北千住居酒屋ツアー

 先週、実家に帰省していたおり、東京在住のS氏と、北千住にて居酒屋ツアーを決行しました。

 なぜ北千住か。実はこの街は、斯界の強者をうならせる名店が軒を連ねていることで有名なのです。
学生時代に北千住に寄る機会は幾度もありましたが、なぜか暖簾をくぐることはないまま、私は北に去ってしまいました。しかし、
いろいろと情報をあさるにつけ、この街で飲みたいという欲望がむくむくと。そこで、私のたっての願いを入れてもらい、
3か月の南米旅行から帰ってきたばかりのS氏をまきこんでのツアーと相成った次第。

 夕方4時にJR北千住駅に集合。お互いの近況について交わしながら最初の店を目指します。

 目指すと言っても、丸井のある西口ロータリーを渡ってすぐの路地に入ればすぐにその店があります。そのお店、「千住の永見」
は3時半開店。すでに1階のほとんどのテーブルはおじさんで一杯でした。

 奧に空いていたテーブルに通され、すぐに瓶ビールを頼みます。出てきたサッポロラガーをコップに注いで、乾杯!

「カ~ッ、うまい!」

 日中暑かったこともあり、のどを潤すべく、すぐに2杯目に進みます。

 このお店のことは、「酔わせて下町」という斯界では著名なサイトを通して知りました。そこで”名物”と称されている千寿揚げ
(ニンニク入り)を頼みます。それに、煮込みとガツ刺し、ポテサラなどを追加。

 千寿揚げはすぐに来ました。すり身をアツアツに揚げた中にニンニクの香ばしさがたちのぼり、これは美味しい。

「いい店ですねえ」「居心地がいいから、ここにずっといましょう」

 いえいえ、どうせですから、北千住と言えばここ、というお店にも行ってみましょう。後ろ髪ひかれる思いでお勘定をし、
そこへ向かいます。

 「大はし」は常磐線と平行に南北に延びる駅前商店街に構えた一軒屋。噂では4時半の開店を前に行列ができるということで、
最初の客が腰を上げるであろう6時前をねらって行ったのでした。

 引き戸を開けると、左手に鈎型に曲がったカウンター、右手にテーブルが6卓ほど。噂に違わず人で一杯の様子。カウンターに立つのは、
ご主人と、息子さんでしょうか。「いらっしゃい、そこに座って待ってて」と威勢のいい声をかけてくれました。
運良く1分ほどでカウンターに2人分が空き、そこに滑り込みます。

 滑り込むが早いか、ご主人がお通しの皿と箸をカウンターに並べます。

「なんにしましょ」「じゃあ、焼酎をボトルで」「あいよぅ」

 ここは俗に「キンミヤ」と呼ばれるものを出してくれます。なんでも、宮崎の方の蔵だそうですね。ボトルとともに、
アイスペールと炭酸、それにウメ割り用のシロップがかわいい瓶に入って出てきます。

「ではあらためて」「乾杯!」

 何はさておき、ここでは豆腐を食べねばなりません。カウンター奧の天上から下がった「牛にこみ」「肉とうふ」
の垂れ幕が食え食えと言わんばかりです。

 ご主人も、息子さんも、店のあちこちで挙がる手に威勢よく「あいよぅ」と応えて、注文をさばいています。
キビキビという言葉はこのお二人のためにあるのでは、と思うほど動きが素早い。それでいて、常に目が店全体に配られていますので、
ちょっと顔を向けて手を挙げればすぐに気付いてくれるのです。

 肉とうふに煮込みはもちろん、赤貝刺身とキモ、生桜エビなど思う存分いただきました。ボトルも空になり、ちょうどいい頃合い、
入り口に目をやると何人かが順番を待っています。ここも後ろ髪ひかれながらお勘定です。滞在は1時間半くらいでしたでしょうか。

 入るときにはまだ帰宅途中の高校生ばかりだった街も夜の顔になりつつあります。ここらでゆっくり腰を落ち着けて、
いろいろなお酒を飲みましょう。商店街からちょっと路地にそれると、なんでこんなところに、
というような場所にバーやら居酒屋やらが建っています。よさそうな所を物色していると、「マグロ脳天入りました」
という札を軒から下げた店が。「マグロ脳天」に引きつけられない人はいませんね。

