一日体験入学

 土曜日には私の所属する学部で高校生向けに一日体験入学なるものが開かれた。中身は、大学生活の説明とゼミの体験である。市内からの参加が大半だったが、道内(旭川や静内、函館など)や青森、三重からも参加者があった。今年は例年よりも少し人数が増えたようだった。

 私は体験入学を取り仕切る委員というものになっていて、今回は大学生活の説明をするという大任をおおせつかっていた。説明にはパワーポイントを使うのだが、そのファイルを昨年担当された先生から受け継いでいたので、今年度向けに少し修正を入れるだけで済んだ。金曜の夜まで、準備は万全であった、はずだった。

 体験入学当日の朝、妻の叫び声に目を覚まし、時計を見ると午前8時半。体験入学の開始が9時。我が家から大学まで、地下鉄で最低でも30分かかる。

 ?!

 飛び起きるなり4分で支度をして地下鉄駅に走り込んだ。幸い、すぐに列車がホームに入ってきた。学部の事務に電話してみるが、走っている車内なので圏外で切れてしまう。こういうときの10分は本当に長く感じられる。やきもきしながら吊り広告を見上げてなんとか落ち着こうとする。

 さっぽろにて東豊線から南北線に乗り換え。ノートPCを小脇に抱えて構内をダッシュ。ふだん鍛えていないツケであるが、すぐに息が上がる。ホームにたどり着くと、これまた幸いなことに、すぐに列車が滑り込んだ。

 大学そばの駅から会場まで、これまたダッシュ。死にそうである。このとき、すでに時計は9時を過ぎていた。

 会場の文系共同講義棟にたどりついたのが、9時5分。同じ委員の先生方が受付に立っていた。「おはようございます、遅れてすみません」と声にならない声であいさつをすると、どうやらまだ受付中の模様。高校生も教員も全員集まりきっていないようだった。

 た、たすかった。(のか?)

 会は10分遅れで始まり、つつがなく進行。もちろん私の出番もなんとかこなした。ただ、起き抜けにつかんだのが、昨日はいていたジーンズとシャツ、それにジャケットだったので、思いっきりカジュアルな服装で高校生の前に立つことになったのが、いかがなものかと思うけれど。

 全体でのオリエンテーションの後は、ゼミに分かれての体験演習。発達ゼミではC先生とともに「養育性の心理学」というテーマで、子育てについて講義。院生にも協力してもらい、無事終了。

 気付いたときには足がヘロヘロになっており、帰宅してからはぐでーっと寝転がっているほかなかった。

 それにしても、こんなにあせったのは久方ぶり。数日前から胃腸の調子が悪く、おまけに肩が強烈にこっていたのだが、朝の運動ですっかり治ってしまった。怪我の功名である。

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