今年の卒論あと少し

 今年は4人の4年生の卒論とつきあっている。

 締め切りは12月18日。あと2か月ちょいだ。後期も始まって、ぼちぼち目の色が変わってきたかな諸君。

 Aくんのテーマは、テレビ番組に挿入される笑い声が視聴者にもたらす効果。視聴者のタイプごとに効果を比較するという実験を計画中。大学院に行きたいと画策しているようで、頼もしい。

 Bさんは、大学演劇サークルのフィールドワーク。大きな公演に向けて活動する5ヶ月間を徹底的に追いかけさせている。自分としては一番楽しみなのがこの研究。劇の登場人物のパーソナリティを、劇団員や演出家たちがそれぞれにイメージとしてふくらませ、それをもとにして協議を通して生み出していくプロセスが見られたら、それはとても面白いことだ。データを使わせてもらいたいくらい。

 Cさんの研究は、父親の育児参加について、実際に子育て中の父親に対してインタビューするというもの。月の休みが2~3日という超多忙な父親であっても、その育児参加の仕方に対して妻がいだく満足度はさほど低くない、というのが意外で面白い。「9人分書き起こしをしたら右手が痛くなりましたよー」と言っていたが、それくらいやって初めて達成感も得られようというもの。心理学は体力なのだ。

 Dさんはぐずぐずしていたものの、先日の話し合いでようやく方向性が見えてきた。友人関係の時間的な変遷について。たとえば小学校で築いた友人関係のうち、中学校に行っても残るつながりと、切れるつながりがある。中学校から高校へ、高校から大学へ、大学から社会人へという移行のプロセスをたどるなかで、友人関係はダイナミックに変わっていく。この変遷過程を、卒業アルバムを見ながらインタビューで聞き出す。なんでこの友人とは高校時分に切れたのか、その友人とは中学校時代どういうつきあい方をしていたのか。遡及的に考えてみようと提案した。

 今年の方々は、多少ほったらかしてもそれなりに書いてきてくれそうなので助かる。ぼくはちょっとつきあって考えてあげるだけだ。

 毎年、道内のどこかで合宿するようにしていたが、今年はなんだかぼくの方が忙しく、みんなの予定も合わなさそうなので、やめた。決起集会では釧路に行こう!と言っていたのだけど。その代わり中間報告会を開催することを決定。

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