いろいろやっておりますよ

 1日から3週間、カミさんとアマネは長崎の実家に滞在。というのも今月はぼくがほとんど出張で家を空けるからだ。

 出張が入っていることもあり、いろいろなことを短い間にぱぱっとやらなければ間に合わない状況に。

 このところ気をもんでいた比較的大きな出来事が終わったので一安心。北海道心理学会というこじんまりとした会の事務局をおおせつかっているのだが、会の常任理事会が4日夜に無事開催された。このところその資料作りやらなんやらでパタパタしていたので肩の荷が下りた。

 2日から3日にかけては名古屋にいた。houさんとの研究の一環で、3歳の子を対象に実験をするため。某保育園におじゃまする。園庭を囲むように各年齢の子どもたちの部屋があり、部屋と庭の境に幅の広い縁側がついていた。このデザインはすごくいいなあ。園舎は、上から見たときにできるだけ多角形であればあるほど子どもたちにとっていいもんだ。園庭に雑草がしげっているのもいい(決してイヤミではない)!雑草だって遊び道具になるんだよ。

 1歳半をすぎたhouさんのお嬢さんはもうぺらぺらぺらりんこガールであった。

 明日(ああ、今日か)からは横浜へ。ISCAR-Japanの第1回大会に参加するため。このところ事務作業ばっかりだったので、研究発表の準備をするのが楽しい。間に合うかどうかは分からないけど。

 横浜からは7日に帰ってくるのだけど、次の日から今度は卒論生と一緒に名寄に行く。温泉につかりながら卒論の内容をうじゃうじゃしようという会である。去年は函館、今年は名寄。来年は帯広か釧路だな。

おわりのはじまりに

 我が心のオアシス三徳六味さんが美園のお店をたたみ円山にうつると聞いて2ヶ月、とうとうその日がやってきた。

 9時にアマネを寝かしつけてから夜に飛び出し、お店に向かう。

 ドアを開けると、黄色いTシャツを着た亮さんがいた。カウンターと小上がりは人でいっぱい。常連さんが貸し切りで、三徳さんの前途を祝う会を開いていたようだった。

 席が空いていなかったので挨拶だけで失礼しようとするも、常連さんがイスをあけてくださった。その彼はカウンターの向こう側へ。そして雇われマスターとなった。

 店の冷蔵庫の上にいつも鎮座ましましていたダルマがおろされ、亮さんの筆によって目が書き入れられた。

 「社長」さんの音頭で一本締め。

 料理を一通り作り終わりすっかりいい気分になった亮さんがダルマを抱きかかえて隣の席へ。

「あっちでの勝算はあるんでしょう」
「あるわけないでしょう、でもね、男としてね、やらなきゃならないんです」

 カウンターの内の雇われマスターは終始明るく元気だった。

 3年前の11月、現在の団地に引っ越してきたばかりのころ、たまたま寄ったこのお店の料理に惹かれ通い始めた。当時はまだ単身赴任で気楽に夜を遊べたからできたことだった。カミさんを呼び寄せてからは、「たまの贅沢」としておじゃました。子どもができてからは「特別な日のすごい贅沢」となった。今度はいつ行こうか。そんなことを楽しみに考えながら店の前をいつも通り過ぎていた。

 その、心のオアシスが物理的に遠くなってしまうのは、正直なところ寂しい。でもここは、亮さんが奥さんと一緒に苦労して一から作り上げてきたところだ。ぼくらがどうこう言える権利などない。

 飲みながら亮さんの「野望」を聞くのが楽しみだった。たまたま年齢が同じということもあり、うらやましく聞いていた。その「野望」を実現させるための一歩が踏み出されたんだろう。

 今日で閉める店内で笑いあう常連さんたちの姿を見ると、愛されているんだなぁとあらためて思った。

 次の日早くに用事があったため日が変わる前に辞した。帰り際、亮さんと手を握りあった。

 ここでの一区切りは次のはじまりでもあろう。その瞬間に立ち会えてよかった。席を替わってくれた雇われマスター、ありがとう。混ぜてくれたみなさん、ありがとう。

 そして、亮さん、ミキさん、また10月に。

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