 そのお店、「旬ダイニング庵
に先客は1人のみでした。カウンターに腰を下ろし、S氏とめいめい好きなお酒をやります。
もうこの頃になると何を食べたのか思い出せないのですが、脳天は確かに食べました。獣っぽさをもったトロ、とでも言いましょうか。

 さて私、10時に東京駅八重洲口から出る高速バスで帰宅しなければなりません。時刻は9時。ちょっとでも東京に近づいておくため、
上野に移動しました。

 と言っても駅を出てお店を探しにうろつく時間もありません。こんなとき、ちょうどいい所があります。
上野駅浅草口を出て目の前にあるアイリッシュ・パブ、「Stasiun」(スタシェーン)。駅のこの場所にできて、
もう5~6年は経つでしょうか。常磐線の最終までねばるのにだいぶお世話になりました。

 2人で飛び込み、ギネスのハーフをのどに流し込みます。ここでタイムリミット。

「ぼくはここでもうしばらくやっていきます」とS氏。再会を期して別れました。

 こういうツアーにつきあってもらえる友達がいるのは本当にありがたい。またやりましょう!

いつものお店へ

 帰宅の道すがら、いつものお店のドアを開けました。

「見ましたよ」

 カウンターに座るなり、三徳六味のマスター、亮さんが声をかけてきてくれます。
先日こちらのことをブログに書いたのをご覧くださったようです。いやあ、どうも。

 まずはビールをお願いして、「さて」とメニューをのぞき込むと、外はまだ寒風吹く季節ながら、
紙の上だけでももう春が訪れたようです。じゃあ、今日は春を堪能してみましょうか。

「最初によもぎ豆腐、それに桜鯛の昆布じめ、海鮮さつま揚げ」と、トントンと決めていきます。

「ホワイトアスパラを焼くのはどうですか。こないだのと同じ福岡産で、これまた太いですよ」と亮さんが差し出してくれたのは、
男性の親指を一回り大きくしたようなぶっといホワイトアスパラ。

「焼くとこの根本から水がジュウッと出てくるんです」。おお、そこまで言われたら食べないわけにはいかないですね。

 よもぎ豆腐が出てきました。胡麻豆腐をベースに、よもぎを混ぜたものでしょうか。草のよい香りが立ちます。
ここでビールグラスを一気にかたむけて、お酒にすすみましょう。

 お、桜鯛がお造りになってきました。ん、お造りの上に乗ってる黒いつぶつぶは何でしょう。

「大徳寺納豆です。醤油と味噌の中間のような味がしますよ。鯛に巻いてどうぞ」

 ふ~ん、大徳寺納豆は初めてです。では、それだけちょっとつまんでみましょう。甘いような、塩辛いような、クセになりそうな味です。

 お造りにいってみましょう。鯛の余分な水分を昆布が吸って身がほどよくひきしまると同時に、昆布が身に旨味を与えています。
そこに大徳寺納豆を巻いてみると…ほほう、心なしか身の甘みが際だつような気がします。

「はい、アスパラです」

 ホワイトアスパラをまるまる1本、焼き上げていくつかに切りわけたものが皿に盛られてきました。どれどれ、と噛んでみると、
口の中に甘さが広がります。これはおいしい。思わず顔がほころんでしまいますねえ。こないだのグリーンアスパラ同様、
パラパラとかけられた粗塩が甘さをひきたてています。根本の方をガブリと噛むと、おお、確かに水がポタポタとしみ出てきます。
こりゃ凄い生命力だ。

 続いて、海鮮さつま揚げが出てきました。いろいろな素材(亮さんから中身をうかがったのですが失念してしまいました)を混ぜ込んだ、
手作りの一品です。メニューにあるときはたいてい頼んでいるのではないでしょうかね。それくらい好きな料理です。揚げたてなので、
ホフホフ言いながら食べきりました。

 メニューを眺めていると、ホタルイカがあるではないですか。これも春のものですねえ。

「昆布の上に並べて焼くのはどうですか。敷いた昆布は後で切り分けて召し上がっていただくこともできますよ」

 説明を聞くだけでおいしそう。では、それもお願いします。ついでに、お酒も合わせてください。

 焼き上がったホタルイカはホクホクで、海水でしょうか、自然な塩辛さと甘みが混じり合ったおいしさです。イカの中からゴロ
(イカのワタのことを北海道ではこう呼びます)が昆布の上に出てしまいます。ああもったいない。箸でこそげてちびちびなめながら、
お酒をツイーッと飲むと、もうなんとも言えないですねえ。

