札幌もだいぶ日が温んできて、駐車場の氷もすべて溶け、路肩にうずたかく積まれた雪だまりも徐々に縮んできている。
跳ね上げられた泥水ですっかり黒くなった車を洗いに行った。さっぱりとした姿になった。タイヤの履き替えはもう少し様子を見なければ。
油断していると4月でも降るのが札幌である。
温かくなり、夜歩いていても凍死する心配がなくなったというのは有り難い。冗談のような話だが、
日中でも吹雪けば遭難するとまことしやかに言われる札幌ではありえることだ。
ゆうべは仕事でこの3ヶ月間お世話になったIさんを誘い、慰労のための飲み会をすすきので挙行。
地下鉄南北線すすきの駅改札出てすぐの地下街入り口付近(ロビンソンという百貨店の地下入り口に面しているので、通称「ロビ地下」
と呼ばれる)にて待ち合わせ。ここは待ち合わせ場所として有名なのだが、昨日はものすごい人混みであった。卒業式、送別会、修了式などなど、
シーズンのさなかの土曜であるからおかしくはない話だ。
件のIさんを見つけられるかと危ぶんだが、あっさりと発見。地上に出て、「金富士」に入った。
生ビールで乾杯し、「これとこれとこれ」と注文しまくる。今夜はどうも大混雑のようで、われわれが座っていたテーブル席は相席。
それでもいっぱいとなり、数組の客が引き戸を開けて中をのぞき込んだ後無言で去っていった。腹一杯になるまで飲み食いし、二人で4780円。
「洋酒が飲みたいですねえ」というIさんのご要望にお応えし、バー「夜光虫」へ。ここは友人のMさん夫妻御用達のお店であり、
教えてもらってから何かあると通わせてもらっている。先日Mさんが札幌にいらした際にも訪ねていた。
カウンターの端に並んで座り、ゆっくりと飲む。Iさんとは人生について話し合った。
結婚云々という話を聞くととたんに嬉しくなって、「なんだ、そうなのかおまえ」「まあ飲め飲め」「で、どうなんだ」と、
「親戚の叔父さんモード」になる。こういう話は好きなのである。
腹もいっぱいになり、足がふらつく一歩手前でお開き。地下鉄の入り口に消えていくIさんを送り、
酔い覚ましにてくてくと家の方へ歩き始めた。
夜風がさほど身に刺さらなくなった。ふと立ち止まり、豊平川にかかる二条橋からネオンを振り返る。
橋の下を流れる黒い水のさざめきをのぞき込めば、すいこまれそうである。
車なら10分もあれば着いてしまうところ、のんびりと歩き、40分ほどかけて到着。