コミュニケーション教育推進会議?

 文科省では先月から「コミュニケーション教育推進会議」なるものを開催している。

 文部科学省- コミュニケーション教育推進会議

 謳い文句によれば、現代の青少年のコミュニケーション能力の向上が狙いだという。

 確かに、どうすれば向上するのだろう。コミュニケーションに関心を持つ者としては気になるところである。会議の主催者はどう考えているのだろう。

 検討事項を読む限り、現在のところ、劇やダンス、音楽など芸術表現の体験をすることがコミュニケーション能力の向上に資する具体的施策として挙げられているらしい。

 もちろん芸術表現を体験することは、しないよりはいいだろう。それを止める積極的理由はない。

 ひっかかるのは、芸術表現の体験が、向上を求められているコミュニケーション能力の改善につながるという理屈。演劇やダンスをすると、社交的になれるのだろうか。

 むしろ、子どもたちが日常的に学校で体験している授業や休み時間やその他さまざまな活動におけるコミュニケーションについて、もっと取り上げるべきだろうと思う。なぜならあまり具体的なところははっきりと明らかになっているわけではないから。(ちょうど今進めている研究はこのあたりのことを見ている)

 おそらく、子どもたちの日常のコミュニケーションを支える感覚的・美的(aesthetic)側面というのもあるはずだ。たとえば、きちんとあいさつをすることが善いことだという感覚。そういうのを地道に指導していくことの方がずっと将来役に立つのでは?

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