 今日もおいしいものをどうもごちそうさまでした。至福の時間はあっというまに過ぎていくのでした。

帰宅するとき何か食べたくなって

 昨夜は三徳六味で食事。一人でした。妻と息子がママ友達といっしょに定山渓へ温泉旅行に行ったためです。

 カウンターの端に腰を下ろし、まずはビールをのどに流し込みます。さあ、今日のおすすめは何でしょう。お、
桜鯛なんてのがもう出てますか。あ、もう売り切れちゃったの、残念。では、ツブ貝をお造りにしてもらいましょうね。

 ほかに酒と合わせられるもの、それに焼き物と揚げ物も欲しいところです。タコの酢みそがけ、アスパラ焼き、
椎茸の揚げ出しをもらいましょう。

 1杯目のビールを空けたところでツブ貝が来ました。「今日のはコリッコリで甘くて、最高ですよ」とはマスターの亮さんのお言葉。
では、いっしょに飲むお酒を選ばせてください。亮さんがすすめてくださったのが「綿屋」(宮城)です。ではそれを1杯。う~ん、
すっきりとした飲み口です。それでいて芯がしっかりしているというのでしょうか、お酒らしさがきちんと残っています。
これは食べ物をじゃましない、居酒屋向けのお酒ですね。ツブ貝もいただきます。ほう、これは本当にコリコリとして、甘くて。
美味しくて無言で箸が進みます。

 ツブを食べている合間にアスパラが焼き上がりました。北海道のではなく、福岡のものだそうです。「見てくださいよ、この太さ」
と亮さんが焼く前のものを見せてくれましたが、親指ほどもある立派なアスパラ。それを2本焼いて、4等分したものが井桁に組まれ、
お皿に盛りつけられて出てきました。甘い!ぱらぱらとふりかけられた粗塩が甘さをひきたてます。

 お酒が空いてしまいました。美味しかったので、もう1杯同じのを。

 ご夫婦がお店に入ってきました。ぼくのすぐとなりにご主人が座ります。「あれ、
そういえば日記をごらんになったって言ってましたよね」と亮さんがそのご主人に声をかけます。
どうもこのご夫婦はぼくの日記を見たことがあるらしく、それで三徳のことを知った由。「いやあ、どうも。お恥ずかしい」と頭をかきます。

 三品目は椎茸の揚げ出し。たっぷりとだしのはられた片口に、椎茸の肉詰め、ナス、さいまき、
ハスがいっしょに揚げられて浮かんでいます。トッピングには蕎麦の実、お好みで黒七味をどうぞ、とのこと。濃いめのだし汁が腹にしみます。
ここらで胃にたまるものがほしかったところ。

 お酒のピッチもあがって3杯目に突入。もうこのころには記憶が朦朧としてきたのでよく覚えてませんが、「大信州」
をいただいたような気がします。ラベルがなかったので、いわくのあるものだったのですかね。

 ちょっと順番が遅いような気もしますが、タコの酢みそがけが出てきました。
どうもタコがあると食べずにはおれないのは酒飲みの業でしょうか。

 ひさびさに三徳の料理を存分に堪能しました。どうもごちそうさまでした。

 家に帰ると誰もいるわけでなし、冷凍庫の中華ちまきをレンジでチンして夜食に、先週撮った「水曜どうでしょう」
を眺めながらふとんに潜り込みました。

ニンジンの味は

 ただいま、茨城に帰省中です。甥っ子とアマネが家の中を追いかけっこしている様子を大人たちが酒を飲みながら冷や冷やしながら見ているところです。

 さて、昨日は卒論生わーさんと院生のKくんを誘って三徳六味で食事会を開きました。Kくんには、かつてお仕事をむりやり頼んだ経緯があったので、そのお礼です。

 料理はお任せでしたので、何が出てくるのかまったく分からず。いきなりタチと野芹の入った湯豆腐からスタート。寒い冬、まずは冷えた体を温めてという趣向なのでしょう。芹がよかった。続いてお造りですね。今回はマグロとエンガワでした。エンガワの脂は暖まった体でないとくどかったでしょうね。そこまで考えられた順番と見ました。

