読み聞かせについて考えるのココロだー(1)

 先週の金曜日に、学部で開講する「基礎演習Ⅱ」の総仕上げとして、半年のリサーチを公開して発表する機会をもうけました。さらに、上士幌中学校の先生で、教室の中で絵本の読み聞かせをされている石川晋先生をゲストに迎え、読み聞かせ実践について語っていただきました。

 石川先生が中学校の授業中に読み聞かせを始められたきっかけについては、ご自身で書かれたものがこちらで読めます。拝見すると、授業が成立しないという本当に切羽詰まった状況下で、とにかく自分の好きなことをしようと開き直ったことが事態の打開につながったようです。

 だからといって、荒れたクラスを立て直すためにすべての教師が読み聞かせを始めればいいかと言えばそんなことはありません。そこにはいろんな方法があるはずで、石川先生の場合、読み聞かせだったというわけですね。

 ですが、一般に敷衍できるとすれば、こういうことは言えるかもしれません。石川先生はお話の中で、読み聞かせは本を間にはさんだコミュニケーションだとおっしゃっていました。このとき、話し手と聞き手はお互いに目を合わせずにすますことができるので、たとえ聞き手にとって嫌いな人間が読み聞かせをしていたとしても、コミュニケーションの場そのものは維持することができると。

 間に一枚なにかが入ることで、それまでぎこちなかったコミュニケーションがすっとうまく流れることはおうおうにしてあります。そういう意味では、本はうまくいかない関係性を立て直すきっかけになるかもしれません。

(続きます)

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