だっこをしながら講義を聴くと

昨年に引き続き、北翔大学にて乳幼児発達論の非常勤。

指定された教室は160人はいるだだっ広い部屋。そこにちんまりと、6名の学生さん。女性4名、男性2名。再来週以降、部屋を代えてもらうことにした。

初日なのでオリエンテーションだけで終わりにしようかとも思ったが、今年は趣向を変えて、先日レンタルした赤ちゃん人形を使った実習っぽいことを行う。特に難しいことではなく、ただだっこしてもらい、その後おむつ換えを経験してもらうだけ。

肌着と上着を脱がせ、うんちが入っていると想定したおむつを外して新しいのをつけ、脱がした服をもう一度着せるという作業。教室の長机に人形を置いて一連の作業をするとちょうど中腰になり、窮屈そう。作業手順が多くて大変だという感想が出た。

一人、年の離れた弟の世話をしていたという男子がいて、彼はやたら手早く作業をしていた。おむつを替えるときに両足首を片手でつかんで腰を浮かせていたのを見て、やり慣れてることが分かった。

おむつ替えを終えて10分くらいの出産場面の映像を見せる段になり、人形がぽつんと置かれてしまうなと思ったので、予定外だったが、だっこしながら見てください、と指示した。「たぶん、腕がだるくなると思いますので、そうしたら隣の人にだっこを代わってもらってください」と言うと、みんなすなおに従ってくれた。映像を見ている学生さんの様子を前から眺めていると、抱いている腕の形がすんなりおさまるようになっていた。だっこしながら講義を聴くなんて、まずやったことはないだろう。

学生に赤ちゃんというと、「かわいい」「いやされる」という反応が多いのだが、実際に相手にすると、「腕がだるくなる」といったネガティブな反応も出てくるはず。そういう感情も含めて赤ちゃんのことを考えてくれるといいなと思う。

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