 ここまでで、三人ともビールを飲み終えて次の一杯に進みます。それぞれ、〆張鶴と村尾をいただきました。

 次はタコの頭と岩のりの酢の物。発生源は、タコなのか、岩のりなのか分かりませんが、磯の香りが全体をつつむ絶品。次は豚肉の塩竃。このように料理すると、肉の甘みが際だつものです。食事はヒラメの昆布締めのお寿司。アクセントの大徳寺納豆が良い仕事をしていました。

 お酒もほどよく進んでいきます。私はもう焼酎に入りました。

 最後はデザート。プリンと、ハスカップジャムを載せたアイスです。お茶をいただきながら至福の時間を過ごしました。

 卒論生にはこのニンジンはどうだったのでしょうか。私が込めたメッセージは、就職したら、こういう料理を気が向いたらいつでも食べられるくらいに気張りなさいということなのですが、気がついたのでしょうか。まあそんなこと気付くはずもなく、というのも、三人でさんざん馬鹿ッ話をえんえん4時間していただけなのですが。

 ともかく。おいしい料理をありがとうございました。リョウさん、ミキさん、来年もまたよろしくお願いします。

ニンジンぶらさげて走るのだ

 いよいよ卒論の締め切りが近づき、学生諸氏の顔色が悪くなってきた。そんななかわが敬愛するわー女史は「まだせっぱ詰まった感がない」とのたまわる。チミチミ、そういうことはとりあえず問題から文献まで全部埋めてから言いなさいな。もうひとりのめぐ君はただいま教育実習中であるが、実習に行く前にはや目鼻をつけていってくれたのでこちらは細かな点をのんびりと直すだけである。

 午後から基礎ゼミ。発表はゼミ長まっつんと2年生よっしーである。ただし、この二人がこのあだ名で呼ばれた記憶はない。それもそのはずで私が今付けたあだ名だからである。報告内容は○野先生の書いた(伏せ字になっていない)、学習における社会的相互交渉の役割について。今年の基礎ゼミは発達心理のさまざまなトピックについてレビューを読んでもらい、それについて報告&そのなかの実験あるいは調査を実際にデモンストレーションしてもらうという形式を取っている。今回のお二人のデモンストレーションは、参加者を3群に分けてちょっとした実験をするというもの。結果、みごとにクリアな結果が得られた。すごいすごい。

 帰りがけ、行きつけの三徳にちょこっと寄る。卒論の打ち上げ飲み会の算段をするためである。学生諸氏にはうまいもの食わせるからがんばれと言ってある。こうしてニンジンをぶらさげつつ走っていただく。もちろんニンジンがあるからがんばるというわけではないのだろうが、苦しみの果てに明確な楽しみが存在していた方がよろしかろうという心算である。

 帰宅して食ったおでんのスジがむちゃくちゃ美味かった。柚子胡椒にあうわあうわ。調子に乗ってビール2缶飲んであえなく撃沈であった。

S氏来襲

 先週末、金曜から月曜まで、10年来の友人S氏が東京よりはるばる来札していた。

 S氏はぼくより10歳ほど年上であり、半年働き半年遊ぶという、なんとも羨ましい生活をしている。この生き方は彼が積極的に選んだものであり、ぼくにとやかく言う権利はない。彼はすでに10年間このような生活をしているわけだが、「最近、私のような生き方がさほど珍しくなくなって、日本はずいぶんと住みやすくなったと思いますよ」と話されていた。

 金曜から土曜にかけて市内のいきつけの居酒屋をはしご。そこで日曜からの計画を練る。温泉に行くことにした。

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 明けて日曜、北海道は低気圧に見舞われ、横殴りの風と雪が部屋の窓をたたいていた。函館にでも行こうかと算段していたが、ここは大人しく定山渓にとどめておくことに。「ラグーンラグーン」のCMでおなじみ定山渓ビューホテルに電話してみたところ、当日の部屋と無料送迎バスの予約が取れた。

 バスがトンネルを抜けると定山渓は雪につつまれていた。ホテルの部屋から豊平側の渓流が見えた。

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 ホテルは全体がキッチュな雰囲気漂っていた。ロビーや廊下に置いてあるソファーやテーブルがすべて大陸風味。お客さんも大陸(島の人もいたか)の方が多いような気がする。

 月曜の朝、大事な会議に遅れないよう、一足先に宿を出て大学へ。仕事が終わり、へとへとになったころ、宿を出て札幌市街に戻ったS氏が学内に出没。JRの駅まで送り、東京へと見送った。

