白い悪魔

 今までの遅れを取り戻すかのように、札幌を大雪が襲った。

 朝目覚めたら窓がぼんやりと曇っており、ずいぶんな結露だなと思って窓を開けると、やっぱりぼんやりと曇っていた。吹雪だったのである。雪が横から降ってくるのを久しぶりに見た。

 本日は今年最後の非常勤。この吹雪でJRはどうかと思いテレビをつけると、のきなみ交通機関が麻痺しているとの情報。こりゃだめだとあきらめ、車で行くことに。

 雪に埋もれた車を30分かけてなんとか掘り出し、ようやく発車したものの、主要な道路はひどい渋滞。なにしろ、風が積もった雪を舞いあげ、辺り一面を真っ白にしている。あたかも牛乳風呂の中に飛び込むような感じで、信号の光も注意していないと見えない。そんなわけでみなそろそろと走っているわけだ。

 普段なら30分で着くはずの大学への道のりも、今日は1時間かかってしまった。おかげで授業に遅刻。後期最初のオリエンテーションで「冬は交通機関が当てにならないかもしれないから、遅刻は大目に見ます」と言っておいてよかった。教員が遅刻していては様にならない。

 授業を終え、これで年内の仕事はすべておしまい。書くべき原稿がいくつか残っているが、それを持って明日から茨城の実家へ帰る。

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