よい思い出になれば

 土日のセンター試験は大過なく終わり…というわけにもいかなかったようだ。

 ぼくの担当は初日のリスニングの監督補助という比較的責任の小さな役どころのみだったので、昼過ぎに大学に出かけていって、リスニングが終わればそのまま試験関連の仕事も終了であった。

 使い終わったICレコーダを箱に入れて本部に運び込むと、別室で監督をしていた同じ学部の先生がそそくさと部屋を出て行くのにすれ違った。

「どうしたの」
「再開テスト」

 ふと見ると、部屋の隅の机の上に赤いランプがずっと点滅し続けているプレイヤーが置いてあった。故障のようである。受験生にとっても災難だ。

 明けて次の日は朝からこれでもかと言うほどの大雪。JRは止まり(北海道で列車が止まるなんていうのは相当な量の雪である)、おかげで試験開始が1時間ほど繰り下げられたらしい。

 受験生たちはこの2日間にかけているわけで、こうした天災に見舞われることほど本人としては腹立たしいことはないだろう。願わくは数年後、あんなこともあったねえとよい思い出になってくれれば。

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