 来月からまた南米チリへ行くという。

夜の長浜に麺が飛ぶ

 明けて学会初日。

 会場となった福岡国際会議場は大きくきれいでした、マル。

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 ポスター会場で、今回ぼくが発表するWSを企画された百合草先生にごあいさつ。そのあと、いっしょに発表する岩男さんと合流。夕方まではたらたらとWSなどを見ておりました。

 6時から本番。お客さんの入りは…まあ申し上げずにおきましょう。指定討論の森岡先生はじめ、お聞きくださったみなさま、ありがとうございました。

 さてさて、百合草先生、岩男さんとともに打ち上げに。タクシーに乗って向かった先は長浜。

 博多といえば中洲、中洲といえば屋台が有名ですが、屋台は長浜にもあります。

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今回はその中の一軒に3人で突入。おでん、焼き鳥等々をいただきました。〆はやっぱりラーメン。どうもこの屋台のおやじというのが有名人らしく、ラーメンの湯切りを、ダンスしながらおこなうのです。その様子を見に、観光客が寄ってきます。調子に乗ったおやじ、麺を百合草先生の頭の上めがけて飛ばし、それをふたたびキャッチするという技を見せました。

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 「記念だから」とわけのわからないことを言いながら3人で今度は中洲へ向かいます。屋台をのぞくとえらい混みよう。しかたなく普通の居酒屋でよしなしごとをしゃべっておりました。

 そんなこんなで初日終了。

ギリギリ人生in博多

 一昨日より福岡に来ております。日本心理学会大会に参加するためです。長崎生まれの妻がこの機会にと息子とともに帰省することに。なので、3人いっしょに飛行機に乗ってやってきました。

 空港で義父母と待ち合わせ、そこで妻子とお別れ。次に会えるのは再来週です。たっしゃでなあ。

 さてこちらは天神のアークホテル博多に投宿。ここは全室にLANが引いてあるので便利です。そんなに遅くもならないので快適ですし。

 ぼくの出番は初日の夕方からのワークショップ。そこで発表するプレゼン資料がまだできていないので、宿でしこしこと作成。が、いいかげん腹も減り、しょうがないのでホテルを出てすぐそばの中華料理屋へ。博多に来てなぜ中華か。このときはすぐに宿に戻って作業に復帰する予定だったのです。このときは。

 中華料理屋でビールを飲んだのがいけなかったか、「景気づけだ」と2軒めへ。近くのビアバーに入ってしまいました。日本ではまだまだ珍しいビールをケグ(いわゆる、樽ですね)でそろえているところ。ちょうど業者の人が入れていったばかりの、 GREENE KINGのIPAをいただく。ペールエールですが、飲み口がすきっとしていますね。IPAのサーバのとなりには、同じブルワリーのAbbot Aleがあったのですが、本日はなしとのこと。院生時代に缶で飲んだことはあったのですが、残念。このあと、 GUINNESSと、アメリカのShakespeareというのをいただきました。ワークショップの発表はハムレットに関するものなのでね。飲み干してしまえ、というわけです(こじつけですが)。

 なかなか良いお店でした。BEER’Sといいます。
 BEER’S 福岡市中央区天神3丁目7-1花田ビル201

 さて、宿に戻ってからPCを開けてみるのですが、なにしろ実は徹夜明けなので目がどうにもならなくなってしまいました。というわけでプレゼン作りは発表当日の朝からやることに。ギリギリの綱渡り的な生き方は治りそうにありません。

はこだて未来大学に行ってきた

 卒論生といっしょに、はこだて未来大学へ行ってきました。目的は、人工物とインタラクションを広くご研究されている南部美砂子先生にお会いするため。

 卒論生の一人、わーさんの研究テーマが、「母子間相互行為場面におけるケータイ」というもの。ケータイ研究の動向はこちらはとんとさっぱりなので、ここはご専門の方にうかがうのが最良と、南部先生の門をたたいたのでした。

 札幌からはスーパー北斗で函館入り。駅にて、今回の参加者、めぐくん、わーさんとともにレンタカーに乗り込みました。函館の駅は最近新しくしたのでしょうか、6年前に学会で来たことがあるのですが、そのときはもっとぼろっとした印象でした。ところがいつのまにか近代的な建物に変貌していました。

 街から大学までは車で20分くらいです。函館の内陸になだらかに盛り上がる山の上に大学は建てられました。函館山からの夜景は有名ですが、大学からは「裏夜景」と呼ばれる街の灯が望めるのだそうです。

