ラーメンサラダと甲類焼酎―「北海道の居酒屋の真髄を探る」第10回

受講生と共に北海道の食と酒を探る3回目。今回のテーマは,ラーメンサラダと甲類焼酎です。その背後にある大きなテーマは「バブル」と「安さ」です。

居酒屋の真髄通信第10号

ニシンと日本酒―「北海道の居酒屋の真髄を探る」第8回

「北海道の居酒屋の真髄を探る」。今回から5週にわたって,北海道の居酒屋において過去から現在までの時代時代を彩ってきた料理と酒について取り上げます。

教員がレクチャーするのではなく,受講生に調べてきてもらい,プレゼンをしてもらうこととしました。

その初回となる今週のテーマは,ニシンと日本酒です。

居酒屋の真髄通信第8号

未成年に酒の核心に触れてもらうには

現在開講中のフレッシュマンセミナー「北海道の居酒屋の真髄を探る」において,北海道の居酒屋で提供されてきた食べ物と飲み物を学生に味わってもらう,ということをしています。

飲み物,というのは酒です。しかし,「フレッシュマンセミナー」の名の通り,受講生は大学入りたての1年生です。ほとんど全員が未成年です。

未成年に酒を飲ませるわけにはいきません。一方で,北海道の居酒屋を理解するには,酒について体で理解する必要があるでしょう。

ということで,酒を飲むことなく,酒の核心に触れるにはどうしたらよいのかをずっと考えていました。

出した結論が下記です。

日本酒: 酒造好適米(山田錦)で作ったおにぎりを食べてもらう
ビール: 上富良野産ドライホップを混ぜたホップ味噌,ホップ塩,ホップソーダを味わってもらう
甲類焼酎: サッポロのメーカーが製造販売するレモンソーダなど,焼酎の割り材として使われるものを飲んでもらう
ウイスキー: ウイスキーの香りづけに使う北海道産ピート(泥炭)でスモークした食材を食べてもらう
ワイン: ワイン醸造用の北海道産ブドウを使ったジュースを飲んでもらう

果たしてそれで酒の核心が分かるのかは確かに心許ない限りです。しかし,そのものを直接飲むことができない人たちに理解してもらうためにはどうしたらいいのかを必死になって考える経験はとても良かったです。

これはたとえば,ハラルフードしか食べられない方とともに食事体験をするといった事態においても起こることです。その際に,宗教的禁忌を「制約」とするのではなくむしろジャンピングボードとして,新しい体験をデザインする方向に向かえればいいのだと感じました。

居酒屋をフィールドワークする―「北海道の居酒屋の真髄を探る」第6/7回

居酒屋の真髄を探ると言うからには,やはり居酒屋に入らねばなりません。

教員と受講生合わせて11名が余裕で入ることができ,しかも北海道らしさがあり,札幌の中でも老舗の部類に入り,なおかつ市民になじみ深い店。今回おじゃました「第三モッキリセンター」はぴったりです。

社長はじめスタッフの皆さんにご協力をいただき,無事にフィールドワークをすることができました。深く感謝申し上げます。

居酒屋の真髄通信第6・7号

働くことを考える―「北海道の居酒屋の真髄を探る」第5回

「居酒屋の真髄を探る」第5回は,居酒屋を含む飲食店で働く人に焦点を当てました。

居酒屋評論家の太田和彦氏がよい店の条件として「いい酒,いい人,いい肴」と言うように,「人」の要素は特に個人経営の居酒屋では大きなウェイトを占めます。

「人」の中には店主はもちろん,パートタイムで働く人たちも含まれるでしょう。店主とパートタイマーの関係は,共に店を切り盛りする同志であると同時に,雇用者・被雇用者でもあります。

「被雇用者」から見た時の居酒屋についても考えてみたかったのです。

受講者もまたさまざまなアルバイトに従事しており,労働法で守られるべき存在です。知識を得て自分を守る能力を身につけてもらいたいと思います。

居酒屋の真髄通信 第5号

居酒屋のイメージとは?―「北海道の居酒屋の真髄を探る」第2回

なにごとにもイメージはあります。

イメージを作り上げるものとしてはメディアからの情報があります。

私たちは居酒屋についての情報を様々な媒体を通して日常的に取り入れています。

居酒屋のイメージはどのような情報で構成されているのでしょうか。

「北海道の居酒屋の真髄を探る」第2回は,受講生の考える居酒屋のイメージをはっきりと表している視覚的資料を持ってきてもらい,自分のもつイメージをプレゼンしてもらうことにしました。

この活動を通して,①自分のもつイメージを自覚する,②イメージに適合する情報を探索する,③イメージについて他者に説明する,という課題に取り組んでもらうこととなります。

10名のプレゼンをすべて聞いて思ったことは,若者の居酒屋イメージは「人」の要素が強いということでした。やはり居酒屋は「場」なのですね。

詳細をまとめた通信を作成しました。ご笑覧ください。

2号通信

一般教育演習「北海道の居酒屋の真髄を探る」が始まりました

私が担当する,1年生向け演習のタイトルが掲題のものです。半年をかけて,北海道内にある居酒屋について深く学んでいただきたいと考えています。

毎回の演習終了後に,振り返りをかねて「居酒屋の真髄通信」を作成する予定です。さっそく第一号通信を作成しました。

色物のように思われるかもしれませんが,とても真面目な狙いをもった演習です。半年間温かく見守っていただければ幸いです。

【出版】勤務校の先生方との共著が出ます

まだ書店には並んでいないようなのですが,執筆者一同に送られてきましたので告知します。

私の勤務する北海道大学教育学部の創立70周年の記念事業として以下の本が出版されました。

北海道大学教育学部・宮﨑隆志・松本伊智朗・白水浩信(編) (2019). ともに生きるための教育学へのレッスン40:明日を切り拓く教養 明石書店

私はその中の1章として「社会化」をテーマに短い文章を書きました。

伊藤崇 (2019). 子どもは大人を社会化するか 北海道大学教育学部・宮﨑隆志・松本伊智朗・白水浩信(編) ともに生きるための教育学へのレッスン40:明日を切り拓く教養 明石書店 pp.80-83.

お手にとっていただければ幸いです。

研究室サイトを作成しています

昨年から独立したゼミをかまえはじめ,この4月から研究生が入るのと,後期からは正式なゼミ生が加わるので,研究室サイトを立ち上げてみました。

言語発達論研究室 北海道大学大学院教育学研究院

立ち上げてはみたものの,追記すべきことは山ほどあり,それをする時間はなし。悪いクセで,サイトをいじり始めると止まらなくなるので,ここらでいったん作業をペンディングにします。

いじっている間に,こちらのHere Comes Everybodyの方の管理をMovable TypeからWordpressに移行させたいという欲求もむらむらと出てきたり。ただでさえ滞っている原稿書きがさらに遅くなるのでさすがにそこまでは無理。移行作業は来年の春ぐらいには手がつけられるかも。誰か昼ご飯3食分くらいで移行作業を手伝ってくれる人はいないものでしょうか。