通夜の祈り

 北大留学生センターの関道子先生がご逝去された。60歳のお誕生日を迎えられてすぐの12日のことだったという。

 学内の組織改編の関係で関先生との接点が生まれたのは4年前のことだった。教員親睦会の幹事をしていたので、
職場の飲み会のときにスピーチをお願いした。とても楽しいお話をしてくださったように記憶している。

 先生は北大が留学生センターを設置した当初からのスタッフだったが、
その前は教育学部附属乳幼児発達臨床センターで長らく事務や研究にあたってこられた。
北大幼児園黎明期は先生のご尽力により支えられたと聞く。幼児園をご存じの方は思い出されると思うが、
園庭の隅にある築山は先生が苦労されて造られたものだし、夏や秋になると実を結ぶ栗やあんず、
胡桃といった木々は先生が植えられたものである。「食べられるものばかり植えたの」とお話しされたと、
どなたかからうかがったように記憶する。あるいはご本人からだったかもしれない。

 12歳で受洗された敬虔なクリスチャンだった関先生にお別れをする通夜の祈りが今夜、札幌キリスト教会でとりおこなわれた。
晩年は留学生支援に力を注がれた先生らしく、たくさんの留学生の姿が見られた。すすり泣く声があちこちで響く。

 賛美歌を歌い、祈りの言葉を捧げ、花を祭壇にたむけた。壇上の先生の写真は、いつもの笑顔だった。

 ご冥福をお祈りいたします。

 伊藤 崇

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