 大学の駐車場に車を停めると、南部先生と東工大の岩男征樹先生が出迎えにいらしてくださいました。

 今回は研究のヒントのようなものをいただければと考えていたのですが、先方は研究交流会のような形でセッティングして下さっていました。南部研からはゼミ生2人が参加してくれました。彼/女は、わーさんと同じくケータイについての研究をしているそうです。違う点は、一人は小学3年生のケータイ使用、もう一人は高齢者のケータイ使用と、お二人とも機械のユーザビリティの点から見ているところでした。

 研究会は、わーさんのここまでの調査内容の報告に続いて、南部研の2人の発表という順で行なわれました。ケータイそのものが新しいメディアであるだけに、ユーザの視点からの研究は本当に少ないのですね。これから若い3人にはいろいろな視点から具体的なデータを集めてもらいたいと思います。

 ところで、北大の学生は、はこだて未来大学の建築デザインにいちいち驚いていました。なにしろ新しい大学ですから、きれいなのです。僕が岩男先生と日心でのRTの打ち合わせをしている間、めぐ、わーの両氏には大学のなかを探検してきてもらいました。 

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 この大学のように、新しいカリキュラム編成をデザインするとともに、それにみあった建築のデザインもしてしまう、というところは少ないと思います。カリキュラム編成のデザインにあたっては、ヴィゴツキーに由来する学習観も大きな影響を与えたと聞きます。そのあたりは、下の本に詳しいです。

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 研究のヒントをたっぷりといただいて、大学をあとにしました。南部さん、岩男さん、そして学生の皆さん、どうもありがとうございました。

 このあと、ぼくが予約した宿の名前をど忘れして、1時間ほどうろうろと探し回るという失態を演じたりもしましたが、無事に投宿。函館の夜の駅前をぶらぶらと3人でそぞろ歩きしながら打ち上げです。

 1軒めは「根ぼっけ」。海のなかであちこち動かず、居着いてしまったホッケのことを根ぼっけというのだそうですが、その魚の名を店名にしているだけあって、根ぼっけ料理がウリのようです。貧乏な3人でしたので、根ぼっけ焼き半身(小)を頼みましたが、3人だとそれでも十分なくらいでかいものが来ました。その他、刺身も活きがよくたいへんおいしい。実は、ここは南部先生に教わったお店なのでした。感謝であります。

 2軒めは「杉の子」。ここは居酒屋好きには知られた古いバー。柱にかかった操舵輪をはじめ、年季の入ったオブジェが壁一面を埋め尽くしています。函館という観光地にありながら、地元の方らしき人がひっきりなしにドアを開けてくるのは良いお店の証拠。ここでは、オリジナルのカクテル「八甲田丸」をいただきました(その他に、青函連絡船の名を取ったとおぼしきカクテルが3種類ほどありました)。卵を使ったリキュール(名前、失念)を使っているそうで、グラスのなかのクリーム色をなめると甘酸っぱくコクのある味が舌にまとわりついてきます。めぐ、わーの両氏は「うまいうまい」と感動してお酒を飲んでいました。

 宿の門限は11時、現在10時半です。大急ぎで戻ったところが、すでに共同浴場は終了。部屋でめぐくんの卒論指導をしたのち、汗くさいままふとんのなかで気を失いましたとさ。

卒論決起集会

 と称して、卒論を見ることとなった4年生とともに飲みに行った。今年面倒見るのは3名。メグくん、タヤくん、ワーさん。いずれ劣らぬ壮士である。

 「なに食いたい?」と聞くと、メグくんは「焼き鳥食いたいッス」とのこと。OK、ではあそこへ行こう。

 てな感じで北大正門前の鳥源へ。4人で鳥串36本食い尽くした上、野菜串もたらふく。

 OK、じゃあ河岸をかえて日本酒をがんがんと飲もう。

 てな感じで札幌駅北口の味百仙へ。

 ここは札幌一日本酒のそろえがよろしいと言われている。私は、(確か)早瀬浦、東洋美人など4杯を飲んだ。

 ここで卒論夏合宿を決行することを謀議する。いわく、「韓国は日本より安い」「新幹線に乗りたい」「知床はよい」などなど、候補は挙がったが、結局のところ、大滝で温泉に浸かりながらというセンで固まった。ジャンケンで負けたタヤくんが幹事である。よろしく。