研究の基盤

 この季節、あちらこちらで「当たった」とか「残念」という声が聞こえる。科学研究費補助金、略して科研費と呼ばれる公的な助成金制度のことである。

 今年はよく知る複数の方々から「当たった」との声が聞こえてきて、喜ばしい。おめでとうございます。

 大学にせよ、研究施設にせよ、科学研究の推進に割かれる予算については、現況安穏としてはいられない。よい研究にたくさんのお金がまわり、その分、比較的よろしくない研究にはお金がまわらなくなっている。

 このことについて、最近は本当にさみしくなったねえと嘆く先輩研究者もいらっしゃるのだが、最近この道に入り込んだ身にしてみれば、トータルのお金が少なく、パイを奪うために自分の研究を「よいもの」として売り込むということはもはや前提である。何もしなくてもン百万というお金を使えた時代が過ぎ、何かをすればン百万というお金を使える時代が来ただけの話だ。ン百万というお金を手に入れるためにする何かができない方にとってはさみしい限りだろう。

 科研など公的な助成金のほかにも、私企業や財団が制定している助成金制度もたくさんある。去年もちょこちょこ出していたが、軒並み落ちてしまった。これは憶測でしかないが、こちらの方が公的な助成金よりも、選考の基準はよりシビアであろう。

 今年もがんばって出し続けよう。申請書を書く中でアイディアが出てくるということもあるしね。

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