家を見る

 団地の目の前にある公務員住宅が取り壊され,更地にされた。そこにあれよあれよという間に家が1軒建ったのが数ヶ月前。

 どうもモデルハウスらしく,「Jフルホーム」ののぼりが並び立ち,スーツを着た男性が数名その家のそばに常駐している。たまに家族連れが来たりして,スーツの方々が案内しているようである。

 というのが団地5階の我が家のベランダからすっかり見える。家を造るところから見ていたのだから,どのような人が,どのように造っていたのか,もちろん,非常に手際よくなのか,それともぞんざいになのかもよく分かっている。ただ内装はよく分からない。

 なので,休日の午後,散歩がてら子どもと一緒に「おうち探検」に行った。もちろん札幌で一軒家を構えるつもりは毛頭ない。「ひやかし」である。

 別件の内覧を終えて休憩中のスーツ氏に,向かいの団地の者だがどんな家になったのか気になるので見せて欲しいとお願いして,案内いただく。「工事中はうるさくなかったですか?」「そりゃうるさかったよ。でもしょうがないでしょ」と,「けんもほろろ」的オーラをしょっぱなより出しておく。

 まだ家具がなにも入っていないので大変ひろびろとして見える。窓も大きく,動線も分かりやすく,吹き抜けも開放的で,清潔感がある。ただ,いかんせん敷地が狭く,2階に上がる階段が急である。階段の下が物置になっており,階段の裏側がそこから見えたが,板の打ち付け方がどうも納得できない造作であった。

 2階の床に謎の穴があったので聞くと,通気口だそうだ。建築基準法で,強制的に空気を循環させるような装置をつけなければならないのだそうだ。うちにはそんなのはないよ。

「ここだったら犬も飼えるねえ」と言うと,最近ペットブームのアマネは顔を輝かせて「おうち買おう」と言う。「3000円なら買えるけど,その1万倍するからね」となだめる。

「ひやかし」の割にはいろいろと質問して時間をとってしまったが,スーツ氏にはずいぶんと丁寧に対応していただいた。どうもすいませんでしたね。

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