が済まないお年頃。一方、息子は息子で普段と違う雰囲気にギャアギャアと泣き続ける。大人たちは気の休まるまもなく、おいしかったであろう食事もゆっくり味わえぬまま帰途についたのでありました。

冬が来る前に

 先日のこと。妻が子を連れて札幌大通公園へ散歩に出かけたとき、小さな羽虫の大群が空中にぷかぷかただよっており、そいつらが子どもの鼻の穴や目に入って大泣きしたのだそうな。

 おそらく雪虫というやつだろう。札幌に来てから初めて知った。この虫が飛んでからしばらくすると、雪が降り出すのだそうな。雪を知らせる虫であるが、服や顔にぺとぺとつくので始末が悪い。

 雪虫が飛んだからというわけではないが、ストーブの準備をした。昨シーズンの残りの灯油を使って試運転をする。夏前に整備に出しておいたせいか、火をつけるとグオーという音とともにストーブ本体が小刻みに揺れるという現象はなくなっていた。よかった。灯油の値上がりが気にかかるが。

 今年の冬は子どもとともに過ごすわけで、ハイハイなどし始めたらストーブのそばに近づけないよう親はいつも気が休まらない。そこでストーブのまわりに置くサークルを買った。これでも安心はできないけどやるべきことはしておく。

 街路樹の葉はもう紅く、スーパーに行けば大根と白菜が野菜売り場の主役に躍り出ている。

 大学では、学生が卒論でそろそろ目の色を変え始めている。

 3度目の冬である。

行列のできるカレー屋

 非常勤講義の出席者の人数は、先週の1人から一気に3倍、3人となった。

 教務の方の話では、結局閉講はせず、このまま開講するとのこと。さすがにこの人数では一方的な講義はつまらない。いっそのこと、4人で何か本を読むか。ちょっと思案中。

 帰宅の途につく。いつもは地下鉄で帰るのだが、たまにはと、バスに乗る。自宅から歩いて5分のところにあるバス停のそばにはカレー屋がある。いつもは閑散としており、特にそこで食べようという気にはならなかった。ところが、そのバス停で降りたとたん目に飛び込んできたのはカレー屋の前にできた行列。

 行列が出来る理由には心当たりがあった。先日たまたま見ていたテレビ番組にこの店が紹介されていたのだ。北海道ローカルタレントの大泉洋がおすすめのカレー屋、ということで、久本雅美とともに訪れていたのである。しかも全国ネットの番組だった。

 こんなことになるんだったら、閑散としているときに食っておけばよかった。

中傷ビラ

 生まれて初めて、中傷ビラというのを見た。このたびの選挙に向けてのものなのだろう。気がついたら、自宅の新聞受けに入っていたのである。向かいの部屋にも入れられていた。うちは団地なのだが、おそらく、全戸に入れられていたものと思われる。

 B4サイズの紙に、新聞や週刊誌からの切り抜きがコラージュしてあり、大事なところ(?)には蛍光ペンの塗りつぶし、切り抜きの合間には作り手本人のものと思われる書き込みがなされていた。内容は書くに値しないものである。

 やってみると分かるが、B4サイズの紙に切り抜きをペタペタと貼って埋めるのは大変な作業だ。切り貼り作業の前に、関連のある記事を集めるという作業もある。しかもそれを、少なくとも団地の全戸分コピーしなければならない。

 もしもこの作業を1人でやるとしたら、相当のモチベーションや金銭的、時間的余裕が必要だろう。組織的に行うとしたら、作業をする同志や場所が必要だろう。よく知らないが、おそらく選挙法違反なのだろうから、逮捕される覚悟も必要だろう。

 ビラを作るのに、相当の意志や金や時間をかけた人(たち)がいるのだと思うと、なんだか可笑しい。

 珍しいのでしげしげとながめ、おもむろにゴミ箱に捨てた。